依存性人格障害・依存性パーソナリティ障害 名古屋

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依存性人格障害

                       
依存性人格障害とは特   徴診断テスト
弊    害思考パターン原   因
認める大切さ対   策関 わ り 方
相談のケースQ & A

 

依存性人格障害とは 


自分自身の価値を低いものとし相手に服従する精神構造である。


人は誰しもこう考えます。絶対的に頼れる存在の人、心の拠り所となる人、そんな人を私たちが得ることが出来ればどんなに心強く生きて行けることだろうか。しかし理想は理想、例え親や子の間であっても、恋人や夫婦の仲であろうとも現実の世界では「全面的」には有り得ないことです。その有り得ないものを常に求める心理はもう「依存性人格障害」と言えます。自分自身単体では成り立たない無力な存在とし、他者に自分の責任や保護を求め頼り切ることに終始します。自分はレベルの低い無力な人間なので、常に相手の顔色を伺い相手の機嫌を損なわないよう注意を払いながら生活をする行動を取ります。恋人や御主人や親や上司がDVやモラハラ・パワハラ・セクハラがあろうとも生き長らえるためにはよく無い人であっても逆らうことは出来ません。

 

 

依存性人格障害 「特徴」


依存性人格障害 ・依存性パーソナリティ障害を持つ人には次のような特徴があります。


印象は愛想が良く愛嬌も持ち合わせている

人に対しての気配りが非常に優れている

控えめな面もあり自分よりも相手を優先する傾向を持つ

人の影響を受けやすく相手のペースを受け入れてしまう

自分の全てを相手に受け容れてもらいたいと考える

サービス精神があり相手に喜んでもらう対応が多い

自己主張をすることは少なく相手の話に合わせに行く傾向がある

自分自身の評価は低く相手に対しては過大に評価をする

相手に逆らうことは避けとても良い子良い人として振る舞う

ひとりでの行動が苦手で常に人の関わりを求めている

人の顔色をうかがい相手の機嫌に対し敏感である

甘え上手で相手に取り入ることに長けている

関心を持ってもらうことを相手に求めてしまう

相手に問題がある場合にも離れる決断が難しい



などなどこれらの特徴が多く該当するようであれば「依存性人格障害・依存性パーソナリティ障害」の可能性が浮上します。結構、身近な人にこんな方は珍しくはないですよね?しかし、そこに「人格障害」と名がつけば「人柄がよく合わせ上手な少し自主性や決断力が控え目な人」のような通常の状態では無くなります。人格障害とは、その性質を持つことにより人生に自分自身に、また関わり合う人達に苦痛を伴う多くの不都合が生じる場合を言います。

依存性人格障害ともなれば当然その特徴が強く打ち出されてきます。

「誰かに自分を支えてもらわなければ生きては行けない」

簡単に依存性人格障害を表せばこの一行で足りるでしょう。

どうですか?
お酒に例えたなら「アルコールを飲まなければ生きて行けない」アルコール依存症ですね。薬物なら「ドラッグがなければ生きて行けない」薬物中毒ですね。

お酒を程良く嗜む方は節度があり常に自分でコントロールが出来ます。しかしアルコール依存に陥れば、それが「常に飲酒を望みそれが叶わぬ状況には堪え難い苦痛」が伴います。依存性人格障害も同様です。その依存先が「アルコール」なのか「人」なのかの違いに過ぎません。幼児であれば母親と離れる時には不安を誰しも感じますが、ある程度成長した時期にも尚強い不安を感じるようであれば「分離不安症」が疑われますが、大人に成長してもある特定の人に対してその人の存在がなければ自分自身が成立しないようではやはり「依存性人格障害」と言わざるを得ないでしょう。

その依存性人格障害にも受動的依存性と能動的依存性があり、またそれらにはタイプもあります。別項ではこの「依存性人格障害のタイプ別分類」として記述してありますので参考にして見て下さい。

 

 

依存性人格障害 「弊害」


依存性人格障害と思われる傾向の方は、一見協調性があり甘え上手で周囲の人から愛されるキャラのように見えます。そしてとても控えめで相手を尊重し気配りにも長けています。また社交性もありイメージも良く特に問題がないように思われます。
 

しかしその影には一人で生きていくことに大きな不安を持ち、相手に気に入られ自分の総てを受け入れ守って貰いたいとの強い欲求が隠されています。
 

今日、着ていく服や、傘が要るかどうかなどの日常的なことから、進路・就職などの人生の岐路の選択までも自分の責任で決める事ができません 。
 

自分一人の面倒を見ることでさえ不安が強くその状況を恐れ、ひとりきりになることに恐怖心を持ち、相手に自分の世話をし支えてくれる関係を求めます。その結果、自分の感情を抑え、相手の意思に沿う行動をとり、時には経済的・精神的支えを求め不適切な相手にまでしがみつき保護を得ようとします。
 

この様な状況となれば、もはや性格というより障害となります。
そしてその障害は「依存性人格障害」に該当します。

 

「この人と離れては生きていけない」
 

「自分一人では何もできない」
 

「いつも側にいて何かあった時は守って欲しい 」
 

「面倒なこと、厄介なことは代わりにやって欲しい 」
 

「人生の岐路には安全な方向に導いて欲しい」
 

「自信がない時には強く大丈夫だよと励まして欲しい」
 

こんな思いを持ちながら常に相手に接し、見捨てられないかといつも不安でいっぱい。
見放されないためには相手の顔色を伺い、ご機嫌を伺い、関心を引くために弱い自分を演じたり、挙句は相手を引き止めるために病気を装い、気をひく事に成功すれば、実際に身体に不調をきたす事さえ現実に起きています。

 

この強い「見捨てられ不安」のため、しがみつくように相手に依存して行きます。
 

一旦相手との関係が崩れ始めると必死になり、不安感のため精神の均衡を崩し 極端な行動に走ることもあります。
うつ状態からニート・引きこもりへと、幸福とは言えない状態に進むこともつらいことです。

 

複雑にしている要因に依存されている側の方も、責任感があり愛情深い方が多く、必死にすがりついてくる相手を無下にもできず、この状態をずるずる続け益々悪化させてしまいます。
 

 

 

依存性人格障害 「思考パターン」


依存性人格障害の表れ方にもそれぞれ特徴があります。特徴のある五つのタイプを紹介します。
 

 
弱者を演じるタイプ


文字通り自分が弱い存在、庇護されないと生きては行けない存在であることを殊更アピールします。
 

責任を負う場面や、学校や職場に行くことでも 「絶対できない、絶対に行けない、絶対無理」と自分にそれを遂行する能力がない事を訴えたり「体調が悪い」「お腹が痛い」「頭が痛い」と身体の不調をことさら大袈裟に言ったりして、何が何でも、是が非でも回避しようとします。
 

不登校やニート・引きこもりを実行している人や、親が子に対し高齢に於ける体調不良や金銭問題など様々な理由を基に、同居のために子が職を変えなければいけない状況や、無理な転居などをさせてまでも、自分よがりな過剰な庇護を求めるのも一例でしょう。
 

自分の「非力さを武器」に優秀な相手の傘下の元で護られた、安全で安心な状態を得ようとします。
 

自分自身の行動も相手に決めてもらい、常に付き添い寄り添うことを求め、自信がない時には励ましてもらい、責任すら取ってもらう事を求めます。自分一人では自信がないので庇護して欲しい相手にはとても従順なのも特徴ですが、相手が聴き入れてくれない場合には逆に暴言暴力的になったり、全てを投げ出す態度を取り相手を困らせ庇護を求める場合もあります。
 

構ってもらい心配されて世話を受けていないと不安が増し心が折れてしまいます。相手がいなくなり、一人ぼっちになる事には脅威を覚え、とても耐えられないと感じます。慈悲深い相手に、殊更弱い自分を演じ続けることで益々依存を強めていきます。それと同時に依存性人格者を支える側にも「私が居なければ・・」との考えが芽生え「依存する側と依存される側」に「共依存関係」が成立し、負の連鎖となり悪循環を起こし、自立とは程遠い結果をもたらせます。
 
 

 
迎合するタイプ


協調性があり社交的で問題ないと思われ、本人の自覚も乏しいため見過ごされがちです。しかしその深層心理には 「他人の承認なしには 自分は何もできない」という怯えにも似た不安感が隠されています。そのため相手の顔色を伺い、機嫌を損ねない様に相手の気持ちを読み取り、気を配り、その意向に沿った振る舞いをします。
 

何をするにしても 人の指示や承認を得られないと不安です。
 

一人になると自分の存在を持て余し、どうしてよいのか分からなくなります。
 

人の指示で行動している間は安心ですが、自分の判断を求められる局面を極端に回避しようとします。
 

「これでいいの? 」「これをしていいの? 」と常に確認したり 、「こうしなさい」「それをするといいよ 」と指示されると安心します。
 

自分に自信がないので 他人に合わせている方が楽なのです。自分がどうしたいのかより、相手がどうしたいのかを重視し、自分の幸福感を無視しても相手の様子を伺い気に入られようと無意識に行動します。
 

他人の反応によって 自身のアイデンティティを確立しますので、その対象を失うと自分自身をも失う結果となり、「自分が無用な者、無価値な者」と思え、生きる目標 希望を失い気力が失せて抜け殻のようになりうつ状態に陥ってしまう事が多いのが特徴です。
 
 

 
小さな子供のタイプ


子供が お母さんの温かい腕に抱かれているように保護され守られていないと不安です。
 

その状態を維持したいためにいつまでも子供でいようとします。
子供のような洋服を好み幼稚な行動をとり、未熟な自分、一人では何もできない自分を周囲にアピールし、責任ある状況や立場、仕事や学業などの責務や義務から逃れようとします。

 

無意識かつ潜在意識の働きにより、常に幼稚な行動をしていますので本人もこれが自分の真の姿だと思い込み、この自分を理解し受け入れて欲しいと必死になります。
 

人生は一つのところに留まっていることは決してできることではありません。
周囲も環境も社会も、一生子供のままでいる事を許しません。

 

それでも 自分は子供なんだ、未熟でとても弱い存在なんだ、一人では何もできないんだとアピールします。
 

自分と周囲の意識の差から逃げ場を失い追い込まれ、心のバランスを崩したり社会から逸脱してしまったり、自分の殻に閉じこもり、引きこもり状態に安全な場所を求めてしまうこともあります。
 

本来なら 失敗や成功を繰り返し自信をつけたり自分で道を切り開く事を覚えていくものでが、それを避け逃げる行動を繰り返します。
 
 

 
献身的に尽くすタイプ


人の気持ちを理解し、自分よりも相手の立場を優先し、献身的に尽くす素晴らしい人格の方です。
 

良い母、良い妻、良い友人、良いスタッフとして人々から常に高評価を得て とても尊敬される存在です。
 

この素晴らしい美徳を持つ人が依存性人格障害であることに驚かれるかも知れません。
 

この方々の中には、対象の中に自分自身の存在を置き、自分自身よりも相手を最優先とし、相手の成功こそが自身の喜びであり、生き甲斐であると強く思うが人がいます。
 

そして自分の幸福感を求めることには罪悪の様に捉える方もいます。
献身的に尽くすパートナーがいてこそ偉大な成功者も生まれますので決して悪いことではないのですが、相手に善かれとの思いの干渉が強くなり過ぎれば相手にも負担となり、結果重荷になることもあります。

 

余りにものめり込み過ぎ、自分の意識の中で相手が同化してしまったために、もし万が一、相手との関係が解消された場合には、心の一部がもぎ取られたようになり、自分自身のアイデンティティを見失い、生きる意味、生きる気力が無くなり抜け殻状態、いわゆる虚無感に襲われ、重いうつ状態や 境界性人格障害へと悪化し本人にも周囲にも深刻な問題へと発展する危険を持ったタイプとなります。
 
 

 
宿り木タイプ


周りから「やる気がない」「無気力」「無反応」との印象を与えるこのタイプの方は、文字通り 何もしないことで 周囲に「消極的に依存」しています。
 

社会活動へのモチベーションが低く、周りからは何を考えているか解らないないと思われています。
 

喜怒哀楽を表現しないのではなく、実際に感じることすら乏しいのです。自分自身の感情にも無頓着で、自分自身の人生を選択し決断することも無く 流れのままに生きていきます。
 

執着して他人に必死にしがみつくタイプとは全く異なり、親密な関係を築きたいという欲求が希薄です。
 

自分自身の人生にも興味がなく、自分の将来にも無関心、自分を幸せにしようと積極的に行動することはありません。
 

果ては生命維持活動を他人に依存する事もあります。親などの近親者、世話焼き好きや慈悲深い人の厚意に依存し生きています。
 

現状が幸福感とは程遠いものであってもこの状態から脱脚する情熱やパワーもなく、ニートや引きこもりに至る依存性人格障害者と言えます。
 

暖簾に腕押し、糠に釘、本人のヤル気が無いタイプだけに改善へのプロセスは根気が必要とされます。
 

 

 

依存性人格障害 「原因」


何事も結果があれば原因があるのは自明の理です。
依存性人格障害にも当然「原因」があり、その幾つかを記して置きます。

 

 
原 因


依存性人格障害の原因と考えられているものの要因には「育てられた環境」「教えられた道徳」「子供の頃に受けたトラウマ」などが挙げられます。
 

自然界では、親は巣立ちの時のために子に対し「無償の愛情」と「生き抜く知恵」を伝えます。そして子は、親からの愛情により「自分を信じる力」を得ると共に、知恵により過酷な自然界の中で「生き抜く力」を得ます。
 

人も自然界の生き物と同様、親に愛されながら育まれることにより自分を信じる力と人生を切り開く勇気と知恵を得ることにより、自立し自分自身の人生を歩いていきます。
 

あなたは愛されて育ちましたか?
自分自身を愛する事ができてますか?
自分を大切にする事ができてますか?

 

もし上段の問い掛けに対して「愛された」回答をされたにも関わらず、中段下段の回答が「いいえ」ともし答えたのであれば、上段での「愛された」との答えはとても疑わしいと言わざるを得ません。愛されたとの実感と言うよりも、「親は親なりに私のことを愛してくれていたんだと思う」の間違いでは無いのでしょうか?これについては、アダルトチルドレンにて詳しく記述しておきます。
 

例えば、過保護であったり支配的な親の場合、その子供の多くは「無力な存在」と扱われ 自立の芽が摘まれてしまい芽生えないまま成長し当然花も咲くことのない人生となり、自分の選択に自信を持てず、身の回りの事も、人生の岐路も人を頼り、人の意見に従い安堵しますが、所詮人任せの人生、充足感の乏しい毎日となります。
 

また子供のように駄々をこね、泣きわめいたり暴力を振るったりする事で親の関心を得たり親をコントロールして依存し続ける事もあります。
 

日本ではかつての長い封建社会において立場が低い間違った時代が続き、そのために「女性は、親・夫・老いては息子」に従うとの献身を美徳とする道徳観があり、それが依存性人格障害傾向を増長させたように思います。
 

そんな理由も考えられ、以前には男性より圧倒的に女性が多いかったのですが、最近では父親は仕事やゴルフや飲み会などで息子と接する機会が極端に薄れてしまい女性が息子を100パーセント近く対応することになり、結果、頼りない女性的な男性の量産が起こり、男性の依存性が高まってしまったと私は考えています。
 

さしたる目的もなく親が子に対し我慢や忍耐を強いる躾(しつけ)には問題が多過ぎます。子はひたすら「我慢する事、耐える事」が目的となり幸福感の溢れた人生とは遠いものになります。愛されることの喜び、困難を乗り切り達成感や充実感などを体験する経験がなくては、とても生きる目標を見つける事は難しいでしょう。
 

子は一つ一つ壁を乗り越えることで自分の能力を信じ自信を持つのです。その機会を親が手を貸し過ぎたり、失敗を叱責され、自信を奪われたまま成長すれば本人の自覚の無いまま依存状態に陥る危険があります。
 

また人格形成の大切な時期の家庭に暴力行為があったり、親がアルコールなどに依存している場合、金銭的な問題が発生していたり、ギャンブル問題や浮気問題、夫婦の不仲や共働きなどの環境が家庭にあれば、子供は「自分は全て受け入れられている」という安心感を持って成長する事はとてもできません。
 

そんな家庭で育った子供は生き延びるために、親の顔色を伺ったり、時にはいい子を演じたりしてこのように十分な保護を受けられず、自己の形成と確立がなされないまま成長した場合、親からの「見捨てられ不安」を強く抱いてしまい、歪な依存関係によって安心感を得ようとしてしまいます。
 

庇護されないと生きていけないと弱者を演じ 絆に頼っていませんか?
嫌な事も我慢して相手に合わせていませんか?
構って欲しくて守って欲しくて子供の状態を続けていませんか?
自分には無頓着で のめり込むように人に尽くしていませんか?
自分の幸福感を求めず 人を頼って生きてませんか?

 

回答に該当をするあなたにも生まれ持っての気質などではなく、それなりの理由や原因があるということを理解し自分を大きく変化させ尊厳を持った自主独立した幸福な人生となるよう、重い腰を上げて私どもと取り組んでみましょう。
 

 

 

依存性人格障害 「認める大切さ」


自分の弱さを武器に、人を頼り依存の対象である相手を支配する人格障害。まずは「依存性人格障害」を認めるところからスタートが肝要です。
 

 
認める大切さ


依存性人格障害に該当する方にとって「改善」を望むのであれば、一番大切なことは「私は依存性人格障害である」もしくは「私は依存性人格障害の傾向が強い」ということを正面から「認める」ことがとても重要です。
 

そして伴侶や家族など周囲の方々が、依存性人格障害に該当するであろうその当事者に依存性人格障害の情報を提供すると共に自覚を促し、改善のための必要な処置を講じることが必要となります。
 

子にとって幼少期には当然親に依存することは正当であり、何の問題もありません。しかし、依存性人格障害の多くの場合、物心が着く前の幼少期の頃から培った依存状態が、成長した現在も切れ目無く継続していたり、自助能力、自己決定能力、自己判断を行使せず、依存している相手に自己の責任を任せるのが当然と判断しているため、自分自身の間違った依存状態を自覚していることは滅多にありません。
 

「自分は未熟だから、弱い自分に成り代わり親や恋人に助けてもらえなくなったらとても一人で 生きていけない 」
 

「私は身体が弱いので、いつもそばにいて自分に気を配って貰わないと不安。一人では絶対生きていけないし、いつもそばにいて世話を焼いて欲しい。」
 

「私のことを養い、全てから守ってくれるあの人がいないと生きていけないから、あの人の一挙一動に心を配り、心を汲み、望まれたらなんでもします。」
 

「優しく何にもでも相談に乗ってくれて助けてくれたお兄さんに恋人ができて構ってくれない。寂しくて苦 しい。恋人と別れさせて前の優しいお兄さんにに戻したい。」
 

「子供のために自分の人生を犠牲にして優秀な大学目指していたのに、別にやりたい事が見つかったとサッサと家を出てしまった。抜け殻のようになり毎日生きる気力が失せてしまった。なんとか子供を元に戻したい。」
 

依存性人格障害の方にもパターンの違いがあり、上記のようにこんな辛い状況で 苦しんでいらっしゃいます。
 

子供、近親者、恋人、配偶者などの大切な人を「心の拠り所」に生きる活力とするのは普通のことです。 ただ エスカレートし過ぎて相手にしがみつくようになり心の均衡を崩すせば障害となります。
 

依存性人格障害の症状は、ある程度は誰の心にも存在はします。しかしそれが表立って依存性が実行や発言が無い限り特に問題になりません。 しかしそれが顕在化し表面化し実行されれば、相手に気持ちが集中し過ぎ自分を顧みる事が難しくなります。
 

まずはご自身の他人への歪な依存状態に気づいて欲しいのです。 そしてその元凶が必ずしも自分の願望を満たしてくれない依存相手にあるのでなく、自分の心の中にある事を認識できたならこの苦しみから脱却のスタートとなります。改善への努力により自分自身はもとより、ご自身や大切な方の幸福な未来につながることを信じてください。
 

 

 

依存性人格障害 「克服への対策」


人生のどんな問題も解決出来ないことは決してありません。依存性人格障害に至る原因を理解し改善のために舵を切りましょう。
 

 
克服への対策


依存性人格障害の方は親からの愛情不足による自己肯定感の喪失、育った環境や受けた教育による依存的思考、トラウマなどが起因となって自分に自信が持てないまま他者への歪な依存状態から抜ける事ができず辛い状況に悩み苦しんでいます。
 

例えば、優秀な兄弟と比べられダメな子のレッテルを貼られ続ける事で自信を失くし、自分で判断する事を諦め、他者への依存なしでは生きる術を見つけられなかったのかも知れません。
 

親の資質に欠けた「未熟な親」に育てられ、正当な愛情も受けられず、正当な躾も教育も施されない状態で頭ごなしに怒鳴られ続けたら自我も自立心も芽生えず、社会全体が親と同じ得体の知れない恐怖の対象となる事でしょう。
 

親から子への儒教的道徳観の行き過ぎにより、常に献身的に尽くす対象を求め続けた結果、対象の喪失により生きる気力を失くされた方も辛い状況です。
 

子供の頃の間違った親からの教育により、潜在意識に棲み込む正体不明の不安や恐怖に怯え、依存によって生きる今の状態になったとしても、それはやむを得ない事であり仕方のない事です。現状のあなたの持つ性質は、決してあなたの生まれ持った資質ではありません。
 

後天的なものとして理解できれば、その原因を突き止め自分が依存するメカニズムをよく理解し、間違って身についてしまった考え方を整理し、矯正し、再構築する事で徐々に今の辛い状態を改善する事が可能です。
 

自分の過去や辛いトラウマを振り返り再確認、再認識することは場合によっては耐え難いことですが、幼い頃感じた大きな恐怖や不安の正体を見極めれば 、ハリボテの様に自分自身の中で肥大化したものだと解るはずです。
 

幼かった頃には乗り切る力も知恵もなかったあなたも、成長した今では全てを理解し克服する力が育っているはずです。
 

実際に認知行動療法、潜在意識療法などの心理療法により、改善に成功した事例は数多くあります。聖心こころセラピーでは、あなたと共に心の奥底に隠された原因を知り、絡まった感情を解きほぐし傷付いた心を癒すお手伝いをします。その上でコーチングにより充実し幸福感の高い自立した人生を送るための考え方を再構築していきます。
 

新しい考え方の元で行動したり自己主張し、それが受け入れられる事で自信を深め 新たな可能性に挑戦する勇気を得られることでしょう。
 

せっかくこの世に生を受けたのです。
大切な存在である貴方自身の人生を、実り多い楽しいものにしていきましょう。

 

 

 

依存性人格障害 「関わり方」


依存性人格障害はあまり世間では知られていないために、本人も周りも障害と認識する事は稀です。依存性人格障害による弊害が顕証化して初めて問題の大きさ、根深さがわかるケースがほとんどです。
 

依存性人格障害の知識を持たず、また認知に至らなければ「性格なのだから仕方ない 」「生まれながらの甘えっ子」「一人では何もできない半人前」と 周囲からはマイナスのイメージが定着してしまい、本人はそのイメージの元で不本意な人生を過ごしています。
 

もし物心つく前の幼い頃から何かする度に叱責され続けたら どんな子供に成長することでしょう。 躾のつもりの行為も親の温もりも愛情も感じられなければただ理不尽な怒りの感情のみを受け取り、自我も自立心も育たず恐怖心だけが膨らむことでしょう。
 

また共働きなどで祖父母に育てられたり、親から見放されないがために子供の頃より良い子を演じていたりする子もいます。親は聞き分けの良い育てやすい子と好意的に受け止めますが、子どもの認識は決してそうではなく愛されるにはいつも良い子として振る舞い、親から好かれるための条件を整えようとします。
 

ご自身のことでも原因を理解できている方は稀で、理由もわからないまま心の奥深くに、幼い頃から続く辛い無意識の記憶を抱えています。潜在意識の奥底にある正体不明の不安感のため自分で物事を決めたり行動する事ができず依存相手に必死にしがみついているのです。
 

心に潜む恐怖心を放置し行動だけを闇雲に改善したり、根性論で励ましても益々萎縮してしまい問題の解決には至りません。 本人はただ甘えたり楽をしようとしている訳ではなく、例え行動しようとしても直ぐに言い知れぬ不安感に襲われ、急激に負荷が掛かりブレーキを踏んでしまいます。
 

依存性人格障害に該当する方の家族を始め周囲の方にお願いしたいことを5つ上げておきます。
 

身動きできない状況に一人で苦しんでいることに気がついてあげてください。
 

依存性人格障害で苦しんでいる状況や理由を理解してあげてください。
 

そして親から子への励ましや、言い聞かせをしようとしないでください。
 

その上で素晴らしい能力があることを信じ見守ってあげてください。
 

そして可能であれば依存性人格障害を熟知したカウンセラーの指導によるカウンセリングを受け、認知行動療法などの心理療法などを通して、過去の問題を整理整頓し、未来に生きるための基本的な考え方の構築をされることを強くお勧めします。
 

本人の気質にもよりますが、家族療法も一定の効果があります。気持ちを受け止めて見守り、回復状況に応じ本人の自立に向けて「手を貸さない」「支えようとしない」ことも肝要です。
 

 

 

依存性人格障害 「相談のケース」


相談のケース


T子さんはとても辛い状況でいらっしゃいました。辛さの原因はお兄さんと恋人の関係に我慢がならない、どうしたら二人を引き離せるかとの相談でした。そして体調も優れず、精神的にも不調を訴えておられました。
 

T子さんは幼い頃お父さんを失くされ経済的にお母さんが忙しく働く中で父となり母となり守ってくれたお兄さん、T子さんの心の拠り所のお兄さんが悪い女性に感化され、T子さんをないがしろにしているのです。T子さんは寂しくてお兄さんに彼女と別れるよう訴えましたが、逆に避けられるようになってしまいました。T子さんは寂しさと一人になった不安で外出もままならなくなりました。
 

勿論お兄さんに問題があるのではなくT子さんに依存性人格障害が認められます。 幼いT子さんにはお父さんがいなくなったことも、生活を支えるため仕事に追われて母さんが家にいないことも理解できませんでした。 突然訪れた孤独と両親のいない不安に怯える中で唯一の心の拠り所がお兄さんでした。寂しい心のまま成長したT子さんにとってお兄さんは父であり母であり保護者としてT子さんの全てと言っていい程の大きな存在です。
 

T子さんのカウンセリングは幼い頃の記憶を辿り心の奥に潜んでいた寂しく不安だった無力な自分自身と向き合い認めて頂くことから始まりました。 子供の頃味わった正体不明の寂しさと孤独に対する恐怖を「寂しかった、怖かった、不安だった」と認めて頂き、カウンセリングによって癒されたT子さんは自身の生い立ちや置かれた状況を客観的に捉えることができるようになり少しずつ心に余裕ができました。
 

自分のことだけでなくお兄さんに対してもまだ子供だったお兄さんが 小さなT子さんの面倒を一生懸命頑 張ってくれた事。お兄さんも寂しかった事などを理解できるようになりました。
 

お兄さんに対する感謝の言葉が聞かれるようになり、今では幸せを応援できるようにまでなられています。
 

 

 

依存性人格障害 「Q&A」



人に指示されたことはなんとかやるようにはしていますが、自分一人で決めて行動することができません。失敗したら嫌です。自主的な考えで行動することを要求されると頭が真っ白になり、怖くて動悸が起こり何か理由を見つけてその場から逃げだしてしまいます。自分には生まれつき能力がないのです。正直な気持ちは、失敗して後で人にフォローしてもらう位なら最初から人に頼って間違えないほうがいいと思います。

 

あなたが能力がないと思っている理由は、成長の過程で周囲から間違った烙印を押されたことに依ります。例えば依存性人格障害の方の多くには厳しすぎる親の存在が挙げられます。子供に口うるさく絶え間なく怒ったりダメ出しばかりしている親は、

 

「なにやってるの、またそんなことして!」「そんなんじゃダメじゃない」「 なんで最後まできちんとできないの!」「 あー また失敗して、だからあれ程ダメって言ったじゃない」
 

考える間も無く次々と叱責し頭ごなしに怒鳴り、子供が怯え萎縮してしまい再度失敗するとまた怒る。
 

そんな状況の日々の中で萎縮した子供に自信や自主性が果たして育まれるのでしょうか?生まれたばかり赤ん坊の心には何も書き込まれてはいません。 愛されることにより、自分は愛される存在であることを書き込みます。躾により生きていくルールを書き込みます。褒められたり評価されたことにより自信を書き込みます。色々な思いを書き込んでできた一冊のノートが今のあなたです。
 

決して生まれ持った性質だけで今の貴方が存在するわけではありません。どんな育てられ方をしたかを今一度振り返って見てください。間違って書かれてしまったことは消して行きましょう。その空いたスペースに理想とする自分像をどんどん書き込んでください。そして勇気を持って行動し自立した精神へと変化させて行きましょう。
 
 


妻が私を慕ってくれるのは嬉しいのですが、自主性が乏しくなんでも私に頼って来るのでとても閉口してます。結婚前の付き合っていた頃から妻はいつも私を頼りにしてくれ立ててくれ、私の意向を大切にしてくれたので嬉しかったのです。今では「何を着るか、上着は必要か、ご飯は何 にしようか、休みはどこに行こうか、何を買おうか、傘は必要か」子供のことやママ友のことまでなんでも私に意見や相談を持ち掛け、その度合いが次第にエスカレートしてきました。「一人は不安だ寂しい」と言い出し出張もままなりません。友人を余り作ろうともせず常に私と一緒に行動することを妻は望んでいます。そんな妻をなんとかならないかと。

 

奥様には依存傾向が強くあり依存性パーソナリティ障害が疑われます。依存性パーソナリティ障害の女性は通常、甘えキャラで可愛いと愛されるので本人もそういう性格で良いと思い疑問すら覚えません。

 

そんな理由で見過ごされがちですが、人生はいつ何時いかなる事態になるかも知れません。以前より次第に依存傾向が強まっているようでしたら、問題となる前に奥様に心の自立を促してください。
 

人生の荒波に襲われた時必ずしも頼れる人がいるとは限りません。問題が今以上に深刻化する前に奥さまに心の自立を促すと共に、依存性パーソナリティ障害をよく熟知したカウンセラーの協力のもと、早めの改善をお勧めします。
 
 


子供の就職が決まり社会人となり今まで家族で暮らしていた家を出て行きました。
私は子供に、「地元で就職して 家を継ぐように」と何度も言い聞かせていたので、裏切られた気持ちでいっぱいになり、情けなくて子供の前で泣きながら説得しましたが子供の意思は変わらず結果ダメでした。 もう寂しいやら悔しいやらで家事も手に付かず、食欲も減退し、抜け殻のように毎日ぼーっと過ごしています。子供が正しい道を選ぶよう考えを改め直して欲しいのですがなんとかなりませんか?

 

お子様が自立の道を選ばれたのは、母親である貴方の愛情を受け生きる知恵と勇気を身につけたからだと捉えてください。献身的な素晴らしい愛情のおかげで、大きな世界に羽ばたく力を得たと理解してください。そしてそのことを自分自身の誇りに思ってください。

 

貴方が、子供は親と一緒に住むものだと思うのは家制度や、儒教的な教育などから作られた概念なのです。田舎や都会の地域差や、教育の差によってこうした考え方は徐々に変化しています。もちろん愛しい我が子が家を離れ自分の側にいないのはとても寂しい事です。その寂しさも貴方の勲章だと誇りに思ってください。この想いだけで何も変わらなくて良いのです。
 

貴方の好きな本、映画、すてきなカフェなど、心ときめく好きなものを見つけて、少しずつ少しずつ心に種を蒔いてください。きっと芽吹きとても美しく香しい花が咲くこととなります。
平均寿命も延び子供の数も減少した現在では子供の巣立ちの後時間は沢山あります。セラピーはご一緒に今までの考え方への執着を見つめ直し貴方も周囲の人も幸せになる考え方をご提案いたします。

 

貴方はもう自由に貴方自身の人生を描いて良いのです。