回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害 名古屋

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回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害

 

回避性パーソナリティ障害 「原因」


回避性パーソナリティ障害の原因は、今までは「遺伝的」のものと「後天的」なものの両面で考えられてきました。しかし「回避性人格障害」に該当する殆どの方は「後天的」なものであり、過ごして来た家庭環境や親の子への接し方が原因であることが多いです。
 

幼い頃に自分自身が、「親からの暴力や言葉による虐待」を受けたり、また「両親の争い」や、「親と兄弟の争い」や、「親からのいわれのない否定・非難や拒絶 」また両親共働きで子に対し「関心を持たないネグレクト家庭」であったり、いづれにせよ、自分自身を両親から受け入れてもらえなかった辛い「機能不全家族」の中で育った経験を持っています。
 

充分に接してもらったり、構ってもらえず、「愛情を感じることもなく成長した」か、もしくは愛情があっても過干渉過保護」である場合でも「回避性人格障害の原因」となります。
 

個人社会とも言われる現在の人間関係が希薄な中で成長して行かなければならない子供にとっては、親の存在は絶対的です。子供がある程度の年齢までは、養育者であり保護者である親と殆どの時間を共にし、親の価値観世界観や、その時の状況による些細な感情までの全てを子はそのまま受けて止め、自分自身に転写し成長して行きます。
 

親からの愛情を受けることなく、心からの安定感ある最上級の安らぎを知らないまま、常に不安と緊張の中で育った子供は人に話し掛けられても親の陰に隠れ、暗い表情でこちらを伺います。子供特有の無邪気さがなく引っ込み思案の扱いにくい子供として距離を置かれてしまいます。そして子供からも他人に対し距離を置くことになります。
 

昔のように親戚ご近所関係が濃密であったなら、おじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さん、多くの子供社会によって誰かが必ず救いの手を差し伸べてくれたでしょう。現在のように、ファミリーが中心の家庭では、子供が社会性を養う機会は限られてしまいます。こうしたことの繰り返しにより 子供は他人との関わりの中で自分に対する肯定感を感じる事が少なくなり、人間関係を上手に築くことが出来ないまま成長していきます。
 

親や周りからも、「扱いにくい子」「愛想のない子」「社会的に馴染めない子」「協調性がない子」と、悪いレッテルばかりが貼られ、それが自分自身の生まれ持った資質と誤解され定着します。「あなたは生まれた時からそうだった」と親に勝手に認定され、本人もそれを信じ込んでしまいますから、行動や考え方も「これが自分の個性だ」と、それに基づいて納得し諦めてしまいます。
 

人間関係の中での喜びをさほど経験することなく育った「不幸な生い立ちが原因」なのに、親の自己責任を逃れるために「子供自身の性格に問題がある」と決定づけられ辛い状況に置かれてはとても不条理です。
 

また、過保護で過干渉な親の元に育ち、自分の努力による達成感を味わうことなく 人間関係の中での喜びを経験する事なく育つ事も回避性人格障害へとつながります。
 

赤ちゃんにとって世界は新鮮で好奇心に満ちてます。何にでも興味を示し大人にとっては些細なことである、風や雨の音、虫の声、紙袋のガサガサ音、箱から出てきたお菓子など、何にでも幼子は驚き喜びます。好奇心を満たし、喜び、驚き、発見や達成感を繰り返していくことで自分自身のアイディ ンティを確立していきます。
 

もし「こっちのおもちゃで遊びなさい 」「そんなつまらない事するんじゃありません」「服が汚れるから汚いものに触らないで」 そんな風に大人の価値観を持って注意され非難され怒られ続けたら、喜びや楽しむ感情は育ちません。
 

例えば自由に気の向くまま粘土を楽しんでいるとします。大人目線で上手に似せてないとけなされたらガッカリします。 こうあるべき、上手に作りなさいと、親は才能を伸ばすための教育の一環かも知れませんが、本人は楽しさを奪われ、親の価値観を押し付けられたことにもなります。
 

白紙の状態で生まれてきた子供は、 親もしくは周囲の大人から無条件に愛され受け入れられた経験を経て、初めて自分が大切な存在であることを自覚し確信することができま す。でも、相手の要求や希望を叶えることが出来た時だけ認められたり、愛されたりであれば、自分に自信が芽生えることはなく、相手に対し親愛の感情も、自分を認め愛する心も生まれません
 

不条理に親から非難否定され続けたのであれば、自分を無価値なものと思うのは必然です。そして、こんな価値のない自分は人に認めてもらえない、受け入れられないのではないかとの不安から他人に対し過度な恐怖心を持ったり、自信が持てないことから自分を素直に表現できず常に萎縮してしまいます。
 

価値のある人間になろうと努力し試みますが、他人の評価は相手任せの気まぐれです。努力が報われなければ、やはり自分のようなダメな人間は愛されない、受け入れてもらえないと失望することとなるでしょう。
 

結果、社会の中で自分の居場所を見つけることも叶わず、自身の持つ劣等コンプレックスにより極度に人を恐れ、人間関係を逃避し回避するに至ることになります。
 

回避性人格障害の原因を正しく良く理解し、問題は自分自身に無いことをも自覚し、この問題を解決するために舵を切る準備を始めよう。