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パニック障害

                 
パニック障害について特   徴診断テスト
性   格原   因対   策
事   例

 

パニック障害について


パニック障害は不安障害の一つであり、その中には対人恐怖症や広場恐怖症などの様々な障害や恐怖症が数多くあります。パニック障害の大きな特徴は、原因不明の激しい不安を突然感じることにあります。眠っているときに悪夢を見たときのような感覚に襲われ、死ぬのではないかと思うほどの発作を起こします。そして、その発作を避けるような行動を取るようになり、生活に支障が出ることが多い障害の一つです。


 

パニック障害が起こると


心臓の動悸が激しくなることや手や顔に激しい汗をかいたり、呼吸困難に陥り苦しくなったり、漠然とした恐怖感や不安感を抱えること、胸の痛みを訴えたり、吐き気をもよおす場合もあり身体が震えてきたりします。パニック障害は何かをきっかけにして突然脈絡も無く起こることもあります。例えば、電車の中などで、貧血で倒れたなどの辛くなった経験を持ち、またそのパニック障害が起こるのではないかと不安になることで、電車に乗ること自体怖く乗れなくなることがあります。周りに大きな迷惑を掛けたことがあるなどの経験を通して、そのシュチュエーションになると落ち着きをなくしとてもジッとしていられなくなる場合があります。


 

パニック発作は、10分から1時間以内には収まることが多い


これらの激しい動機や発汗、頻脈や震えなどは、おおよそ10分位から長くても1時間程度で収まってきます。初めてのパニック発作では、本人も周囲の人達も驚き救急車で運ばれるような事態になる場合もありますが、医師の診察を受ける頃には、発作は消えていて、血液検査や心電図検査をしても異常は見られない場合も多く、病気ではありません落ち着いて気をしっかりと持って下さいと言われることも多いです。検査をしても身体のどこにも悪いところは見つかりませんが、パニック発作を繰り返します。専門医からは不安神経症やうつ病と診断されることも多く、一般医からは、自律神経失調症や心身症、過呼吸症候群、メニエール症候群、過敏性大腸炎、狭心症などの診断がなされることもあり、本人は理解してくれる人も得られず孤立し不安をさらに増大させていきます。


 

パニック発作を繰り返すことで不安感が増す


パニック発作を繰り返すことで、次にまた発作が起きたらどうしようというような感覚に見舞われます。そしてパニック発作に対する強い不安感や恐怖感が生まれます。これを「予期不安」と言います。予期不安とは、電車の中やエレベーターの中といった逃げ場のない場所でパニック発作の不安に襲われると、そういった場所に不安感や恐怖感を抱いてしまい、その場所を避けるようになってしまうことを言います。電車に乗れなくなることや美容院で長時間座っているなどの拘束時間が発生する場合などに恐怖感が生まれます。これを「広場恐怖症」といい、人が多く集まる場所に出掛けられなくなります。「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」はパニック障害の三大症状ともいわれており、三つの症状が悪循環になりパニック障害を悪化させます。パニック障害が悪化すれば、家から出られなくなることもあり、正常な社会活動を営むことにもかなりの制限が加わるため、そのような状況が長く続くけばうつ病を併発するケースにも至ります。早めの対策を講じ改善に向け原因を突き止めそれに向けての思考パターンや心の平穏を安定を求め自分のものにして行くことが必要です。


 

パニック障害は100人に1人くらいの割合で起こる


欧米諸国では、男性と女性の割合は1:2くらいで女性に多く発症すると言われています。日本では男女比はほぼ同じくらいの割合で発症しているようですが、私どもに訪れるパニック障害の方は女性が圧倒的に多いため、日本の男女比が同程度とはにわかに信じられないと感じています。発症年齢は、男性は25~30歳くらいがピークとされ、女性の場合には、30代を超えた35歳前後の発病が最も多くみられています。パニック障害になれば、外出することが怖くなってしまい、自宅に引きこもってしまう場合なども見られます。その状況を回避しようとしますが、外に出ないために、今まで通っていた習い事や趣味のサークル、或いはスポーツジムやダンス教室など、楽しめていたものが楽しめなくなってしまい、生活が次第に辛いものになっていきます。パニック障害が良くなれば、また落ち着いた毎日を過ごすことも出来るようになるので、一度精神科医や私どもの様なカウンセリングに相談して、心理療法も交えて問題を解決するように考えると良いでしょう。無理はしないで少しずつ、恐怖の対象に慣れていくことも必要になります。
 

 

 

パニック障害 「特徴」


日常生活への支障も大きいパニック障害


パニック障害においては、公共交通機関の利用が難しかったり、ショッピングモールなどの広い場所に出かけることに苦痛を感じたりする場合があります。パニック障害をもっているために、何年何十年と公共交通機関を利用していない患者さんも多数います。さらに、悪化すると、自動車運転も困難にあるケースもあります。自動車運転が必要になる地域に住んでいる場合や運転を職業とする場合には、その影響は甚大であり、生活していく上でかなりの支障が出ます。男性でも最近はそんな方々が時折相談に来られます。最近では数々の自動車事故を受けて国の法律も変わり、心筋梗塞の疑いがある方は元より、パニック障害で苦しんでいる場合には、きちんと医療機関と相談をし経過を見て運転をすることが必要になっています。


 

慢性化すれば、非発作性不定愁訴・浮動性不安・離人感を持つ


パニック障害も対策を講じず放置し慢性期になれば、慣れも生じパニック発作で死ぬ程の恐怖は減って行き穏やかにそして持続して出現するようになります。理由のない軽い不安感があったり(浮動性不安)、波状に出現する軽い離人感(現実感が薄れたり、自分をもう一人の自分が見ている感じ)などが起こり、自律神経症状が出て来る可能性が大きいです。身体がぞくぞくして鳥肌が立つ、頭痛が起こる、動悸がする、汗が引かない、視界がチカチカする、喉元がピクピクする、いつも雲の上を歩いているようなフワフワ感を覚える。肩凝りや首に痛みが出る、背中に違和感が起こり、胸が痛くなる、ジットリと嫌な汗をかく、頭に何かが乗っているような感覚になるなどの全部ではもちろん有りませんが、それらの幾つかの体の変調が現れたりします。


 

パニック障害になると自分に自信がなくなっていく


パニック障害になることで、人込みが怖くなったり、電車に乗れなくて行動範囲が狭まってしまえば遊びに行く意欲が低下したり、お洒落をして出掛ける気力が無くなることなどが続き次第にそんな自分に自信が持てなくなってしまう場合があります。色々な場所に出掛けることや、楽しむことを避けてしまうようになり、段々仕事への意欲も失っていく場合もあります。仕事は行かなくてはいけない場所だと思って行くケースもありますが、パニック障害の発作を起こすことが怖くなってしまい、本来の自分を見失う可能性もあります。考えることは常に、「パニック症状が起こらないだろうか」ということで頭がいっぱいになります。そんなときにも少しずつ、その環境に慣れるようにし、楽しめる気持ちに戻っていけるといいでしょう。


 

パニック発作がきっかけで引きこもりになるケースも


外でパニック発作が出たのをきっかけにして、出かけるとまたいつパニック発作が出るだろうかと怖くなってしまい、その環境から逃れようとして、家から一歩も出られなくなってしまうケースもあります。パニック発作を起こした時に誰かに助けてもらった場合などでも、また他人に迷惑を掛けるのではないかとそのことを考えるだけでも恐怖感に支配されることがあります。悩んでいることを、家族や専門家に伝え、パニック障害をもたらす原因を正しく知り、対策を講じることを続けることで良くなっていくケースの事例も多いです。最初は人の少ない環境から始めるようにして、段々と人の多い環境にも慣れていけるようにしていくといいでしょう。誰か信頼できる人に相談して、医療機関を受診し、カウンセリングを受けてみましょう。


 

自分の性格が関係している場合も


パニック障害になるのには、自分の持つ性格や気質も関係している場合があります。人前で何か失敗することが怖いとか、人に迷惑を掛けてしまうなどの思いがあると、それが不安感にも繋がっていきます。出来れば、そのストレスとなる環境にも身を置いて少しずつ慣らしていくことが必要になってきます。気分の良い時など急に大きな気分となり開放感のある場所で行動を取ることや、いきなり閉塞的な空間に飛び込むことは避けるようにしましょう。また、他のことでストレスになっている場合も、負担になることが多いですので、出来る限り自分のストレスをまず軽減するように、環境なども整えていけるといいでしょう。無理なことは断るようにしたり、無理して人の多いところに出掛けたりしないようにしましょう。自分の出かけたいという意欲が湧いてきたら、「少しずつ行動」を起こすといいでしょう。
 

 

 

パニック障害 「起こりやすい性格」


パニック障害を起こし易い人には、どんな特性や性質や思考パターンがあるのでしょうか。


 

仕事や家事、育児などに追われて忙しい場合


パニック障害はどんなことが起因として起こるのか。仕事が忙しく過剰なストレスの負荷が掛かることや、家事や育児で毎日がキツくとても暇がない場合、会社の倒産の危機や借金を抱えて大変な状態に陥っているなどの、精神的にギリギリの状態に追い詰められている場合に、発症することが多いです。恋愛や結婚生活においてもそれが言えます。結婚の危機、浮気や別れの危機、など、そんな状況に陥ることにより心身共に大混乱を起こし息ができないような精神的な圧迫感を感じている場合に、起こりやすい障害です。また、忙しさなどから疲れている状態が続くことでも、パニック発作が起こりやすくなります。体の倦怠感や肩こりの原因にもなり、パニック発作の引き金になる場合もあります。


 

性格が努力家で頑張り屋だったり、完璧主義だったりする場合


性格が真面目で頑張り屋、自分のことでいっぱいいっぱいであり余裕が無いにもかかわらず人の頼みを断れないことや、人の顔色を窺ってしまい必要以上に忖度し行動してしまうように、自分のことよりも人のことを優先させてしまう場合の多い人は、そこから生まれるストレス蓄積に気を付ける必要があります。また、性格が完璧主義で、目標達成に向かい邁進する性格でもある場合も注意が必要です。細かい部分まで確認し、チェックし、より完璧を目指していることで、強迫観念が強まり、性格も神経質になりがちです。少し柔軟に考えて、~しなければならない。という考え方を少しずつ変えてみるといいかもしれません。


 

お酒やたばこ、コーヒーなどの嗜好品が好きな場合


お酒やたばこは、摂取している時には一時的には不安は和らいでいますが、中毒になる程、長年に渡り飲み過ぎている場合には、アルコールの血中濃度が薄まれば不安感が増していきます。また、コーヒーに含まれているカフェインの持つ刺激により不安になる場合もあり、その不安をきっかけにパニック障害の発作を起こす場合があります。コーヒーのカフェインで?と思うかも知れませんが侮れません。お酒やたばこも摂取するのも程々にし、健康的な生活を心掛ける必要があるでしょう。


 

うつ病を患った経験や自律神経失調症になった経験がある


パニック障害が起きる場合には、元々にはうつ病を同時に患っている場合も多くあります。うつ病の方には不安感を持ちやすい傾向が強くあるためにパニック発作が通常よりも併発し起こりやすい弊害があります。また、日常から自律神経をバランス良く保っておくことが難しいのが特徴なので、自律神経失調症を患っている場合も合わせてパニック障害を起こしやすくなります。


 

幼い頃に、人見知りの性格であった


幼い頃から人見知りが激しく、両親の後ろにいつも隠れていたことや、保育園でも母親と離れることが怖くて泣いていた場合や、暗いところやトイレなどが怖いといった場合など、不安を持つことが多かった場合には、その性格により、パニック障害を引き起こしやすい可能性があります。学校でも、朝礼で倒れることが多かったり、給食を全部食べられずに残すことが多かった場合などにも虚弱体質であることで、性格的に敏感になっているため、パニック障害を起こしやすく不安感が増しやすい傾向があります。いずれにせよ自分自身に絶対的な後ろ盾を待たないままで生きてきたためにパニック障害を起こしやすくなります。


 

人間関係に大きなストレスを抱えている


パニック障害は、ストレスの蓄積が溜まりに溜まり、ストレス解消などの処理が出来ない時に起きやすくなります。それ程までに抱え込んでいるストレスに気付かない人も多く、或る日或る時ドッカーンとパニック障害が現れます。また家族や夫婦間、嫁姑問題などの家庭内の人間関係にストレスを感じている場合や、上司や同僚との職場での人間関係が上手くいかない場合など、精神的に、そして物理的にも追い詰められた状況になれば、強い不安感を感じ、それが原因でパニック症状が起きることになります。友好な関係が築けるように、フランクなコミュニケーションを取ることに努めていくことがいいでしょう。


 

様々な要因で突如出現するパニック障害


以上に示した様に、パニック障害は様々な要因で発症しやすくなっています。自分がいずれかに当てはまる場合は良く注意する必要があります。逆に言えば、パニック障害を起こし易いそんな性質に大きな変化を起こせば、パニック障害からも脱却できるということもいえます。ストレスが多く無理をしていると感じる場合には、少し精神的にも肉体的にも休めるようにするといいでしょう。慢性疲労がパニック障害につながっているケースもありますので、ゆっくりとリラックス出来る時間を取りましょう。そして、また次の行動を起こす意欲が出るようにゆっくりと休めるといいでしょう。
 

 

 

パニック障害 「原因」


パニック障害が起こるのにはどのような原因があるのでしょうか。パニック発作には認知しているものや全く認知がされていないもストレスが大きく関係していますので、如何にストレスを自覚し緩和させるように毎日を過ごしていくことがパニック障害を起こさないためにとても重要です。


 

脳内の伝達物質に異常が生ずる


パニック障害の原因は病理的には正確に分かっていません。しかし、パニック障害が起こっている時には、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンの活動性が高まっていることが分かっています。ノルアドレナリンは不安や興奮に関係する脳内物質です。この脳内物質が脳に作用し、自律神経が緊張すると起こる、動悸や発汗、早い呼吸などの症状になります。心療内科や精神科でのパニック障害の治療には、ノルアドレナリンの活動を抑えるセロトニンという物質を活発にする抗うつ薬(SSRI)が使用されることが多いです。


 

急に起きるパニック発作


何か特別なことがあった訳でもないのに、急に心臓がドキドキし鼓動が早くなり、汗が噴き出してきたり、一体私身体はどうしてしまったのだろう? というような意味不明な状況に陥り酷い場合には死んでしまうのではないかと死の恐怖すら感じる気持ちに見舞われます。そしてとても不安で平静でいられなくなり、病院に運ばれることもあります。この様な発作が頻繁に起こることで、次に発作が来る瞬間が怖くなってしまい、家から出られなくなっているケースもあります。回避性人格障害なども同時にあれば、またあの症状になるのではないかと思ってしまうことで、自分の部屋からも出られないというケースもあります。パニックになる状況を避けるために、自宅に引きこもります。そして次第に楽しみを見出せなくなりうつ病にかかっていくケースもあります。


 

乗り物や人込みを避けるようになり、広場恐怖症に陥る


乗り物や人込みでまた発作が起きた場合に、また他人に迷惑が掛かること、死ぬのではないかと思う恐怖感が出てくることで、その発作自体が怖くなってしまい、段々と広場恐怖症に陥っていく可能性もあります。電車に乗りながら、またパニック発作が出やしないかと不安になることにより、家にいても、そのことを考えるとゆっくりリラックス出来なくなってしまいます。その環境になっても発作が起こらないことが分かれば、不安も解消されていくのですが、本人は不安感から身動きが取れない状況になっています。自分でも症状がコントロールが難しくずに、ひとり苦しんでいる場合も少なくありません。


 

ストレスが要因になるパニック障害


日々生きていく上で人はいろいろなストレスに悩まされていますが、就職や退職、昇進や失業、結婚離婚、不倫、別居、妊娠出産、病気、子供の受験、入学、子供の結婚、引っ越し、家の新築、旅行、配偶者の死、近親者の死、失恋、ペットの死など、辛いことや嬉しいことであってもストレスを感じます。また、ストレスは人により程度が異なり、同じストレスであっても、強く感じる人もいれば、それほど感じない人もいます。どんなことがストレスになっているのか自分でもよく分からないことも多いので、カウンセリングなどで自分の状況を見つめ直すのも有効な手段です。またストレスを感じる場合には、そのストレスを避けることや解消することなどの具体的対策も改善には必要になります。


 

パニック障害は生死に関わることはありません。


パニック障害は、毎日過ごしていく上で、ストレスが最高潮に達し、精神的に切迫していると起きやすい障害です。一生懸命に何かに取り組んでいる場合にも無理や負荷が過大になればパニック発作が起こる可能性があります。情報化されていろいろなことがスピーディーに展開される現在では、乗り遅れまいとして、追い立てられるように生活している場合も多く、そんな中で先進国においてはパニック障害に苦しみ思い悩んでいる人は増えていると言われています。発作が起きると死ぬのではないかと考えますが、実際には数分~数十分で何事もなく収まります。実際には生死に関わる病気ではないという理解を深めた上で、広場恐怖症が酷くなったり、うつ状態になる前に、適切な治療を受けることが必要になります。早めに、医療機関である心療内科や精神科、またはパニック障害に熟知しているカウンセラーにカウンセリングを受けるようにしましょう。
 

 

 

パニック障害 「改善への対策」


パニック障害を改善するにはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な方法には、病院による薬物療法や、当セラピーで行うカウンセリングと共に併用する認知行動療法などの心理療法があります。


 

薬物療法


心療内科や精神科で行われるパニック障害の治療では「パニック発作」の頻度と程度を減少させ、病的な状態を緩和し、行動が制限されるなどの患者さんの社会的な機能障害を改善することを目的としています。薬物療法で用いる主な薬は、抗うつ薬と抗不安薬が代表的なものです。抗うつ薬はうつ病治療に用いる薬ですが、不安に効果的であるため、「パニック障害」のような「不安障害」にも用いられるようです。副作用としては、投与初期に、吐き気や下痢などの胃腸症状が出る場合があり、また、抗うつ薬の服用で、返って不安やイライラが強くなり、怒りっぽくなったりする場合や思いもよらない突発的な危険な行為をする場合もありますので、医師の中でも特に専門家による慎重な投与が必要になります。抗うつ薬の効果は、効果が出るまでに2~4週間ほどかかるようです。そのために、服薬開始から約1か月間は抗不安薬を併用する場合もあります。抗不安薬は抗うつ薬とは異なり、服薬後直ぐに効果が出るので、特にパニック発作が出現しそうな時に頓服として用いる場合が多いです。抗不安薬の副作用には、日中ボーっとしてしまうことや、眠気や倦怠感などを感じることがあります。


 

認知行動療法


生まれ育った親元の環境の中で培われ、特に誤った認知が認められた場合には行動習慣を少しずつ修正し、正しい認知行動を身に付けていく方法です。広場恐怖で電車に乗れないという場合には、無理やり電車に乗ろうとしないで、最初は駅の改札口まで行き、それが緊張せずに行えるようになってきたなら、改札口を通過してみようという風に、段階的に少しずつ、不安を克服していき、誤った認知を正しいものへと修正していきます。人混みが苦手であれば、まずは人の少ない時間帯を見計らって、出掛けるようにして、それに慣れてきたら段々と人込みに行く機会を増やして行くというのもいいでしょう。心理教育でパニック障害についての正しい理解を持ち、発作が起きても慌てないように対応していくことも必要になります、曝露療法などでは、実際に発作が起こる場所に出向いてみて、発作が起きないことを確認して、段々と行動範囲を広げていくこともします。また、発作が起こった経緯などを日記に付けて、どのような状態になると発作が起こるのかを把握するのもいいでしょう。
しかし、それらの心理療法に踏み込む前に、過去を遡って心の整理整頓をカウンセリングやコーチングなどにより、心理療法を円滑に受け入れる準備が必要となります。


 

自律訓練法


心と身体をリラックスさせる方法を身に付ける訓練です。パニック障害ではパニック発作を起こしていない場合でも、正常者に比べると高い緊張状態にいることが分かります。常に神経を張り詰めて行動していますので、普通なら何でもないようなことでも緊張が切れてパニック発作に繋がることがあります。普段からの緊張状態を下げるために、自立訓練法は非常に重要です。当セラピーではカウンセリングと共に心身共に弛緩させリラックスに至ることにより自律神経の乱れを正常な状態に保つ訓練を行います。


 

突然のパニック発作が起きた時には?


自宅や電車などでパニック発作が起きた時には、親しい人や家族などに電話して、気持ちを落ち着けられるように声を掛けてもらうのが結構有効です。発作は数分で収まることもありますので、ベンチにでも掛けて電話越しに「大丈夫」「すぐに収まるから安心して。」と言ってもらえると実際に不安も和らいでいきます。家族や親しい人には直ぐに連絡が取れるようにしておきましょう。また、アロマテラピーなどでローズヒップなどリラックスできる香りを脳に届けることもいいでしょう。深呼吸して、副交感神経が優位になり、リラックスすることで不安が和らいでいきます。ハンカチなどに少し染み込ませて置き、ドキドキするなど身体の変調が現れたら直ぐにハンカチを取り出し、その香りを嗅いでみるのも効果があります。また、不安を感じたら、冷たい水をキュッと飲むのもいいでしょう。パニック障害は気温の変化とともに発症しやすくなりますので、夏の暑い日の電車の中や映画館などで発作が起きそうになった場合には、冷たい水で体を冷やすことでも、不安が収まっていきます。パニック発作が起こりそうになっても慌てないことで、症状は治まっていきますので、無理をせずに、収まるのを待つようにしましょう。しかしこのような対処をいつまでも続ける訳にも行きません。病院なりカウンセリングなり早めの根本療法を受けて行きましょう。
 

 

 

パニック障害 「事例」


プラットホームで突然激しいめまいに襲われた32歳の男性


その男性は、会社からの帰宅途中で、快速電車に乗り換えるために電車から降りて、人込みの中に立っていました。周囲の状況などは全く変わらないのですが、急に脳の血管がドクンとなり、フラッとめまいが起きてしまい、身体から汗が吹き出てくるのを感じました。そして、何とも言えない不安感に襲われ胸がいっぱいになりました。不安と恐怖の中倒れてしまった様です。気が付いたときには、誰かが呼んでくれた救急車の中で意識を取り戻しました。病院に着いた時には、冷静を取り戻し周囲の状況もハッキリとしてきており、医師の質問にも答えることが出来ました。直ぐに心電図と脳のCT検査を受けましたが、何の問題もないということで、迎えに来てくれた妻と共に自宅に戻りました。この発作が起きてから、1週間に2~3回は同じような発作に襲われるようになり、その都度病院に運ばれました。発作の起こる場所は家であったり、会社であったり、場所を問わずに起こりました。発作が度重なるので、会社を休んで精密検査を受けることにしました。しかしいつもと同様に精密検査では異常は見つからなかったので、精神安定剤を処方してもらい自宅に戻りました。それからは、その男性は倒れた駅を避けて移動するようになりました。倒れた駅に立つと気分が悪くなるからです。また電車が込み合ってくるとまたあの発作が起きたらどうしようと心配が強くなります。発作への不安が、家にいても会社にいても常に頭から離れずに、心配になっています。精神安定剤の服用とカウンセリングなどを通して、自分の中の不安感などを認識しつつ、すこしずつ改善に努めました。


 

電車の中でパニック発作が起きた20代の女性


電車に乗っていた時に、貧血で倒れたことのあるその若い女性は、電車に乗るとまた倒れるのではないかと考えるようになりました。また、快速電車や特急などの止まらない電車に乗るとパニック発作が起こった時に逃げられないのではないかと考えてしまい、考えるだけでも気分が悪くなってしまいます。また貧血で倒れた時に、電車を止めたという経験から電車に乗ってまた発作が起こると、周りの人に迷惑を掛けてしまうと考えて、怖くて電車に乗れなくなりました。やがて外に出かけることも怖くなり、自宅に閉じこもるようになりました。そこで、友人の勧めでカウンセリングに通うようになり、カウンセリングや認知行動療法を通して自分の性格などを知ると共に認知の歪みを修正し、次第に落ち着いて行動できるようになってきました。今までは、倒れたらどうしようということを強く考えて、人の世話になりたくない。周りに迷惑をかけたくないと思っていましたが、少しずつ電車に慣れていくことで、パニック発作も収まっていき、また仕事や買い物などに出かけられるようになりました。仕事先でも、周り優先して自分のストレスになっても我慢しているところがありましたが、そのような点を少しずつ変えていくことで、無事にパニック発作から脱却したようです。


 

人ごみに出掛けるとパニック発作を起こす40代の女性


40代の女性は以前より視線恐怖などもあり、人ごみに出かけると気分が悪くなることが多くありました。買い物や観劇などに出かけたいと日頃より思うのですが、周りの人や視線が気になってしまい十分に楽しむことが出来ずにいました。人の多いところに出かけると、心臓がバクバクし、冷や汗が出て、身体がフワフワします。急に目の前が真っ暗になることもありました。そんな女性は、買い物なども人の少ない時間帯を見計らって行くようにしています。全く外に出られない程ではありませんが、人ごみをさけることで、生活を楽しめない環境が続いていました。カウンセリングなどを受けて、自分の心の問題について考えるようになり、調整を図り少しずつ外にも出るようにし、段々と出掛けられるようになっていきました。最初は一人で出掛けるのが怖かったので、家族などと連れ立って出掛けるようになりました。今では、買い物なども人目を気にすることなく楽しめるようになり、穏やかな日々を送っているようです。