回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害 名古屋

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回避性パーソナリティ障害・回避性人格障害

 

回避性パーソナリティ障害 「認める大切さ」


あなたが今、孤独を感じ辛い状態にいるのであれば、それは育った環境や未熟な親に養育されたことにより、現在の社会で生きていくための基本的な精神や人格を身につけることが出来なかったことに起因します。
 

本題にある「回避性パーソナリティ障害を認める大切さ」の、一体なにを認めるのか? ただ単に「回避性パーソナリティ障害であることを認めて下さい」と訴えたい訳ではありません。それに至る「起因」を認めて頂きたいのです。
 

「回避性パーソナリティ障害の本質は自分ではなく、親が子に与えた環境が起因である」
 

これを認めていかなければ、根本的な改善は不可能だと言っても過言ではありません、先天的なものだとして、自分に問題があるとするのであればこの問題は生涯ついて回ると考えて下さい。
 

たとえ教育熱心な親ではあっても、情操面の充足がなければ偏った人格が作られてしまうのは必然です。
 

白紙の状態で生まれた子供は、親や養育者から十分な愛情を得ることにより、初めて自分が無条件に受け入れられ、愛され認められる、揺るぎない存在と確信出来るようになります。しかし、その確信を得られないまま、人と関わろうとしても必要以上の警戒心や疑心感からのスタートとなり、そして自ら壁を作ってしまい、結果、あなたが望むような絆を結ぶことは実際には難しいでしょう。人と関わることで傷つき恐れるようになり、現在の人間関係の回避傾向に至ることになります。
 

親の愛情不足が原因で、とても辛い境遇の幼少期から思春期を過ごしたとしても、子供は心底親を否定することは滅多にありません。「親も忙しかったから」「親も大変だったから」などと「親を庇い、擁護」し、この苦しみは自分の性格や努力が足りないためで、こんな自分は親の期待に応えられない駄目な人間、無価値な人間だと、親にフォーカスせずに、常に自分自身に原因を求め責め続けます。
 

自分を生んでくれた親は、確かに誰にとっても特別な存在です。親の愛情を疑うより自分を責める方が情に叶うのかも知れません。親から受け継いだ価値観に対しても、それを改善したり、手放すことは親に対する裏切りのように感じ、現状の思考にしがみつく方も多く見受けられます。
 

しかし、その様な現状を手放さない思考のままでは、いつまでたってもこの辛い状況から抜け出すことは出来ません。 「どのように育てられ」「どのような言葉や仕打を受け」「傷つきトラウマとなったか」その心の傷を持ったまま成長し、その過程で現在の考え方の癖が身についたかを知った上で、周囲や家族との関係、特に両親との関係を見直す必要がありますが、その作業は親や、親の価値観で形成された今の「自分自身を否定、非難する」ことも必要となり、受け入れ難く辛い 思いもします。
 

しかし、どんな家も土台がしっかりしていなければ立派な家は立ちません。土台をしっかりさせるためにも、自分の考え方を今一度しっかりと検証し、問題ある部分の認識を組み直す必要があります。 自力でなんとか困難な状況を改善しようと努力したとしても、根本的に自分に矛先を向け、否定し続けている状況では、決して望む結果が得られる筈もなく、益々自分を無価値なもと認識を深め無力感を増していくばかりです。
 

あなたを理解せず、愛さない者にあなたの人格や人生を決められて、それで幸せになれる筈がありません。人生を生き抜く力を親から与えられなかったのなら、自分で掴みとるところから始める必要があります。回避し殻に閉じこもったまま、ただ悩んでいても誰も助けてくれない事にあなたは既に気付いている筈です。
 

今現在の、自分自身の評価や、考え方の傾向や価値観は、成長期に親や周りから押し付けられたものであり、他人の勝手な価値観にしか過ぎまません。 今まであなたなりに、心理本をはじめ、自己啓発や啓蒙的な書籍、ハウツー本を読むなどして、変わろうと努力された方もおられると思います。しかし、ご自身の形成過程や現在の状況、本来の自分を把握しないまま闇雲に変わろうとしても徒労に終わるケースが殆どです。
 

どんなに素晴らしい地図を持っていても、まず自分の今いる現在地を把握しなければ、前に進み歩き出すことは出来ません。
 

今一度、ご自身の悩みや苦しみなどの問題点を客観的に見直してみましょう。
自分がどういう環境で育ち、どういうことを親に言われ、そして傷つき、現在の考え方に至ったのか。また、どんな思考パターンを持っているかを知り、見逃していたこと、見て見ぬ振りをして来たこと、避けて来たことなどを一つ一つ振り返ると共に整理整頓をした上で、現状の考え方を望む方向の自分に向かうよう修正していくことが大切です。

 

何度も繰り返しますが、親によって植えつけられた情報を鵜呑みにし、自分自身の持つ精神構造を間違って決定したままの状態では、誤った場所からのスタートをしてる状態であるために、どこまで行っても目的地に辿り着くことは叶わず、迷子のままに等しいと言えます。
 

あなたは不幸にして、自分の価値観を優先する親に育てられ、間違った情報によりあなたの人生を決定づけられ、その不条理に困惑しながら、自分自身の考えを優先出来ないまま生きてこられました。
 

しかし大人として成長したあなたは、人の世話を受けないと生きられない、幼児ではありません。自分で道を切り開くことができる筈です。
 

そろそろ自分自身の、負の感情のスパイラルから抜け出さなければなりません。人間を回避する傾向にはそれなりの理由があり、それらの殆どは親が子に与えた環境によります。
 

「親が起因することを認めることは最重要項目です」
 

誤った親から授けられた考え方の傾向や癖を知り「回避性パーソナリティ障害」からの脱出への道を歩み始めてください。