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適応障害

                 
適応障害について特   徴診断テスト
誤   解ケ ー ス原   因
対 処 療 法

 

適応障害について


適応障害はストレスになる出来事に対して、抑うつ気分や不安、行動に制限が出るなど、日常生活に困難が生じる障害です。どんな人でも、ストレスを感じることがあれば元気がなくなったり、イライラしたりするものです。また、新しい環境に慣れるためにも工夫や対策が必要となりますが、適応障害になればそれが上手くいかず、やがて身体や精神状態に不調をきたすようになります。適応障害になると、ストレスに対して免疫が損なわれ、実際のストレスの大きさよりも更に大きな苦痛を感じるようになります。ちょっと気分が沈むだけ、では収まらず、仕事や学業、社会における役割を損なうほどの精神的・肉体的に重度の症状が現れます。適応障害により幸福感が損なわれたら大変です。自分では気付いていない原因があるはずです。もし異変を感じたなら、カウンセリングを受けてみるなどの積極的な対策を講じましょう。


 
 

気分が沈んで落ち込む


抑うつ気分に陥る場合には、些細なことで涙が出たり、時折絶望感に打ちひしがれたりします。不安を伴う場合には、動悸や焦燥感や神経過敏になります。どちらの場合も、不安症や抑うつ障害の診断基準には合致しないことがほとんどです。また、素行の障害では、他人の権利を侵害することや、社会のルールを無視することをします。無断欠勤を繰り返したり、破壊行為に及んだり、喧嘩をしたり、危険運転をしたりします。その他にも、お酒を飲みすぎることや、ひきこもりになること、自律神経症状や不眠や自殺を企てていることもあります。成人の場合には、いくつもの症状が同時に起こっている場合もありますので注意が必要です。


 
 

適応障害の診断基準は、ストレスの始まりから3か月以内


適応障害と医師により診断されるのは、ストレスの始まりから三か月以内に症状が現れることが診断条件になっているようです。適応障害は比較的よくみられる障害であり、男女別にみると、2対1で女性比率がかなり多く、特に独身女性にリスクが高いことがわかっています。内科や外科を通じて精神科を紹介される患者さんの内、50%近くが適応障害であるという報告もあります。
 

適応障害は、適切な対策を講じることで比較的回復しやすい障害とも言えます。通常では原因となるストレスの処理が済めば、また環境の見直しが行われれば、適応障害の方は、3か月以内に症状が落ち着き、元通りの精神状態に回復する方が多いです。そして以前よりもストレスに耐性が備わり精神的にも強くなります。一方で、ストレスとなる出来事が長期に続けば、症状は慢性化する場合もあります。青年期の場合には、思い込みも強い面もあり回復までに時間がかかることも多く、そのまま気分障害や物質関連障害に陥る場合もあります。


 
 

適応障害は生理的反応


また適応障害は生理的な反応とも言われており、医学的に正式に鑑別できる検査は今現在では無いと思われます。しかし、身体に出る症状に関しては、検査が必要になるケースもあります。胃痛や倦怠感などは、医学的な所見が見つかるケースもあります。その場合には、心身症として、身体疾患の治療も並行して行うことが必要になります。心身症が合併しているケースの多くは、精神障害も重い場合が多く、精神科医と共同で治療を行っていきます。社会生活に適応できないために出来ないことへのストレスに過敏に反応し自暴自棄となり自殺などをほのめかすなどの場合には一刻も早い対処が必要になってきます。


 
 

心理社会的ストレスの軽減を行う


適応障害の改善への対策においては、まずは原因となる心理社会的ストレスの軽減を図ることが第一です。環境を調節し適応しやすい環境を整えることが必要になります。場合によっては、しばらく休職や休学して、心的エネルギーを回復することが必要となります。自分の心の中で悩んでいることに関して、カウンセリングなどを受けることにより、徐々に心を整理して情緒を安定させることに努め、社会適応へ向けて心理的援助を求めることも必要になります。そして、不安が大き過ぎる場合には医療機関の受診を受け、医師の判断により抗不安剤を服用することも必要となります。また、うつ症状が酷い場合には同様に医師の指導のもとで抗うつ剤を服用するなどし、薬物療法による治療も取り入れなければなりません。しかし心因性である適応障害には考えや捉え方の根本に変化が必要です。カウンセリングに加えて認知行動療法なども交え、ストレスを緩和して、少しずつストレスに身を置くようにすることで、ストレスに強くなっていくことになるでしょう。
 

 

 

適応障害 「特徴」


不安障害の一つに分類される適応障害にはどのような特徴があるのでしょうか。


 
 

適応障害とうつ病の違い


適応障害はうつ病と似た症状が出ます。適応障害の場合には、ストレスに対して大きな苦痛を感じていますが、気持ちによる波や変化というのはそれ程でもなく、かろうじて正常を保っている状態になります。ストレスの原因になることが改善されることで、症状は通常であれば短い期間(半年以内)に改善していくケースも多いです。
 

それに対して、うつ病の場合の抑うつ感は、原因となるものが存在していない場合にでも、様々なことが憂鬱に感じられて、時間が経過してもその状態が慢性的に続き、気持ちに変化が見られない場合が多いです。うつ病の場合には、専門クリニックでの医師の指導による抗うつ剤などの薬物治療と共に、メンタル面や精神的なカウンセリングなどを行っていき、一般的には数年単位での長期に渡る場合が多いです。


 
 

適応障害のストレスの要因となるもの


適応障害になるストレスの原因は、仕事、学校、家庭、病気、恋愛などの生活の中の多くのことにあります。仕事についてのストレスでは、仕事の内容と人間関係によるものが多く上司や同僚などとの人間関係や異動などにより仕事内容が変わること、環境の変化や仕事量の多さ、責任の重さなどがあげられます。
 

また、家庭においては、夫婦仲が悪いことや義両親との関係の維持、育児や教育の問題、経済的な問題、引っ越しに関する悩みなどがあります。他にも、受験の失敗、結婚問題、慢性疾患やがん治療などのいろいろなことが適応障害の原因になりえます。


 
 

適応障害に周りが気付いた場合には?


適応障害を回復していくには、家族や周囲の人の支援も必要になる場合があります。本人がストレスに対して自分で対応していけるように環境を整えることも大切なことです。職場において仕事量がこなせないほど多いことや、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど客観的にみて不合理であると認められる場合には、積極的に介入して改善に努めることがとても重要になります。
 

家庭でもコミュニケーションを取ることや、無理を言わないことなども大切でしょう。気分転換にどこかへ出かけることもいいでしょう。一人で辛さを抱えるのではなく、周りの人に相談して、解決策を見出すことが必要になるでしょう。会社などにおいては、ストレスチェックなどの機会を利用して定期的に負荷や無理がかかっていないかを自分でチェックしてみるのもいいでしょう。


 
 

家族も気を使って観察すること


遅刻欠勤などを繰り返すことや、ギャンブルや酒により散財している場合など、適応障害を放置しておくと、家庭不和などに繋がり、さらに状況が悪化していくことになります。ストレスに適応できていないことが観察された場合には、本人にカウンセリングなどを通じ改善への対応が必要になるでしょう。カウンセリングを続けていく内に、熟練したカウンセラーに対応を臨めば次第に症状が緩和されて比較的短期に良くなっていくことが期待出来ます。
 

アルコール依存症やギャンブル依存症になる前に、しっかりと対策と改善へアプローチが大切です。定期的に話し合い、夫婦なり家族なりお互いが考えていることの意見を交換し擦り合わせることも必要になってきます。何か本人がイライラしていることや、落ち込んでいることが多いという場合には、カウンセリングの第三者に話を聴いて貰うことにより、膿が出るようにストレスが改善していき、考えの再構築をすることが必要です。


 
 

適応障害を予防するには?


生活上の適応障害を未然に防ぐための注意や予防策としては、例えば、新しい環境に適応するには相当の心的エネルギーを使うことが多いため、適度の休養を取ったり、気分転換に何か好きなことをしてみたり、日ごろからストレスを溜め込まないないような生活になるように工夫することが必要になります。適切な相談相手を持ち一人で考え込まないようにすることや、人とどのように上手く付き合って、自己実現を行っていくかというソーシャルスキルを身に付けることも大切になってきます。ストレスにあまり敏感になり過ぎないような状態でいられるように、自分の考え方を変えて、日々過ごすこともいいでしょう。適応障害は良くなるケースが多いですのであまり思い悩まないことも必要です。しかしつらい日が続くようであれば早めに適応障害を良く熟知したカウンセラーに相談してみましょう。
 

 

 

適応障害 「誤解」


適応障害は、ストレスの元になる原因がなくなると良くなっていく症状です。そのために、学校や仕事が原因の場合には学校や仕事を離れたら良くなることから、ただ甘えているだけではないかといった誤解が生ずることがあります。


 
 

真面目で責任感の強い人に多い


適応障害になる人には真面目で責任感の強い人が多いです。自分を甘やかすことや他人に甘えたりすることが下手であり、なんでも自分一人で抱え込んでしまう傾向もあります。自分にとって、無理な仕事量であっても、自分でやろうと頑張ることや、新しい環境に慣れようと一生懸命になることもあり、苦手とする相手とでもうまく付き合おうと努力を重ねます。強いストレスがかかるような環境でも、ストレスを受け流すこと、解消することが上手くできないために、溜め込んだストレスが溢れるように、心身に影響が出始めます。自分では大丈夫という意識の中でも、涙が止まらなくなったり、体がだるくなったり、抑うつ状態に悩まされたりするようになります。また、攻撃的な態度を取って周りを困惑させるような場合もあります。こういった症状が見える場合には、放置は良くありません。適応障害などの不安障害に熟知した専門機関でカウンセリングなどを受けることも大切です。


 
 

環境を変えることは大事だけれど、別の不安が出てくる場合も


仕事や職場はストレスの場合には、会社に出社することが困難なほど症状が悪化すれば、休職することになりますが、休職すれば毎日が休みになるために「休職すれば楽になる」と思われがちなのですが、実際には、休むことへの罪悪感や金銭面での不安、できないことへの自己嫌悪感、乱れる生活のリズム、他者と交流できないことでの孤独感など多くの苦しみを抱える場合もあります。それでもやはり、ストレスと距離を置くことは、症状の改善に繋がっていきます。仕事量が多過ぎるのであれば、平日は出来る範囲で早く帰るように促すことや、休日は一切、学校や仕事のことを考えずに過ごせるようにすることも必要です。学校や職場の人間関係が問題なのであれば、その人と接する時間を短くするように気を配ることも必要でしょう。もし、一緒に働いている会社の人である場合には、休日に仕事に関するメールを送ることや、休職中にも関わらず仕事の相談を持ち掛けることなどは避けてください。家族や身近な友人の場合には、本人の様子を見て、なるべく外に連れ出すことや、仕事のことを考えずにリフレッシュできる環境を整えてあげましょう。


 
 

本人の努力を認めること


適応障害になる場合には、一生懸命に頑張ろうとしている結果、そのストレスに耐え切れずに心身に症状が出ている場合が多いですので、本人の努力を認めてあげて、「ちょっと頑張りすぎだから、少し休むといいよ。」とか「何も考えずに、のんびりしたら?」とか、「今は休むことも仕事だよ。」という風な接し方をするといいでしょう。「がんばれ」とか「やればできる」という言葉は、励ましているようで、本人を追い詰めてしまう可能性もあります。本人にとっては、極限まで頑張っているというケースも多いので、できればゆっくり休むように伝えてあげることが良いでしょう。何も考えずに心と体を落ち着ける時間が必要になります。


 
 

病人扱いしない


休んでいる場合でも、復帰してからもあまり病人扱いしない方が、本人はありがたいと思うことも多いです。病気になったというよりも、少し疲れて長めの休暇をとっているという感覚で、少し疲れているのだという認識で接するといいでしょう。ストレスから離れていることで本人も異常を感じない場合も多いので、自分のことを病人だと思えない場合もあります。できるだけ普通に接しつつ、適度に無理をしないように伝えて、自分のペースで取り組めるようにしてあげることが重要でしょう。すこしずつ良くなってくることで、また活力がわいてくることもありますので、本人のペースに合わせて取り組めるように仕事量などを調節できるといいでしょう。
 

 

 

適応障害 「ケース」


適応障害にはどのようなケースがあるのでしょうか。知らず知らずのうちにストレスを感じて、身体や精神状態に変調をきたしている場合があります。カウンセリングを受けに来られた方のケースを紹介します。


 
 

仕事に集中できなくなった20代の女性


春から会社員になった女性は、会社での仕事をしつつ、親元を離れて初めて一人暮らしをするという生活をしていました。仕事は初めてのことばかりで分からないことも多く、また見知らぬ土地での生活だったので、公私共々に精神的にも余裕が無く毎日生活するだけで精一杯でした。1年は無我夢中で頑張っていたのですが、2年目になったころに、イライラや不眠などの症状に襲われるようになりました。できないと思うことも多くなり、精神的に不安定な状態になりました。会社でも欠勤などが目立つようになり、そこで女性は会社を休職し、休養を取りました。休職の間に、私どものカウンセリングに通って頂きました。ストレスの原因は仕事に馴染めなかったこともありますが、いつしか人に疲れたのもあり同僚などとの食事会やランチタイムの時間がかなり苦痛であったり、地元を離れて良き相談相手がいなかったことなどもストレスの処理が出来なくなっていました。全ての苦しみの問題を話し合い、思考の修正を行うことにより現在は通常の生活に戻り仕事に友人関係に活発に頑張っているようです。


 
 

新学期に学校に行きたくない10代の女性


学校に馴染めずに学校に行きたくないと思っている10代の女性がいます。仲の良かった友達とクラスが離れてしまい、同じクラスには以前の様に仲良しの子ができずに一人でいることが多く、そんな日々が辛くなってきたことから学校に行くのを嫌がるようになりました。色々先生方も交え対策を協議しましたが、結局学校には行けずに毎日倦怠感もあり怠惰な過ごし方をしていました。母親が毎回一緒にカウンセリングに付き添いで来られて、状況の把握と彼女の思考パターンをよく理解することに努めています。家では母親とよく話していますが、外に出ると人と話すエネルギーが少なく、人に話しかけることは殆んどない状態になっており、現在は人間関係の考え方の修正に取り組みを始めたばかりです。


 
 

仕事で昇進した30代の男性


仕事での成績が認められ、昇進した30代の男性がいましたが、仕事の内容が大幅に変わったことで、ストレスを感じるようになりました。イライラすることや、自分はできないのではないかと不安に落ち込むことなどが増えて、体調不良を訴えるようになりました。抑うつ感なども出ていたので、会社の上司は、治療を受けるように勧め、会社の仕事をしつつも、カウンセリングなどで気持ちを整理するための作業を行っていきました。責任の重さによるストレスの為に、辛くなっているケースであり、良い意味でのいい加減さをマスターしていくことにより段々と気分も戻り見通しもついてきました。


 
 

結婚して知らない土地で暮らし始めた20代の女性


結婚した女性は、知らない土地で暮らし始めましたが、旦那さんは仕事で忙しく、なかなか話をする時間も取れていない状況でした。そんな中で女性は、寂しく感じたり、気持ちが落ち込むことが増えたり、自分は必要な存在なのかなと悩むようになりました。周りにも相談できる人がいなかったので、気持ちがどんどんふさぎ込んでしまっていました。彼女の変化に気づいた旦那さんがカウンセリングを進め、自分の気持ちを少し整理することができたことで、少しずつ回復に向かっています。


 
 

学校に行こうとすると腹痛を起こす10代の男性


学校が辛いと感じていたわけではないのですが、学校に行こうとすると出掛けに腹痛が起きる男子がいました。いじめられているとか学業不振があるということではありませんでしたが、多くの人がいる中で生活していくことに少しづずつストレスを感じるもののそれが何故か本人は分からないために疲労感が蓄積されて行きました。結果学校に行くことを考えるとお腹が痛くなる過敏性腸症候群とともにそれ以外にも身体のあちこちに不調が出るようになりました。無理をしない範囲で登校するようにカウンセリングを行っていき、物事の認知の歪みを正し、同時に本人の負担が少なくなるように環境を整えていくことで段々と学校に通えるようになっていきました。


 
 

受験に失敗した10代の女性


自分の行きたかった大学に落ちてしまった女性は、受験の失敗を機に張り詰めていた気持ちの反動で魂が抜け落ちてしまったような感覚に陥りました。そして自分はできない人間なのだと自己を卑下し、自己否定や自己嫌悪を日常的に感じるようになり、次第に無気力な気分に支配され日々を過ごすようになりました。滑り止めの大学には馴染めず行ったり行けなかったりの状態でカウンセリングにいらっしゃいました。受験を失敗と捉えず別の捉え方を受け入れ、ここから新たな自分の人生がまた始まるという認識を持つことが出来るようになり、最近では積極的に大学で勉強に向かう意思が強まり、周りの助けもあり通常の生活に戻れるようになりました。定期的にカウンセリングに通うことで、自分の中の無気力感などと折り合いをつけつつ、日々の生活が楽しく過ごせるようにと毎日生活しています。
 

 

 

適応障害 「原因」


適応障害になる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。


 
 

理想と現実のギャップによるもの


会社組織などに入ることで、最初は社会貢献などを考えて意気揚々としていた場合でも、次第にその理想と現実とのギャップに悩むようになり、適応障害になっていくケースもあります。会社では急に不本意な商品を売ることを上司から命ぜられるようになり、その縦社会などにも疑問を感じる場合もあるでしょう。その環境に入ってそれに慣れていくことができるとストレスにも適応していけるのですが、その疑問感が払拭できないまま毎日を過ごしてしまい、結果体調不良や抑うつ感につながっていくという場合も多いです。


 
 

こうあるべきだという風潮に馴染めない


学校の場合などでは、皆んなで机を並べて勉強することや、自分に興味のない部活に授業の一環と言う理由でクラブ活動を行うことに疑問を感じる場合があります。仲の良い友達でもいればいいのですが、自分の興味のないことを強いられていると感じてしまい、自分で自主的に何かに取り組むということができずに辛く感じる場合もあります。学校に行って楽しいことがあれば能動的に行くことも多いと思うのですが、学校に行く意味が感じられない場合などもあります。そうなれば、気分は沈みがちとなり、無気力に陥り、お腹が痛むなどの身体の変調により適応障害となってしまいます。


 
 

家庭内に問題がある場合


仕事や家庭などで両親が不仲だったりする場合に、子供が学校どころではなくなってしまう場合があります。学校の勉強よりも家族の一大事に目が向いていますので、学校に行かないで、家に閉じこもってしまうこともあります。家庭内の問題などをきちんと話し合い、いい方向に向かっていくことで、適応障害が改善していくことも多いです。両親もそのことに気づき、家族が仲良くなれるように努めることが必要になります。カウンセリングを受けるのであれば、子供の前に、両親である夫婦仲の改善が先決です。夫婦カウンセリングなどで子供にとって居心地の良い家庭を再構築しましょう。子供の問題解決はそれからです。


 
 

家族の対応が原因の場合も


適応障害にかかるのが子供であった場合には、家庭にいる親や祖父母などの対応に問題がある場合があります。子供に対して強く叱責することや無関心でなんの反応も示さないことなども子供が体調を崩す原因になることもあります。そのことに自分が気付いておらず、倦怠感やお腹の痛みなどの体調不良を抱えているケースもあります。そのストレスがなくなったことで、軽くなる場合も多く、カウンセリングなどを通して、あぁ、あれが原因だったのかと気づいてもらいます。そしてその点を改善していくことで適応障害が良くなっていくことが多々あります。


 
 

本人が培ってきた性格によることが大きい場合


なかなか自分の感情をうまく言葉にするのが難しかったり、完璧主義で失敗をするのが怖かったりする場合には、ストレスが非常に大きく感じられ、その重圧により適応できない可能性が増します。本人の性格によるものなので、自分の性格をよく理解して、仕事や家庭などに取り組めるようになるとストレスの緩和にもつながります。何事も完璧にこなさなくてはいけないと思う場合には、少しくらいいいかな。というように考えを変えてみることや、煮詰まってきたら気分転換を図ることもいいでしょう。一人で何でも思い込んだり溜め込み過ぎたりせずに、周りの人に話して、少しでも環境を改善出来るようになれば適応障害も次第によくなっていくでしょう。黙っていては周りの人も分からないことも多いので、自分の気持ちを話してみることも必要になってくるでしょう。失敗を経験することによりまた上手く対応できるようにもなるかな。と考えられるようになれば、失敗することも怖くなくなるかもしれません。


 
 

新しい環境に慣れることも大切


何か新しいことを始めるのは誰しも多少の不安と緊張を感じる場合も多いのが通常です。しかし適応障害の人は同じ状況でもその受け止め方は尋常ではありません。だからと言ってやはり行動は必要であり、少しずつ不快と感じることに対してもストレスに対応していくことも必要になってきます。どうしても無理な場合もありますので、ストレスに対して、焦って極端に無理をしないようにしつつ、毎日を過ごしていきましょう。誰か相談できる人が一人いる事でも違います、是非カウンセリングを受けて頂きたい。そうすれば凝り固まった気持ちが次第に雪解けが始まるように考え方や捉え方に変化が起こります。早めに不安障害である適応障害を克服しましょう。そのためには環境の好転も重要なので、上司や先生などに相談し環境の好転を求めましょう。
 

 

 

適応障害 「対処療法」


薬物治療


心療内科や精神科での治療法です。抑うつ気分や不安などの症状に応じ医師の処方する薬物を投与し、症状の緩和に繋げていきます。精神療法も合わせて行っていくケースもありますが、まずは、その症状を安定剤などで緩和させ気持ちが楽になるようにしていくことを目的とします。
ただ、薬物を投与する場合には、抗不安剤や睡眠薬などの薬物依存症になってしまわないように、約6か月を目安に治療を行っていくことが多いです。適応障害の場合には、ストレスから離れて6か月以内に良くなっていくケースが多いですので、薬物の投与もそれを目安に行われます。


 
 

精神療法


適応障害の原因になっているストレス因子を特定し、終結できるようにストレスに対する対処の仕方などのアドバイスを行っていきます。本人に対する考え方の変化を促す作業はもちろん行われますが、それだけでは不十分であり、職場の管理者や人事担当者、学校の先生や家族など周囲の関係者の協力を得ることが必要になる場合もあります。
 

適応障害は、コミュニケーションを取ることや自己表現が苦手な方、理想が高い方などに多い症状です。このような性質を持つ場合には、過度な思い込みに支配される場合や、ストレスに対して抵抗力が弱い場合があります。自己防衛の為に、周囲に対して過剰な反応をしてしまうことや、自分の殻に閉じこもってしまうことも多いです。この場合の対処療法としては、物事を冷静に判断することや、円満な人間関係を構築すること、普段から自己肯定を高めることが重要です。また、周囲に適切な人間関係が存在しない場合には、無理な関係を作るのではなく、自分に合った友人の出会いを待つことも大切です。


 
 

認知行動療法


認知のゆがみを正すことにより、行動を変容させていきます。なんでも完璧主義にこなそうとして頑張り過ぎて心身に弊害が出ていた場合には、その考え方を変えてみるトレーニングを行います。自分がストレスに直面していることで、症状が現れていることを正しく把握してもらい、その場面に遭遇したときにはどのように対応していけば良いのかということを、学習し訓練していきます。最終的には状況のセルフコントロールを目指します。大きく何かを変えるということではありませんが、自分中の認知を変えることで気持ちが楽になります。


 
 

適応障害の予後は良好


適応障害の予後は、ストレス要因の解決や病院での薬物治療などが適切に行われることで良好になります。治療の中では主に環境調整が大切です。環境を調節する際には、適応障害者をサポートする方たちにも、不安や苦痛、苦労などが伴うことも予想されますが、その行動が症状の改善には必要になってきます。ストレスの元から離れて自宅静養するだけでも、症状が改善してくことも多いため、様子を見ながら、適応障害者の回復を待ちます。適応障害の治療においても、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などが使用されることもありますが、あくまで対処療法になるので、カウンセリングなども交えて、ストレスへの適応力の向上とストレスの軽減を行っていきます。ストレス状況が改善しない場合には、症状が悪化して、うつ病へと至るケースもありますので、早い段階で周囲が気が付いて、本人に無理がかからないように、注意し、配慮していく必要があるでしょう。


 
 

環境調節、ストレスを自覚し、軽減させる


環境調節においては、ストレスを自認し、家族や上司などの周囲に伝えることを行います。そして、問題を先送りにすることや、仕事を軽減させるなどして、患者さんにかかっている負荷を軽減します。また、食事などにも気を付けて、栄養バランスをうまく取るようにし、腹八分目にするようにし、きちんと睡眠がとれているか、などの健康チェックも行います。ストレスに真正面から取り組むよりは、気分転換をした方が良いケースが多いです。負担のない程度に趣味を楽しむことや、利害関係のない友人に愚痴を聞いてもらうだけでも効果があります。精神科やカウンセリングなどで医師やカウンセラーに話を聞いてもらうこともいいでしょう。