強迫性障害 名古屋

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強迫性障害

                       
強迫性障害とは特   徴診断テスト
弊    害思考パターン原   因
認める大切さ対   策関 わ り 方
相談のケースQ & A

 

強迫性障害とは


強い衝動に駆られ「それ」を繰り返し、そんな自分に自己嫌悪を抱きそしてまた苦しむ「負の連鎖」である。


強迫性障害とは、自分の意思に反して、不合理な考えやマイナスのイメージが浮かび、それを振り払うために、ある一定の動作を行います。その行動が無意味なものであると感じつつも実行せずにはいられません。心の中では「そんなはずはない」という思いを持ちつつも、「やっぱりそうかもしれない」という気持ちになり、ある種の確認行為などを何度も行い、それにより自分の中にある不安感を鎮めようとします。手が汚れたときなどに「汚いな」と思い洗うことは普通に行われる行為ですが、何度手を洗っても汚いと感じ長時間手洗いに時間を費やしたり、戸締りをきちんとしたか、鍵をかけ忘れていないかを何度も確認してしまったりという行為をします。強迫性障害では、その行動が習慣化し、段々エスカレートしていき、対策を講じなければ日常生活に支障をきたすほどの状態に悪化していきます。
 

手洗いがやめられない


手が汚れていると思い、長時間手を洗い続けるのもその一つです。そこまで手を洗っても逆効果になるということを頭では分かっていても、不安になってしまいその行為がやめられません。それを儀式的に行うことで安心感を得ています。日本においては、40人に一人の割合でみられる症状です。その発症年齢は若く、中高生~20歳代が多いと言われています。成人の患者さんの30~50%は幼少期から青年期に症状が出始めることが分かっています。
 

強迫観念とはなにか?


嫌な考えやイメージや思い出などが自分の意思に反して思い浮かんできて、何度も繰り返し感じる考えであり、強い不安感や嫌な思いなどが頭を占拠します。カギをちゃんとかけただろうか?火は消しただろうか?手にばい菌がついたままになっていないか?などが気になって不安になります。そのことに対して、「心配のし過ぎかもしれない」「周りの人から見たら、何でそんなに気にするのだろう?と思われているかも。」など強迫観念から起こす行動に対して、自分でも違和感をもつのですが、その観念が頭を離れることはありません。
 

強迫行為とはなにか?


強迫行為は、強迫観念から生じる不安や嫌な気持ちなどをなくすために取る行動を指します。無意味な行為である場合が多いです。儀式的に行われます。何度も何度もその行為を繰り返すことで少し不安感が消えます。普通の人であれば、1回で済む行為が、何度も何度も繰り返されます。自分では少しおかしいと思いつつもやめることができない場合が多いです。家の戸締りなども時間をかけて念入りに行います。念入りに行うだけであればいいのですが、それは極端に時間がかかることや何度も気になってしまうこともあります。本人はその行為を繰り返すことで安心しますが、その行為に時間を費やしで時間に遅れたり、出かけられなくなったりすることもあります。無意味であるような行為も多いのですが、本人もやりすぎだなと感じつつもその行為を繰り返してしまいます。
 

強迫観念からの強迫行為を行うことでより強化される


強迫観念を拭い去るために、強迫行為を行って不安感を静めるという行為は、どんどん強化されていきます。その行為をしなくても不安感を静められることがいいのですが、どうしてもその行為をして、安心感を得るという場合があります。それがだんだんひどくなってくると、物が触れない・外出できないなどの日常的な弊害につながっていくことになります。また家族を巻き込んで、その強迫行為ができないとイライラしたり、家族などに何度も確認をさせたりといった行動に出ることもあります。強迫性障害は不安障害の一種であり神経症の一種です。また、生い立ちや精神的なストレスなども関係していると言われています。浮かんでくる不安をかき消すために、ある一定の行動をとるという図式になっています。それが、許容範囲内であればいいのですが、強迫性障害になると極端になってしまい日常生活にも支障が出ます。家から出られなくなってしまうといったことにもつながります。
 

 

 

強迫性障害 「特徴」


強迫性障害にはどのような特徴があるのでしょうか。強迫性障害の種類についてご紹介します。
 

潔癖症


電車の中のつり革や誰かと手をつなぐこと、トイレを使うときなどに細菌が気になるからと触れない人たちがいます。また、手にばい菌がついていると何時間も洗って、汚れていないかを確認することや、長時間お風呂に入って念入りに体を洗う人たちなどがいます。頭では一回で十分だという思いもあるのですが、やはり、汚れているのではないかという強迫観念が頭の中をよぎって、必要以上に手を洗ったり、汚いといって公共のものを避けたりするようになります。汚れが、衣服を介して家具や壁、床、部屋全体に広がると思い、トイレに行くたびに服を着替えたり、体を洗ったり、部屋中を掃除したりしないと気が済まない場合があります。また外に出るだけでも汚いと感じてしまい、外出できなくなったりすることもあります。本来であれば、体の免疫機能でそこまで手を洗わなくても、体にばい菌が入ることはないのですが、そのことが理解できずに、心配になって日常生活に弊害が出るほど、潔癖になっている人もいます。
 

安全確認


家を出るときにカギをかけたかどうか、火の元は確認したか、などが気になって不安になり、何度も家に戻って戸締りや火の元を確認します。自分の行為が完全であったかどうかに絶えず疑問を持って、何度も確かめないと気が済まなくなります。なんどもカギをかけなおして、自分の納得するカギのかちっという音がするまでカギをかけなおすということもあります。カギがかかっているというその事実よりも自分が納得できるかということで何度も確認を行ってしまう場合が多いです。
 

他傷行為への疑念


車の運転中などに、タイヤに何かが接触した場合に、人を引いてしまったのではないかと、その場所に戻って確認するという行動に出ます。他人を引いてしまうかもしれないという思いから、車に乗れなくなってしまう場合もあります。また、他人を傷つけてしまったのではないかと考えて、テレビや新聞で、事件とされていないかを確認することや、警察や周囲の人に確認する場合もあります。思い過ごしと思われることでも気になって確認してしまうのが特徴です。
 

順序や数字にこだわる


衣服を着るときには必ず決められた順番で着なくてはいけないと思い込んでいます。靴下は左から履くとか、ズボンを先に履くとか自分の決めた順番で行動しないと不安になります。ゲン担ぎに靴を右から履くと決めている場合などもありますが、強迫性障害の場合にはその行為をしないと不安になってしまいます。その順番がいつもと違っていると、その行為を最初からやり直します。そして、約束の時間に遅れたりします。また、特定の数字を不吉だと感じて、あらゆる行為の際にその数字を徹底的に避けようとする場合も多いです。左右対称でないといけない、少しでも曲がっていると許せないなど物の配置などに強くこだわるケースも見受けられます。
 

物貯め込んでしまう


使わないものもいずれ使うかもしれないという思いから捨てられなくなってしまいます。家の中には不要なもので埋め尽くされて、ゴミ屋敷になる可能性も出てきます。はたから見るとどう見てもゴミなのですが、本人にとってはまだ使う可能性のある必要なものという認識が残っています。捨てようとするとゴミじゃない!と怒られるケースなどもあります。
 

他者を巻き込んで、強迫行為を強要する場合も


汚いというような強迫観念や強迫行為を相手にも強要する場合も出てきます。徹底的な掃除を相手に申し付けたり、確認を何度もするように指示したり、安心できるまでその行為を強要することなどから、問題になります。また、その強迫行為が実行できないとイライラして家族や身近な人に当たってしまうこともあります。そういった面からも治療が必要になる病気です。
 

 

 

強迫性障害 「弊害」


強迫性障害になるとどういった弊害が出るのでしょうか。強迫性障害の弊害について紹介します。
 

その行為に没頭してしまい、日常生活が上手く営めなくなる


強迫観念で頭がいっぱいになってしまい、強迫行為を繰り返していると、日常生活に弊害が出ます。手が汚いと感じて、何時間も手を洗うような場合には、その時間は手を洗うだけに費やされてしまい、他のことができなくなってしまいます。また、手を何時間も洗うことは、体に必要な成分なども流してしまうことにもなり、体にとっても良くないことも多いです。手荒れがひどくなることや、余計に体調が悪くなってしまう可能性もあります。また、トイレに行き、服を着替えるという場合も、洋服が何枚あっても足りませんし、洗濯するのも膨大な量になってしまいます。汚れた場合は別ですが、そうでない場合は着替えなくても大丈夫であることを頭で感じつつも、着替える行為を止めることができません。
 

つり革やいす、トイレなどが使用できずに外出が辛くなる


外出すると、電車に乗ったり、レストランに入ったり、公衆のトイレやホテルのトイレなど不特定多数の人が使うであろう施設などが使えないという場合なども出てきます。消毒してあったり、消毒薬を持ち歩いたりしているケースもありますが、そういったものすべてに嫌悪感をもってしまい、外出することが怖くなってしまうというケースもあります。何かに触るたびに、手を洗わなくてはいけないと感じてしまったりして、不穏な気持ちがずっと続いて、今やるべきことに集中できない可能性も出てきます。一見無意味な行動になるので、自分でもばかげていると思っている場合や、他人から見てもなんでそんなことをするの?という疑問を持たれる行動である場合が多いです。
 

家にひきこもるようになることも


手を洗って綺麗になったかどうか、鍵をかけたかどうかなどが気になっていると日常生活に弊害が起き、そのことで周りから咎められるようになると、不安感がさらに増し、家から出られなくなってしまうというケースもあります。強迫性障害は病気ですので、治療を行うことで良くなるのですが、それも分からずに唯々強迫概念に苦しみ、無意味な行動をとってしまうことや、家族などに強迫行為を強要してしまうというケースもあります。今日は概念に対する知識を持ったり、お薬を飲んで不安感を和らげたり、トレーニングを行うことでも症状は良くなっていきますので、一人で悩まないでお医者さんやカウンセラーに相談してみるのもいいでしょう。引きこもりになってしまう場合には、こういった病気を併発している可能性も高くなっており、治療を行う必要があります。
 

自分の生活環境のストレスからくる場合も


学校や職場、家庭環境などのストレスから起こっている場合もあります。そのストレスを無くすことでも、緩和していきますので、自分がストレスに感じていることなどを話してストレスを軽減していけるようにすることもいいでしょう。強迫性障害においては、うつ病などの他の精神疾患を合併している場合も多いです。また、他の精神症状の一つの形として、強迫性障害が出ている場合もありますので、きちんとした治療が必要になってきます。カウンセリングでは、本人の状況を細かく聞き、これまで不安で避けていた場所や状況などに少しずつ慣れていけるようにサポートを行っていきます。強迫観念が浮かんで不安になっても、不安を和らげるために強迫行為を行わないようにすることを練習したりします。不安が少なく、取り組みやすいものから練習を始めていき、場合によっては本人が一番治したいものや一番効果のありそうなものから取り組んでいきます。今までやっていた行動を変えることはすごく勇気のいることですので、誰かのサポートを借りて、一緒に取り組んでいくことが、強迫性障害を緩和させる近道になります。一人で抱え込まないで、相談してみましょう。
 

物を貯め込んでしまう


使わないものもいずれ使うかもしれないという思いから捨てられなくなってしまいます。家の中には不要なもので埋め尽くされて、ゴミ屋敷になる可能性も出てきます。はたから見るとどう見てもゴミなのですが、本人にとってはまだ使う可能性のある必要なものという認識が残っています。捨てようとするとゴミじゃない!と怒られるケースなどもあります。
 

他者を巻き込んで、強迫行為を強要する場合も


汚いというような強迫観念や強迫行為を相手にも強要する場合も出てきます。徹底的な掃除を相手に申し付けたり、確認を何度もするように指示したり、安心できるまでその行為を強要することなどから、問題になります。また、その強迫行為が実行できないとイライラして家族や身近な人に当たってしまうこともあります。そういった面からも治療が必要になる病気です。
 

 

 

強迫性障害 「思考パターン」


強迫性障害に陥るとどのような行動をとってしまうのでしょうか。
 

汚いという意識が抜けず、不安になり、何度も手を洗ってしまう


汚いものに触ったり、外から帰ってきたりすると手を洗うのは普通ですが、強迫性障害の時には、手が汚れていることで、汚いものに対する恐怖心などが増幅し、過剰に手を洗ってしまうことや二時間も三時間も手を洗い続けるなどの行為に出ることがあります。一見、手が汚いことを気にして行っている行為でもあるのですが、そこには不安だという気持ちが隠されており、その不安感は汚いものに触ったことによるものでもありますが、別の原因で出てきている場合もあります。その不安感を払しょくするための行為として、手を長時間洗うという行為となって出てきている場合もあります。また何か強いストレスを感じたときにおこる強迫観念に対して、不安を解消するための行為で行われている場合が多いです。
 

鍵のかけ忘れは、鍵がかかっている事実よりも自分が納得できるかどうか


鍵のかけ忘れなどでも、30回くらい確認をする場合などがあるのですが、確認しながらも、泥棒が入られることはないだろうという考えが頭の中にはあります。しかし、その行為を止めることができません。また、さらに強迫観念と強迫行為は全く関係ない場合などもあります。恋人に暴力を振るわないために、リモコンを左右対称に並べておくなど一見関係のない行為を儀式的に行っている場合もあります。その根底には、誰かを傷つけてしまうのではないかとか、汚染されてしまうのではないかという根強い不安感が残っており、その概念を鎮めるために行われるのが強迫行為になります。汚染の不安を持つ場合には、体や手を洗いすぎて、皮膚に炎症が起きてしまう場合なども見受けられます。
 

嫌な考えを振り払うための儀式的な行為


頭に嫌な考えやイメージがわいてきたときに、それを振り払おうとある行動を起こします。手が汚れて汚いと思えば、手を洗うという行為です。強迫性障害では、トイレなどに行った後に普通であれば、手を一回洗うだけで済みますが、ばい菌が広がってしまうと考えて、着ている洋服をそのまま着替えたり、トイレから帰ってきたら部屋中を掃除したり、手を洗い続けたりという行動をとります。また、頭を叩かれたりすると頭が悪くなってしまうのではと考えて、何か違う行動に出たりといった場合もあります。何か不安が押し寄せたときに、それを鎮めるための行為があり、それがエスカレートしてくると、段々日常生活にも支障が出てきます。お風呂に入るときも、1回洗えば済むところを、2回も3回も洗っている場合などもあります。そこまで汚れがひどいのであれば仕方のない行為なのですが、念のためにと数回洗う場合もあります。汚れているという概念があるために、その行為を行ってきれいにしようと考えます。
 

考えが何度も浮かぶ


悪い考えやイメージが自分の意思とは無関係に思い浮かびます。考えようとして考えるのではなく自然に思い浮かんでくる感じです。そのイメージに不安を感じて、それを解消しようとします。その際にある一定の行動を繰り返します。数を数える事だったり、特別な言葉を唱えることだったり、儀式的な行動を何度も行うことで自分の中の不安を鎮めていきます。強迫性障害の症状が出ている場合には、脳内のセロトニンの分泌のバランスが悪くなっている場合もありますので、治療が必要です。また、性格的にきれい好きであることや、非常に注意深く几帳面な性格である場合にも影響してきます。また、高い道徳観を持ち、責任感の強い性格であると、悪い考えが起こった時に罪悪感をもつことで、注意深く観察するようになるために、さらに症状が起きやすくなることも多いです。また、思春期や仕事の変化、家庭環境の変化のストレスでも起こる可能性が高まります。おかしいと思いつつもその行動を止められないという現象が起きます。
 

 

 

強迫性障害 「原因」


強迫性障害にかかる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。強迫性障害はかつては心理的社会的要因が大きいとされてきましたが、最近では、脳の機能障害の影響も指摘されています。
 

脳機能障害の場合


神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスの乱れによって、引き起こされている場合もあります。
 

心理的社会的な要因の場合


人には本来、自己防衛システムというものがあります。まだ生じていないいろいろなことについて心配することで病気や事故などを防ぐことができます。昔は生死にかかわる具体的な危険が多くあったのですが、現代では明らかな危険は少なくなっています。そのために、自己防衛システムが過剰に働くことで、目に見えない些細な危険に備えて、強迫観念の元になるという仮説もあります。安全な環境であったり、時間に余裕があったりすると起きやすいと言われています。また、過去のトラウマや愛着障害などの影響も考えられています。
 

親の価値観などの影響も受けている


また、小さい頃より親から受けてきた教育などが影響している場合もあります。頭をたたくと馬鹿になるよ!と言われていたとか、男女交際は不純なものだという教育を受けてきたなど、その人の価値観を形成する上で親の価値観というのは大きく影響しており、その中から、強迫観念のようなものが生まれる可能性もあります。小さい頃には、ばっちいから手を洗おうね。と言われて育ってきましたが、手が汚いと病気になってしまうよ。と言われたことなどから、手が汚いと病気になってしまうと思い、何度も手を洗ってしまうという場合もあるでしょう。また、こうあらねばならないといったような完璧主義な性格である場合にも起こりやすいです。こうしないとまずい。こうすべきなのだ。と自分を追い込んでしまい、頭に浮かぶ考えを取り除くことができずに、不安になります。その不安を取り除くために、ある行動をとる場合もあります。
 

ある程度余裕のある環境で生じやすい


性格としてこだわりがある場合や、身体感覚の過敏性がある場合など遺伝的な素因のある人が、細やかな仕事を求められる環境であることや、強迫的な親に育てられるといった環境の影響でも発症すると考えられています。比較的高学歴の人に多く見られる傾向があり、学歴の高い人は、細やかな仕事を求められる場合や競争する環境に身を置きやすいことから、発症しやすいともいわれています。
 

完璧な自分を演じる場合に起こる


性格が完璧主義である場合には、こうあらねばならないなどの理想を持っています。また、家族が強迫的であった場合にもその価値観をすりこまれているので、強迫性障害を起こしやすい環境になっています。完璧主義に陥っていると今の自分を認められず、また、今の状況を悩み、苦しみ、感謝なども忘れてしまうこともあります。自分の過去にあったトラウマなどから嫌な感情が起きたときに、それを納めるために、強迫行為を行う場合も多いです。自分ではそんなことはないと分かっている部分もあるのですが、こうなったらどうしようというネガティブな考え方が頭を巡らすことになります。そういった考えが浮かんでくるのは何もなく、暇なときや、安定しているときなどにも多いです。その考えを取り除くために、自分の不安行為を解消しようと無意味な行動をとることもあります。また、過去、親から受けた傷なども関わっています。過去こんなことがあったから不安になるといった感情をその行動で収めようとするのが、強迫性障害の特徴です。何かのトラブルに対する自衛策としては必要な感覚なのですが、それが行き過ぎてしまうことが問題です。いつも心配しており、物事を善か悪か、白か黒かでしか判断できなくなってしまい、物事を両極端にとらえてしまいます。ストレスが強くなることで理性的な判断よりも感情的な判断をしてしまい、将来的な展望は望めない場合もあります。
 

 

 

強迫性障害 「認める大切さ」


強迫性障害になる場合には、自分の内側にある不安を解消するためにその行動に出るのですが、その不安というのはすごく漠然としていて、手が汚いことに対する恐怖であれば、汚染されることにより死に至るのではないかといった不安なども内包していると考えることができます。そこまでしなくてもいいということが頭では分かっているのですが、不安になるので、その行為を行って気を紛らわしている感じです。
 

自分の中にある不安を知ることが大切


自分にとってどのような不安があるのかをしっかりと自分で理解することが必要かもしれません。誰かにその不安な気持ちを打ち明けてみることや、どうすればいいのかということに、アドバイスをもらうといいでしょう。常に何かを心配している状態は、脳にも良くありません。脳がフル稼働しており非常に疲れている状態になっています。精神的に不安になってしまうのには何か原因があったのかもしれません。会社や学校での人間関係や両親からの強いプレッシャーなどでも不安になることもあります。その根底にあるのは、自分は駄目なのではないかといったものも多いです。自分が考えていなくても自然に頭に浮かんできてしまうものなので、その不安は本当に不安に思っていることを隠すためのものであるかもしれません。もし、恋人に暴力をふるってしまうのではないかと考えるのであれば、なぜそのような思考になるのかということを、カウンセラーと相談するのもいいでしょう。もしかしたら、自分の過去などにそういったトラブルが合って、そうならないようにと自分で強く思っている可能性もあります。
 

過度な強迫性障害は人間関係を壊す場合も


手を洗うことなどに強迫観念を持つ人は、家族や恋人に対しても同じような行為を要求することもあります。周りとしてはそこまでしなくていいのに。と思いつつ、振り回されてしまいます。「手を洗ったの?」という言い方さえ強迫的になってしまうと、うるさいなぁとか、なんでそこまで気にするのだとか人間関係にひびが入ることもあるかもしれません。また、本人自体もその強迫観念により疲れ切っている場合も多く、脳が疲弊しています。その強迫観念がどこから湧いてくるのかということも探りつつカウンセリングなどでその気持ちを和らげるのもいいでしょう。性格が完璧主義である場合にも強迫性障害の傾向が出る場合があります。完璧な自分は素晴らしいけれど、それに見合わない自分を感じて落ち込んだり不安を感じたりするという場合です。その不安を紛らわすために、強迫行為で不安を解消しようとする場合もあります。強迫障害には、強迫観念と強迫行為が関係のある場合も多いのですが、全然関係ない場合もあり、その不安感がどこから出てきて、どのように対応するのがいいのかということをカウンセラーと一緒に探していくのもいいでしょう。また、自分の本来の性格である完璧主義を少し変えてみるというのもいいかもしれません。考え方を変えることで、強迫概念が収まってくることもあります。
 

何に対して不安を持っているのか知ろう


強迫概念がどうして浮かんできてしまうのか、その理由などを探るのもいいかもしれません。過去に何かトラウマがあったのかもしれませんし、防衛本能かもしれません。治療では、強迫行為を行わないでもすむようにトレーニングを行っていきます。自分の中の漠然とした不安をなくすために、自分と向き合ってみることもいいでしょう。まだ起きてもいないことをあれこれ悩むのは辛いことでもあります。また、何か精神的なストレスを抱えていて、それに対応するためにその行動を起こしている場合もありますので、そのストレスを緩和させることも必要になるでしょう。環境を変えるなどの対策も必要になってくるかもしれません。気にならない程度であれば大丈夫ですが、あまりに気になる場合には一度相談してみましょう。
 

 

 

強迫性障害 「対策」


強迫性障害にはどのように対策を取っていくのでしょうか。強迫性障害は強迫概念により強迫行為をさせられている状態であり、その行為をしないことで、悪循環を断つことも可能になっています。強迫性障害を治していくために必要なことをいくつかご紹介しましょう。
 

あえて、不安を起こすものに身をさらす


強迫性障害の場合には、行動療法「エクスポージャーと儀式妨害」を行います。強迫概念を起こす不安に身をさらすことで、その不安に慣れて、不安を解消しようとする強迫行為をせずに過ごすことです。何か刺激があって、強迫観念が生じたときに不安になったら、その不安の中にとどまります。(エクスポージャー)そして、強迫行為を行わない(儀式妨害)という方式を取ります。強迫概念が起こった時に強迫行為を繰り返すと、より強化されて社会生活に支障をきたしますが、その概念が浮かんでも何もしないことで不安が下がることが分かれば、不安は生じなくなって、強迫行為の必要性はなくなっていきます。その繰り返しを行って何も起こらないことで不安に慣れていくという方法を取ります。
 

強迫性障害を治したいと思うこと


強迫性障害を治すには、自分自身が非合理的な観念から解き放たれて、人生を取り戻したいと思うことが大切になってきます。治療に取り組もうとする意思を見せ、治りたいと思うことが必要です。治りたいと思わなければ、途中で治療を中断しやすくなります。治すのだという強い気持ちをもって取り組むことが必要です。
 

簡単なものから取り組む


どういった状況になると不安になるのかを書き出して、程度に応じて並べてみましょう。そして、不安の程度の少ないものから、徐々に取り組むことで、少しずつ改善することができます。気づいたら治っていたということも多いです。
 

曖昧さをもつこと


不潔恐怖などには、自分の中での聖域などがあると思うのですが、それをあいまいにしていくことも必要になってきます。不潔と清潔、完全と不完全は明確に表れるものではないので、自分にとって居心地の良いと思う環境や状況を少しずつあいまいにしていきます。
 

最悪の事態を想定してみる


確認恐怖などがある場合には、鍵をかけ忘れて泥棒に入られて家がめちゃくちゃになっていた。あるいは、家が火事になって隣近所にも飛び火してしまい被害にあったなど最悪の事態を想像してみましょう。極端なくらいに最悪の状況を考えると、考え方が変わって、不安が落ち着いてくることもあります。
 

行動を変える


強迫観念や強迫行為はもともとはそれほど大きな理由がないものです。しかし、不安から架空の理由を作り出してしまうことで、行動の言い訳も強固なものになります。考え方が変わっても、習慣としての行動が残ってしまう場合には、行動を継続してしまうことになるので、その行動を起こさないことも大切になってきます。そのために、具体的に不安に身をさらすことや、行動を止めることで、悪循環になるのを止める事を目標にします。
 

上手くいったことを褒めよう


治療をしていくと上手くいく時と上手くいかないときがあります。上手くいったことに目を向けて自分を褒めてあげるようにしましょう。焦らず、一歩ずつ治療に取り組むことが大切です。できることから取り組んでいきましょう。上手くいかなくても落ち込まないようにしましょう。
 

強迫性障害を責めない


強迫性障害はある種の病気なので、本人を責めることやその行為についていろいろ言っても逆効果です。本人の行動は強迫観念によってさせられているものであるという認識で、本人を責めるのではなく、強迫性障害がそうさせているのだという認識をしっかりと持ちましょう。なにか、行動を強要されても、それは病気がさせているのだという認識を持ち、強迫性障害に対応しているのだというスタンスで臨みましょう。強迫行為に協力せずに、毅然とした対応をしましょう。
 

 

 

強迫性障害 「関わり方」


強迫性障害とかかわっていくには、家族の方が理解するべきことがあります。ひとつは、強迫性障害の症状に悩んでいるのは本人であること、また、強迫性障害の症状は本人自身ではやめられないことがあります。本人の辛さを理解することで、対応も変わってくるでしょう。
 

病院やカウンセリングには一緒についていき、強迫性障害の理解に努める


可能であれば、一緒に病院についていき、医師やカウンセラーから心理教育を受けて、病気の理解を深めましょう。強迫性障害では、ある強迫概念により不安が生じた場合に、その不安を取り除くための行為として、強迫行為がなされ、それが繰り返されることでより悪化していくメカニズムを持っています。対応する際には、世間の一般的な感覚で責めるのではなく、淡々と伝えていきましょう。手を洗うことに関して、綺麗になっていると思うかと聞かれれば、1回石鹸で洗ったら私なら綺麗になっていると思うと伝えましょう。なんでそんなに洗うの?とか気のすむまで洗っていればいいよ。という風に感情的に対応するのはやめましょう。家族の対応次第で、症状の回復が早くなることもあれば、遅くなることもあります。まずは、強迫性障害を理解して、正しい知識を付け、本人と協力しながら回復をサポートしていくといいでしょう。
 

強迫性障害に理解を示すことが大切


家族の方が強迫性障害を理解して、協力的な態度を取れるようになるかによって、治療の進退は決まってくると言っても過言ではありません。強迫性障害のことをよく理解し、決して患者さんを焦らせたり、改善するように強く求めたりしないようにしましょう。また「そんなことは気のせいだ」とか「あなたはおかしい」というような対応を取らないようにしましょう。患者さん自身も自分がおかしいということは十分に自覚していることがほとんどです。言い争いになったり、強く落ち込んだりすることがないように関係を維持していくことが必要です。家族は強迫性障害の正しい理解と協力的な態度で臨んでいきましょう。
 

そのことを考えることで起こる強迫観念、それにとらわれないこと


強迫観念はパッと頭の中に浮かんでくる悪い考えやアイデアです。強迫性障害の症状を持ち合わせる人の多くは、よりよく生きようという生存欲が強く、また完璧であろうと徹底する場合があります。その結果、心に思い浮かぶ自分にとって不都合な悪い不安を、自分が生きていく上で脅威になると感じて、その観念を自分の心から追い出そうとして、不安心と戦います。その結果、さらにその観念に追われることになります。この強迫観念と戦っている状態は、心から追い出すために強度に囚われている状態です。いろいろな精神的な葛藤を起こして、長年にわたって、心が強迫観念や強迫行為にとらわれた状態が続きます。その考え方を変えていけるように、カウンセリングなどを行って、心の状態を整えていけるといいでしょう。完璧主義である自分の性格を少しずつ変えていけるように、考え方を変えていくトレーニングを行っていきます。
 

家族は巻き込みに対して毅然とした態度で臨むこと


不潔恐怖などになったりすると一日に何度も洋服を洗ったり、部屋の掃除をしたりということを頼まれることもあるかもしれませんが、1回の掃除で綺麗になっていることや洋服は何度も洗わなくても大丈夫であることなどを毅然とした態度で言いましょう。そんなことしなくていいのだ!とか感情的に対応しない方がいいでしょう。本人もやりすぎであることは気づいているのですが、それを止められないという場合もありますので、大丈夫だよ。ということを端的に告げましょう。そして、その強迫観念がなくなるように、協力していきましょう。手の洗いすぎや体の洗いすぎは体にとって余計にばい菌がつくことや、皮膚が弱くなってしまうことなどの知識も合わせて告げていくといいでしょう。
 

 

 

強迫性障害 「相談のケース」


25歳の女性、書類の間違いが気になってしょうがない

人にも優しく教えてくれる25歳の女性ですが、以前から丁寧な仕事で、書類の作成も完璧でしたが、最近はその行動が少し行き過ぎています。送付した文書が間違えていないかという不安が耐えずおこり、一度確認したにもかかわらず、何度も確認せずにはいられない状況に陥っています。本人も「ここまで確認したのだから大丈夫」と思っているのに、どうしても不安を打ち消すことができません。このままでは確認するための作業に振り回されて、仕事にも支障がでるようになります。そこで、上司は彼女に病院で診断を仰ぐように勧めました。仕事によるストレスの軽減も大切なのですが、専門家の話を聞き、彼女の気持ちや状況を聞きながら、対応していくことが必要になります。
 

10代の男性、大変潔癖症で、トイレの後に服を全部着替える


10代の男性は、大変潔癖症で、トイレにいくとばい菌がついてしまったといって、洋服をすべて着替えます。また、制服なども母親に一日に3回も4回も洗うように言います。本人は汚れが落ちているという実感がわかずに汚いといって、洋服を洗うように言います。また、何か不安が沸き起こると数字を数えるという行為も行っていました。そうした行為を行うことにより自分の中に沸き起こる不安感を静めているということでした。そこで、専門家に相談して、治療を行っていきました。汚染に対する知識を身に着け、自分が強迫性障害であることを理解して家族とともに一歩ずつ治療に取り組んでいます。手も何度も洗ったりしているので、手洗いを一度のみで済ませられるように、家族も伝えているということです。
 

30代の男性、誰かに危害を加えるのではないかと不安になる


自動車を運転する30代の男性は、自動車に何かが当たったときに、人を引いてしまったのではないかと思い、その場所に行って何度も確認を行っていました。また、新聞やテレビで自分のことが載っていないかなどを確認するようになり、誰かに危害を加えるのではないかという不安が頭をよぎり、生活が手につきません。包丁を持つと誰かを刺してしまうのではないかと感じることや、そばにいる配偶者にも危害を加えるのではないかという不安があるために、儀式的な行動を行っています。配偶者もその変化を感じており、専門家へ治療にやってきました。本人の状況や気持ちを聞きつつ、治療を行っています。
 

20代の男性、家の戸締りを繰り返す


20代の男性は、家を出ると決めてから1時間以上も時間がかかります。家の戸締りをしてそれを確認するのに、1時間以上費やしているからです。窓のカギやドアのカギをチェックして、しまっているのを確認して、家を出ようとするのですがやはり気になってしまい、再度戻ってカギを確かめます。自分でもそこまでしなくてもいいのではないかと思いつつもやめることができません。あまりにも外出するのにも時間がかかるために、相談にやってきました。男性は春から新社会人として働いており、会社でのストレスなどでも、このような症状を起こしているものとみられました。
 

10代の男性、不安を回避するために、椅子に座ったり立ったりする


10代の男性は学校でいじめられた経験を持ち、家にいるのですが、不安が襲ってくると、椅子に立ったり座ったりということを繰り返し、また部屋を出たり入ったりという行動を繰り返しています。奇妙な行動を心配した家族が相談しました。本人の状況や気持ちなどを聞くと、そんなことをしたいとは思わないのだけれど、不安な気持ちが浮かんでくるとその行動に出てしまうということでした。彼の話をじっくりと聞いて、いじめなどの心理的なストレスも関係していると考え、それを軽減できるように、努めていくことになりました。カウンセリングを続けていき、学校にもまた少しずつ行けるようになってきて、少しずつ症状も改善してくるようになりました。
 

 

 

強迫性障害 「Q&A」



強迫性障害に陥るのは性格でしょうか?

 

なんでも完璧にこなさないと気が済まないという場合やいろんなことが気になるという場合などには、強迫性障害のような状況に陥ることもあるでしょう。その気になること以外のことにも気持ちが向くようになるといいのですが、気になってしまうことで、不安が沸き起こり、その行動をとってしまうこともあります。

 
 


潔癖症で、電車のつり革に触れません。潔癖症は治りますか?

 

潔癖症ということできれい好きなことはいいですが、公共の場などでつり革や手すりに触れないことは大変であるかと思います。つり革に触らないためのアイテムなども販売されていますが、汚いと感じてしまうことはぬぐい切れないので、日々の生活も大変かと思います。あまりに気になるようであれば、病院やカウンセリングに出向いて原因を探ってみるのもいいでしょう。

 
 


強迫性障害はどんな場合に診断されますか?

 

日常生活において大きな弊害が出ている場合などには強迫性障害と認定される場合も多いです。また、親により完璧を求められていることや自分が完璧主義な性格であることなども関係してきます。もっと、いい意味でどうでもいいと思えるようになるといいのですが、そのことにとらわれてしまうのが強迫性障害の特徴です。

 
 


強迫性障害は治りますか?

 

強迫性障害の治療は発展を見せており、治すことは可能です。カウンセリングを行うこともありますし、薬物治療を行う場合もありますが、根気よく治療することで治っていくことは可能です。

 
 


食べ物に触れた後に手を洗うけれど、汚いと思ってしまうのですが・・・。

 

手を一度洗っても気が済まずに何度も洗ってしまう場合などには、強迫性障害である可能性も否定できません。一度石鹸で手を洗えば、手は綺麗になっていますが、それでも気になってしまうのは、強迫観念があるのかもしれません。あまりに気になって他のことが手につかないようなことがあれば、一度相談されてみるのもいいでしょう。

 
 


強迫観念が強く辛いです。呪文を唱えるなどして対応しています。どうすればいいでしょうか?

 

一度病院に行ってみてもらうこともいいでしょう。強迫性障害は家族構成なども関わってきている場合もありますが、脳のセロトニン不足が原因の場合もあります。カウンセリングを通して、不安感を消していくようにトレーニングすることで、不安感が収まってくる場合もあります。

 
 


人を殺すのではないかと思う考えが頭を離れずに苦しいです。強迫観念でしょうか?

 

何か大きなストレスを抱えている場合もありますし、環境に余裕があるときにもそのような考えが浮かんでくることもあります。人を刺すことでの痛みなども一緒に考えてみるといいかもしれません。生活に支障が出るほど、その考えに振り回されるようであれば、一度専門家に診てもらうのもいいでしょう。

 
 


強迫観念があってある行動に出てしまいます。最近は家族にも言うようになりました。

 

強迫性障害は、治そうという強い意志があれば治すことも可能な障害です。治すことに不安を感じることや、家族の協力で何となくできてしまっていると、そのままでいいのではないかという思いが出てきてしまうと思いますが、治そうという意思をもって行動することで良くなっていく病気ですので、一度専門家に相談されるのもいいでしょう。

 
 


ある考えが頭に浮かんで消えません。その考えをなくすために、意味のない行動に出てしまいます。これは強迫性障害なのでしょうか。

 

強迫観念があり、それに対する強迫行為を行ってしまう場合には、強迫性障害である可能性は高いと思われます。その治療には薬を使うこともありますが、敢えてその強迫観念が浮かぶ状況を作り、その状況の中で過ごすことによってストレス耐性をあげていくという治療法もあります。強迫性障害はカウンセリングや治療を継続的に行うことで良くなっていく障害ですので、一度専門家に相談するといいでしょう。