回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害 名古屋

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回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害

 

回避性パーソナリティ障害 「克服への対策」


現在では、パーソナリティ障害・人格障害は、認知療法・行動療法などにより回復が可能な障害です。ただ、長い年月に染み付いた考え方を見直し、傷ついた心を癒し、新しい考え方を再構築していく作業は、地道であり、時には一進一退の作業となります。
 

そして何よりも、ご自身が新しい自分に生まれ変わるんだという決意がなければ何も始まりません。例えて言うならば、自分自身を産み直し、子供を育てるように、 産みの苦痛と育児の忍耐を必要とするものです。勿論、その反面には産みの喜びと成長の楽しさもあります。
 

まず、自分の思う自分への印象や特徴を考えましょう。「 人がどう思うかが気になる」 「 自信が無いからとても積極的になれない」 「自然な会話ができない」などの性格のマイナス部分を治すにはどうしたら良いかを考えます。中には「思慮深いところが長所かも知れませんが、考えてなかなか行動できないので結局は短所だと思います」と長所すら短所にしてしまう謙虚な方もいらっしゃいます。短所を直し長所を伸ばす、一見理にかなったようにも思えます。ですが、長所や短所と一体誰が決めたのでしょうか。
 

学校の先生にとっては、椅子に姿勢良く座り、きちんと話を聴く子は「 落ち着きがありとても良い子」 となります。また、リーダーシップは長所となりますが、全員リーダーになっても困ります。その性格が長所なのか短所なのかも、個人の基準からの勝手な判断でしかありません。人は相手に欠点だと指摘しますが、それはその人の思惑で有り、他人の都合で勝手に決め付けられているだけのことです。極端な言い方をすれば、あなたには欠点なんて無いかもしれません。そう考えればあなたの全てが長所である、とも言えるのです。
 

自己を全否定し、劣る人間と卑下し、完全なる性格改善を求める必要もありません。ただ ご自分の思考パターンを今一度しっかりと見直し、生き辛さから脱却し、幸福度の高い考え方に舵を切っていきましょう。
 

機能不全の家庭に育ったために、今は機嫌がいいだろうか? 今話しかけても怒られないかな? と、絶えず親の顔色を伺いながら育ったならば、社会に出て人と接したとしても、絶えず緊張し警戒してしまいます。もし、相手から自分に向けて笑顔や好意が得られれば、安心して接することも出来ますが、受け入れられていると確信できない相手には、不安で警戒してしまうのは当然ですし、相手もその空気を察知し積極的に出ることが出来ず、結果引いてしまうことになるでしょう。
 

いつも笑顔で 受け入れてもらった子供は 警戒心も少なく自分から笑顔で接するので相手も安心し、心を開き接してもらえます。
 

新しい事にチャレンジする時あなたはどうでしょう? 失敗を恐れて尻込みしそうですか? 尻込みしてしまう理由は何ですか? 失敗するとカッコ悪いですか? 笑われたり、ダメな奴と思われるからでしょうか? 恥をかくことを常に恐れていませんか?
 

そんな発想は、何処から来ていますか? 親や周囲から、どうせやってもできないでしょう? ほら失敗した!みっともない、やっぱりあなたはダメだわ!などと言われて来たからではないのでしょうか。
 

もし、親がこんな態度で接してくれたらどうでしょうか?「ワー面白そう! 」「難しい事にチャレンジするあなたは素晴らしい!」「もう少しで出来そう、ガンバレ!」「あなたはきっとできる !」 と、あなたのやること考えることに共感し、成功を共に喜んでくれる、そんな環境に育ったなら、失敗を恐れず、どんどんチャレンジできる人間に成長したかも知れないと思いませんか?
 

こんな風に、考え方が出来れば、まず行動が変わり、そして結果が変わります。 自分の考え方の癖を知ってください。 それに対して違った考え方もあることを学んでみましょう。自分の持っている価値観が唯一の価値観ではなく、違った価値観もあり、価値観を変え、思考パターンを変えれば成功への道が拓けます。
 

素敵な考え方をみつけ、自分のものとしていきましょう。
こうして自分自身の考え方や成り立ちを検証し、気付き認めていく上で色々な感情が生まれてきます。時には押し込めていた感情が顕在化し、 一気に溢れてくることもあります。 自分が辛かった思い、我慢してきた思いが溢れ、収拾がつかなくなることがあったとしても、それも大切な過程です。

 

また、親に対する憤りが芽生えることもあります。 自分を苦しい存在にした親に対する非難の感情と、それでも親の庇護がなければ生きて来られなかった自分の存在、様々な思い出が交錯する中で、愛憎が表裏一体し困惑することもあります。ですが、その時々に生じた思いを認め、癒し、整理した上で、行き場のない悲しみや辛い経験も自分の中の一部と考え、それを乗り越えていくことが大人に成長することとも言えます。
 

お金持ちの家、貧乏な家、地域の差など、生まれた環境はそれぞれ異なり、残念ながら人は平等ではあり ません。しかし、愛情のない環境に生まれ、社会の一員である確信を得ることなく育ち、不適合、無価値の烙印を親に押され、自ら道を開く手綱を与えられなかった状態で生きていくのはあまりにも不条理です。残念ながら、親や養育者から幸福に生きていくための学びの機会を与えられなかったのなら、自分で学び取らなければなりません。そのためには、まず自分自身を受け入れ愛してあげてください。 あなた自身が自分の良きファンとなり、そして自分を子供に褒めてあげるように沢山評価していきましょう。
 

失敗してもチャレンジした勇気を認め、小さな進歩を喜んでください。そして余裕ができたなら、自分だけでなく周りにも目を向けてください。生まれたばかりの赤ん坊のように何にでも好奇心を持って周りを観察し、そして自分を客観的な目で見つめてましょう。周りも自分と大した違いも無く同じだとか、自分は結構いけてるとか必ず発見があるはずです。
 

あなたは、たまたま、あなたを歓迎しない親、未熟で子供より自分を優先する親の元に生まれてしまっただけです。 ですので自分自身の本質ではありません。自然の摂理の中で生まれたあなたは、人の思惑に惑わされず、それを超えて生きる権利があります。あなたは自分のスタイルを築きましょう。
 

そのためには根拠も条件もいりません。ただ自分を認め、受け入れる。自分は愛される存在と決定し、実際にそう振舞っていると不思議なもので徐々に、人があなたの前にチラホラ集うようになっていきます。一人で自分を見つめることが辛い時、溢れた感情を整理できない時、どこから始めてよいのか解らない時、自分の気持ちが不確かな時などがあれば、いつでも私どもセラピーをお尋ねください。
 

あなたに不釣り合いな、他人の価値観という重い上着を一枚一枚脱ぎ捨て、軽装に着替えるように自分を取り戻し、自分の人生においては自分が主役として生きていける術を身に付け、より良い人達と共に楽しく有意義に生きて行きましょう。