境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害 名古屋

聖心こころセラピーメインホーム

境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害

                       
境界性人格障害とは特   徴診断テスト
弊    害思考パターン原   因
認める大切さ対   策関 わ り 方
相談のケースQ & A

 

境界性パーソナリティ障害・境界性人格障害とは


心に些細な傷を認めたなら全てを叩き壊す者を言う


境界性人格障害とは、「恋人や配偶者、近親者をとことん傷付け精神的に追い詰める恐ろしい性質を持った人格者」となります。

この境界性人格障害の傾向を持つ人の多くは「女性」です。不安定な精神構造を持ち、些細なことで傷つき、イライラの衝動を抑えるブレーキが効かず怒りに任せ相手を長時間に渡って罵倒し続けます。身近な人はその逆鱗に触れぬよう腫れ物に触るような細心の注意を払う対応しか出来ず困り果てることになります。やがては境界性人格障害の被害に遭われている人は「怒らせてしまう自分に問題があるのでは」と憔悴し精神が病んでくる事態に追い込まれて行きます。被害を訴えている境界性人格障害を持つ者が実は加害者であり、加害者と思い込まされている者が被害者となります。それが「境界性人格障害」周辺で起こっている恐ろしい実態です。伴侶・家族・恋人に「境界性人格障害」が認められれば相当に大変です。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「特徴」


境界性人格障害・境界性パーソナリティ障害を持つ人には次のような特徴が確認出来ます。


精神が不安定であり感情の起伏が激しい

癇癪(かんしゃく)持ちでありヒステリックである

些細なことで傷つき自分を傷つけた相手を強く責める

イライラを抑えるコントロールが難しく時折感情を爆発させる

納得しなければ当事者以外の周囲の人をも巻き込み迷惑を掛ける

全ては気分次第なところがあり一貫性がない

愚痴や不平不満がとても多くそれを相手に聞くことを求める

物事を投げ出すような発言が多いが実行には移さない

過去の出来事に対しいつまでも根に持ち事あるごとにそれを持ち出す

常に自分は被害者であり可哀想な存在とし常に相手を加害者として扱う

産まれて来なければ良かったなど過去に対し否定的な発言をする

不機嫌な態度が多く体調不良を訴えることも多い

感情を爆発させた後には暫くはとても善い人になる

相手の考えを凄く気にし何を考えているのかをしつこく聞いてくる

納得しなければ相手の都合を顧みず長時間に渡り話し合いを求めてくる

居なくなりたい・死にたい・自殺を仄めかしたりなどの自暴自棄な発言をする

相手に対しワザと突き放したような嫌われるような態度を取る



まだまだ境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)の特徴は尽きないのですが大枠はこのような感じです。あなたの相手やあなた自身に上記に挙げた特徴の該当する割合が高ければこの人格障害が濃厚となります。
 

境界性人格障害を持つ人には男性は比較的少なく圧倒的に女性に多いのが特徴です。ハッキリした理由に決定的なものはなく諸説入り乱れている感があります。私が思うには男性がこの境界性人格障害であるならば社会的には通用せず、職場や友人などの人間関係において誰にも相手にされないのは必然です。家庭内や恋人関係でも女性から観てもとんでもない人なのでとても支え切れず直ぐに逃げられます。ですので、男性ではこの人格障害を持っては生きては行けません。故にこの境界性人格障害には結果、消去法により女性が多いことになります。
 

では、なぜ女性にはこの特徴を持つものが存在するのでしょうか?それは専業主婦という社会との接点が比較的少なく生きていける環境があるからだと私は考えます。この境界性人格障害を持つ女性の多くは専業主婦です。職場でこの性質を現せばとてもやってはいけませんので転職を繰り返す結果になります。本人も社会性の無さの自覚も多少は感じています。そうなれば結婚という手段を用いることによりこの上記にある特徴を結婚後、機を見て展開して行くこととなります。その結婚相手に対して求めるものは「相互愛」や「相互信頼」もないとは言いませんが、それよりも大切なことは自分にとって都合の良い人を選びます。男性でも女性がこうなら逃げ出すでしょう?と誰しも考えますが、実のところはなかなかそうでもありません。これについては「境界性人格障害の伴侶の選び方」や「境界性人格障害に取り込まれる人」などに書き記しておきます。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「弊害」


境界性人格障害者による弊害とは何か。まず弊害の言葉の意味は、相手に悪い影響を与える、則ち「害悪」を指します。弊害を及ぼしそのそれを被るのは当然その相手をする人となります。それは恋人、伴侶、子供、兄弟両親を含む家族や親族です。


境界性人格者本人の弊害


しかし境界性人格障害者である当の本人にも弊害は実はあるのです。それは自分で他者に与えた弊害、害悪により他者が恐れ怯え萎縮したり万が一にも逆らえば、更に怒りや不満を増幅させるという余りにも身勝手と思われる弊害が起きるのです。その弊害が更に怒りや苛立ちにより甘えの効く身近な恋人や伴侶に向けられるのでは堪ったものではありません。


境界性人格者の周辺の弊害


境界性人格障害者に常に対峙しなければならない恋人、伴侶、家族の方々は当然、物理的にも精神的にも数多くの弊害が生じます。境界性人格障害者と対応をすれば何が起こるのか、それは自己の持つ価値基準の崩壊、主体性や自信の喪失、論理性が奪われ情緒的感情の優先、萎縮や怯え、逃避、諦めによる倦怠感、自己否定、自己嫌悪、などの弊害を被ることになります。



境界性人格障害者の特徴には幾つかあげられますが、「頭の回転の速さ」「口が達者」「徹底した根気の良さ」「復讐心」まだまだ色々あげることも可能ですがこの4つの特徴により、右のものでも左、白も黒と相手の言うことをことごとく反論し、相手が根負けしそれを受け入れ納得するまでそれが長時間、或いは朝まで続く、まるで刑事ドラマの取調室で延々と罪を認めるまで自白を強要する冤罪事件そのものです。

境界性人格障害者と相対すればそんな状況が家庭や車の密室などでそれが事ある毎に繰り返されます。その結果先にあげた自身の持つ論理性が全く通用せず、価値基準や自信の崩壊、恐怖、怯え、萎縮、そして諦め、自分自身に問題があるような気になり自己嫌悪・自己否定、現実逃避などの弊害がもたらされる結果となります。少しでもその弊害から自己を守り自己を保とうとすれば当然に職場での過ごす時間を多くするとか、一人になれるパチンコやパチスロなどのギャンブルや、優しさを求めての社交場に出入りするとかで気を紛らわす行動に出ますが、境界性人格障害者は人を自分の思い通りに管理しようとしますので、それが判明した場合には更なる締め付けが行われるため結果最悪な事態に陥るのは必然です。それらの境界性人格障害者は自分を欺いたとんでもない罪人と捉え、事ある毎にそれを持ち出し責め続け相手を支配して行きます。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「思考パターン」


境界性パーソナリティ障害の場合にはどのような思考パターンになるのでしょうか。見捨てられるのが不安で必死で相手にしがみついてしまい、相手を困らせることがある、自殺を企てることや、自傷行為を繰り返すことがある、気分の変調が激しい、対人関係が両極端で不安定などの性格を持っています。


自分自身のイメージがはっきりしていない


境界性パーソナリティ障害の場合、自分自身のイメージがはっきりせずに、安定していません。自分のことをどのようにとらえるかは、周囲の状況や一緒にいる人によって変わります。自分のことを冷酷だととらえる時期があったり、優しいととらえる時期があったり極端になります。自分の価値感や存在などが安定せずにコロコロと評価が変わることがあります。宗教を重んじて、信心深い一面があったかと思えば、別の場所では、不敬で冒涜的な行動に出るといったこともあります。また、人間関係においては、他者と信頼し合って関係を築くことができません。相手の気持ちに関しては鈍感であったり、無関心であったり、共感力に欠けている場合なども多いです。家族のなどの他者は、しばしば、境界性パーソナリティの人のことを困った人である、イラつかせる人だとみなします。パーソナリティ障害を持っている場合には、自分が他者に迷惑をかけているという意識がないので、自身が境界性パーソナリティ障害であることに気づいていない場合も多いです。代わりに、他者に迷惑をかけているという理由から、知人や友人や社会機関によって医療機関に連れてこられることも多いです。


自殺未遂や他者をコントロールしようする


境界性パーソナリティ障害を持っている場合には、相手に対してすごく良い人で親切な姿を見せたかと思えば、いきなり攻撃的になり、危害をおよぼすような行動にでることもあります。他者を自分の意のままに操ろうとして、自殺未遂を起こすことや、自傷行為を繰り返すなどの行動に出ることも特徴です。自分自身には、相手に迷惑をかけているという気持ちが薄く、友人や家族が疲れてしまって、医療機関に相談をするというパターンも多くなっています。自分で助けを求める場合にも、パーソナリティ障害によって生じた問題に対しても自分の問題だとはとらえられずに、相手が悪い自分は悪くないと考えます。家族や知人と付き合っているとどうしても批判的・攻撃的になってしまい、対人トラブルが絶えないという場合も多いです。境界性パーソナリティ障害を持つ場合には、見捨てられ不安や空虚感(人生の無意味感)が非常に強く、「一人で過ごす時間」の孤独感になかなか耐えられない人も多いです。


見捨てられ感の原因は幼少期の母子関係や児童期のいじめなども関係している


見捨てられ感を持つなどの原因は、幼少期に母子関係で十分な愛情や保護を与えられなかったことや、児童期に学校生活でいじめなどにあったことなども原因となると考えられています。境界性パーソナリティをかかえた人達は、いつも誰かに温かく見守っていてほしい、どんな時も家族・恋人・友人には自分の味方になってもらいたいと考えていますが、気分の波が激しく、極端な対人評価により、他者と適切な距離感をもって付き合うことが難しいという特徴があります。自分を肯定したいという気持ちがありつつも、その環境によっては、正気では居られなかったようなつらい経験をしている場合もあります。また、他人をコントロールしたいという環境は自分も親からコントロールされてきたなどの経験がある場合もあり、それに気づいていない人も多いです。一度親身になると心がボロボロになるほどすり減ってしまう可能性もありますので、そこまで深入りしないように気を付けることも必要になってきます。身近な相手であった場合にも一歩引いて付き合いをするということが必要になるでしょう。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「原因」


境界性パーソナリティ障害が発症する原因にはどのようなことがあるのでしょうか?


遺伝的な要素や環境によるものが多い


境界性パーソナリティ障害が発症する原因ははっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要素と環境的な要素があります。遺伝的なものでは先天的に境界性パーソナリティになりやすい遺伝子を持って生まれてきている場合があります。また、環境による原因とは幼児期に虐待を受けていたことや母親との愛情関係をうまく築くことができなかったことなどが大きくかかわっていると言われています。幼い時期は、特に母親との愛情関係を築く時期になりますが、この時に十分な愛情を受けられなかったなど、愛情の面で不安定だった場合に、その後の自己や感情のコントロールに大きく影響を及ぼして、人格形成に関わることが分かっています。子供が成長しても、母親離れや子離れが上手くできない場合や親子がともに依存しあっている状態になっている場合などがあります。また、子供の頃に、親が子供を褒めたり、認めたりすることなく、子供の欠点ばかりを批判し子供を否定するようになると、子供は親の価値観に合わせすぎた真面目な優等生となり、本人は自己肯定感が低くなって、幸せを感じることができにくくなるといった場合もあります。養育拒否などの虐待の他にも、子供を心配するあまりに過干渉になってしまうことも、将来的に境界性パーソナリティ障害になる可能性も否定できませんので、注意が必要です。このように、遺伝的に境界性パーソナリティ障害の要因を持った人が、育った環境によって、境界性パーソナリティ障害を引き起こすことが多いです。


相手の気持ちを推し量って行動することが難しい


境界性パーソナリティの場合には、他人への評価がコロコロと変わりやすく、すごくいい人だと相手のことを判断したり、なにか嫌なことがあると駄目な人だといったように極端な評価を下したりします。両親や知人に対してもその行動は顕著になり、自分の思うようにならないことがあると、自殺をほのめかしたり、自傷行為に走ったりと、相手をほんろうさせるような行動を取ります。幼少期から愛情をもって接していた場合には、なにかいいことと悪いことが起こった場合でも、そんなものかな。と判断がつくことでも、極端に自分は不幸だと思ったり、幸せ感をもつことができなかったりという症状に襲われます。少し何かマイナスなことが起こった場合でも自分が見捨てられるのを恐れるあまりに、極端な行動に出ることが多いです。こうした行動は、もっと愛されたいという気持ちから出てきているものなのですが、それをうまく表現することができずに、破壊的な行動を取ることが多いです。知り合ったからと言って、すぐに深刻な話をすることや、助けを求められたときなどには注意が必要です。また家族であっても、一線を引いて、ここまでは援助するけれどこれ以上は自分でなんとかするようにという線引きをきちんと行う必要があります。相手にずるずると付き合っていくことがないように気を付けることも大切です。


体内ホルモンのバランスの崩れとの仮説もあり


感情や気分の調節と関係して、「セロトニン系・ドーパミン系」の脳内の神経伝達過程の障害が境界性パーソナリティ障害を引き起こしているという仮説もあります。薬物治療は補助的に行われることが多く、多くはカウンセリングによる治療です。対人関係の不安定さは、先生との関わりにも現れます。先生への評価も、コロコロと変わり、いい先生だ。と評価したかと思うと、自分が気に入らなければ悪い先生だ。といったように評価を変えることも多いです。人間関係をうまく築くことが難しいために、相手に見捨てられないようにと極端な行動を取ってしまいます。医師との関係性を築いていくことも治療の一環になります。医師の場合にはそういう性質を分かったうえで行動することも多いです。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「認める大切さ」


境界性パーソナリティ障害を持っている場合には、自分が境界性パーソナリティであることを認めて、治療したいと思うことが、大きな前進になります。また、境界性パーソナリティの知人がいる場合にはどのような対応をするといいのでしょうか。


治療したい!治したい!と思うことが大切


境界性パーソナリティ障害の場合には、なにかトラブルがあったときに、自分が他者に迷惑をかけているという自覚がないことが多いです。そんな中で、自分が境界性パーソナリティ障害だと認識して治療することは大きな一歩になります。境界性パーソナリティを持つ人の多くは、心の奥底に人に見捨てられたくない。嫌われたくないという感情があります。その反動として人を傷つけるような行動に出ることがあり、これも自己表現のひとつになっています。どうして彼らがそんな行動を取るのかを、周りにいる人は冷静に認める必要があります。その人を変えようとするのではなく、冷静に受け入れて理解し、感情的に否定せずに、冷静に対処していく必要があります。また、境界性パーソナリティ障害の人が近くにいる場合には、一人で抱え込まずに、専門家に相談することも必要です。受け入れようとするあまりに、振り回されて疲れ切ってしまうことがないように、自分の無理のない範囲でのかかわりを持っていくということも必要になってきます。時には物理的に距離をおくことも良いでしょう。無理に要求をきく必要はありません。毅然とした態度で接するようにしましょう。


境界性パーソナリティ障害の治療法は二つ


境界性パーソナリティ障害の強い不安感や怒りなど情緒不安定な場合には、抗うつ剤や抗不安薬などの薬を用いて治療を行うこともありますが、境界性パーソナリティの場合には、薬によって治るといったことは少ないです。薬物療法をとりつつ、精神科医や臨床心理士との対話によって根気強く治療を行います。この治療において大切になってくるのは、本人の「治りたい。治したい。」という気持ちです。治療のときには過去の辛い出来事や思い出したくないことなどにもきちんと向き合う必要が出てきます。また、治療期間は長期間となり、医師や臨床心理士とも人間関係を構築していくことになります。人間関係がうまく作れないことは医師や臨床心理士との関係にも表れてきます。すぐに病院を変えようとすることや、あの医師は駄目だといったように判断してしまうことなどがありますので、注意が必要です。医師や臨床心理士を信頼して、治ろうとする気持ちをもって、少しずつ、長期間の治療を継続的に進めていくことが必要になるでしょう。じっくりと一緒になって治療を行っていく態度が必要になってきます。


自分の状態を認める事から始めよう


境界性パーソナリティを疑うのであれば、まずはそんな自分を認めることから始めるといいでしょう。対人関係に悩むことや、自殺行為や自傷行為を繰り返してしまって辛いという場合には、専門のお医者さんに頼るのもいいでしょう。この状態から抜け出そうと、少しでも良い方向に進むように、自分の辛い面にも向き合って、自分を認めてあげることで、境界性パーソナリティ障害の症状も緩和されていきます。自分の恐怖に思うのはなぜなのか、自分が望んでいたことはどんなことなのかなどをしっかり自分と向き合って、直していくことが必要になります。一か百かではなく、その間があることを知り、恐怖感や怒りの感情をコントロールできるようにトレーニングしていくことで、境界性パーソナリティ障害もコントロールできるようになるでしょう。まずは、お医者さんを信頼して、関係性を作っていくことから始めましょう。その中で、親や友人との関係も、変わっていくでしょう。相手を利用するのではなく、信頼して行動を起こすということができるようになるでしょう。感情の不安定さがなくなるようにしっかり自分を認めてあげましょう。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「克服への対策」


境界性パーソナリティ障害を克服するのにはどのような行動を取るといいのでしょうか。境界性パーソナリティを克服するためには、きちんとした治療とカウンセリングを継続することが必要になります。医師や臨床心理士との関係性も境界性パーソナリティを克服していく上で重要なポイントです。


医師を変えずに通うことも大切になってくる


境界性パーソナリティ障害の特徴としては、対人関係での不安定さというのがあります。それは、医師との関係にも明らかになるもので、医師を理想化し褒めたたえるような場合もあれば、医師をこっぴどくけなすといった行動に出る場合があります。あの先生ではだめだという感じで、医師をころころと変えているような場合には、医師をきちんと決めて治療に当たるということも大切になってきます。人間だれしもいいところと悪いところを持っているものなので、評価が180度変わってしまうというのは、辛いものがあります。先生は一貫して同じ態度を示している場合でも、あの先生は駄目だと思う場合もあるでしょう。そういった場合には、家族の方などは境界性パーソナリティ障害の方のいうことをうのみにしないで、判断するということも必要になってきます。まずは、患者自身が治療に取り組もうという姿勢を見せることが大切になってきます。かつては、パーソナリティ障害の多くは長年の間苦しむものとされてきましたが、最近の研究では、パーソナリティ障害の特徴の多くは、年齢とともに徐々に軽快していくことが分かっています。また、適切な治療を行うことにより、回復が早くなると考えられるようになっています。一人で悩まずに相談することが大切です。


境界性パーソナリティ障害の患者さんとは認めつつも距離を置いて付き合うこと


境界性パーソナリティの人と付き合っていくには、相手の言うことをすべて受け入れるのではなく、ある一定の距離を置いて付き合うことも必要になってきます。相手の言うことにすべて従っていると家族や友人も疲れてしまいますし、きちんと線引きを行ってこの程度までは付き合うけれど、それ以降は付き合わないというように距離を置いて付き合いましょう。境界性パーソナリティの人が自殺をほのめかした場合でも、相手の要求を呑んでしまうようなことはいけません。一緒に病院に行くことは大切ですが、必要以上の要求に応えないようにすることも必要になってきます。もちろん、相手を認めてあげて、褒めてあげることや理解を示すことはいいことです。しかし、境界性パーソナリティ障害の場合には、自分の思い通りにコントロールしようという場合がありますので、そこまでは付き合えないということははっきりさせておきましょう。心を鬼にすることも必要になってきます。


自分の嫌だったこととも向き合って、自分と対話をしていく


境界性パーソナリティを克服するためには、思い出したくないことや自分の恐怖感や怒りの感情などと向き合う必要が出てきます。そういったものをうまくコントロールできるように、自分の中の恐怖感はどのようにわいてくるのか、どんなことに怒りを覚えるのかなどを良く分析するといいでしょう。また、こんなことを言ったら相手がどのように思うのかということを考えられると一番いいのですが、境界性パーソナリティ障害の場合には、衝動的な行動に出てしまい、難しい場合も多いです。しかし、それも薬物療法や精神療法などで根気強く治療を行うことで、緩和されていきますので、境界性パーソナリティを避けるのではなく、認めつつも、正常なバランスに戻していけるように努力していくことが必要になるでしょう。治療はゆっくりと進めていきますが、続けていくことで、自分の中の生きづらさにも気づき、生きやすくなっていくことにもなります。人と信頼関係を構築していくことを専門家の人とのやり取りを通して学んでいけるといいでしょう。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「関わり方」


境界性パーソナリティ障害とはどのように関わっていけるといいのでしょうか。自分の中の境界性パーソナリティ障害との向き合い方や親しい人が境界性パーソナリティ障害だった場合にはどのように関わっていくといいのでしょうか。


自分が感情的に不安定であることを認識すること


境界性パーソナリティ障害である場合には、自分の感情の不安定さを認識できない場合が多く、いつも他人が悪いといったような判断をしている場合があります。通常の場合では、自分の中に問題がなかったか、自分が周りに合わせていけるように努力するなどの行動を取る場合が多いのですが、境界性パーソナリティ障害の場合には、すべては目の前にいる家族や知人が悪いのだといったように結論付けます。家族のことは、育ててくれて感謝していると同時に、こんな家族は嫌いだ。といった感情がうごめいています。友人に対しても、いい人だこの人は助けてくれると思うととことん利用しようと考えます。逆に少しそっけなくされると自分が見捨てられると思い、大きく反撃に出ることもあります。そんな自分の中の不安定な感情としっかりと向き合い、自分はどのようにして欲しかったのかなどもう一度よく考えることもいいでしょう。また、軽い冗談でも聞き流せないことなどもあります。普通の人であれば何でもない一言でも大きく傷つくときも多く、そのような性格が、「対等で信頼し合える人間関係を築くこと」を難しくしています。普通であれば気にならない物音なども自分に悪意があって起こっているのだと感じてしまったり、傷ついてしまったりします。近しい人に対する愛情表現も不安定で、心地よさとは離れた態度をとってしまうことも多いです。自分がそんな傾向にあることをしっかりと認識することが必要になるでしょう。知り合ったばかりの他人に自分の大切なことを相談するなどの傾向がある場合には注意が必要です。


境界性パーソナリティ障害の人とは距離をとって付き合うこと


家族や友人が境界性パーソナリティ障害であった場合、どんなにあなたのことを振り回していても、相手はそれに対して罪悪感を持っていることや、申し訳ないなと思っているようなことはありません。あまりに感情移入しすぎると自分自身が壊れてしまいますので、相手の要求にすべて応えようとするなどの行動はとらないようにしましょう。これ以上は無理だと思えば、物理的に距離を取るのもいいでしょう。相手は、こちらを試すことで愛情を確認するような場合もあります。愛情や信頼は持っているけれど、これ以上は付き合えないといった毅然とした態度でいることも必要です。相手と話し合うときには、ここまでは聞けるけれど、ここからは自分の問題だよ。と諭すことや、昼間の相談は聞くけれど、夜は無理だからね。と節度を持った対応をしましょう。相手との境界をしっかりと定めることが対応としては一番いいでしょう。親身になりすぎるのは、境界性パーソナリティ障害の人の場合には逆効果になります。


相手が境界性パーソナリティ障害だったら・・・・?


近しい相手が境界性パーソナリティ障害である場合には、相手にコントロールされないように気を付けることも大切です。知らない相手だとそれが分からずに、親身になってしまう場合もあるのですが、相手はそれを利用しようとしているだけの時もあります。そういった相手には関わらないというのも一つの方法であります。しかし、愛するべき家族である場合にはそれも難しい場合もあります。その場合には、専門医などに一緒に出向いて根気よく治療を行う必要があります。相手を認めてあげつつも、時には距離を置き突き放すことも必要になるでしょう。しかしそれも治療の一環として必要な場合もありますので、心に止めておいてください。一人で悩まずに相談できる相手がいるといいでしょう。専門の機関で適切な治療を行うとより良いでしょう。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「相談のケース」


境界性パーソナリティ障害の相談にはどういったケースがあるのでしょうか。


20代の女性、今までピアノを頑張ってきたけれど上手くいかなくなり不安定になったケース


子供のころからピアノを頑張ってきたその女性は、親の期待に応えるために、毎日練習をし、コンクールなどにも出場するほどの腕前でしたが、だんだんとレベルが高くなるにつれ、限界を感じるようになり、ピアノへの情熱が保てなくなってきました。その頃から、感情的にも不安定になり、両親にも当たり散らすことや、不機嫌でいることが多く、見かねた両親が専門医を受診するに至りました。その女性は、ピアノを通じて、両親に認められていると思っていたので、そのピアノがなくなったことで、親から見捨てられるのではないかということで、感情的に不安定になっていた部分もありました。治療を通じて、ピアノができなくなっても両親は、その女性を愛しているということを自分で認識できるようになることで、抗うつ状態などは緩和されていき、様子も落ち着いてきました。最初は本人が病院に行きたがらなかったので、苦労したとのことですが、カウンセリングを続けるうちに彼女の心の中が両親も分かるようになり、ピアノがなくても、彼女を愛しているということを伝えるように努力したということです。


20代の女性、彼氏が電話に出ないと自殺するというので、心配して受診したケース


20代の女性がある男性と付き合っていましたが、彼氏が用事などで電話に出ないことがあると、自分のことを嫌いになったのだと思い、自殺をほのめかす電話やそぶりをみせることが多くなっていました。彼氏も心配していましたが、ほとほと疲れてしまい、彼女も自分をコントロールできないことに悩んでいたので、病院を受診するに至りました。彼氏に対してお医者さんからの助言は、すべてを聞き入れるのではなく、きちんと一線を引いて彼女の言うことを考えることが必要だということでした。お医者さんに対しても、いい先生だと言ったり、あの先生ではだめだといったり、評価がコロコロ変わるので、病院を継続的に受診することも大変でしたが、根気強く診察を続け、彼氏の彼女への対応などもフォローすることで、少し関係性が改善していくという方向に向かいました。すべてを聞き入れるのではなく、少し距離を置くことも大切です。すべてを受け入れていた彼氏は彼女に振り回されて疲弊した状態でした。専門医を受診することで彼氏にも相談相手ができ快方に向かっていきました。


20代女性、突然会社を辞めて、実家で引きこもる日々。家庭内暴力もあったケース


大学生までは順調に成績もよかった女性ですが、就職してから体調を崩し、会社も辞めて実家で引きこもるようになりました。両親を振り回す日々が続き、疲れた両親が専門医を受診しました。本人は病院に出向かないことも多く、治療は難航しました。母親を殴ることや父親を罵倒することなども続き、今までの彼女と変わってしまったのを見て両親も手が付けられませんでした。病院をいくつか変えましたが、病気が穏やかになったのは、本人が自分で直そうと考えて、病院に定期的に通うようになってからです。それまでは先生が合わない。薬が効かないと言ってばかりでしたが、先生の助言なども聞き入れてアルバイトなどの社会復帰も行いました。病院に通いつつも、一般的な生活を行えるまでになっており、結婚し、夫や息子もできましたが、うまく自分をコントロールして対人関係を築いています。


このように、境界性パーソナリティ障害と診断された場合であっても、根気強く治療を行うことで一般的な生活をきちんと営んでいる場合も多いです。一人で悩むことをせずに、誰かに相談して、自分をコントロールしていくことを目指しましょう。相手には敬意と節度をもって付き合うことが大切です。感情的に人を振り回すことがないように治療を進めていくことが必要になります。

 

 

境界性パーソナリティ障害 「Q&A」



境界性パーソナリティ障害は治療すべきものですか?

 

パーソナリティ障害と診断された人に対する支援体制に関して、以前は十分には整っていませんでした。以前は精神病と言われている統合失調症や双極性障害、うつ病が精神医療のサービスの対象でしたが、近年、境界性パーソナリティ障害も精神医療サービスを受けるに値するものであるということが分かってきています。悩んでいる場合には、専門医の診察を受けると心が楽になるでしょう。

 
 


境界性パーソナリティ障害の項目に当てはまります。どうすればいいでしょうか?

 

多かれ少なかれ、境界性パーソナリティ障害に結び付くような場合はあるかもしれません。しかし、基本的には人に迷惑をかけているかというところも大きくなってきますので、周りに対して危害がない場合にはそれほど心配しなくても大丈夫でしょう。ただ、本人が不安感や怒りなどを抑えきれずに苦しいという場合には、専門医などを受診してその悩みを聞いてもらうことも一つの方法です。自分の悩みや感情と向き合って、治療を続けることで、快方へと向かっていくでしょう。

 
 


境界性パーソナリティの原因は何ですか?

 

脳のセロトニンとドーパミンの関係によるものだという説もありますし、幼児期の生育環境などが影響している場合もあります。ネグレクトや育児放棄を受けていた場合や、反対に過干渉でいつも親が口を出していたといった場合などにも当てはまります。薬物やアルコールの大量摂取や家族や配偶者間のトラブル、金銭問題、人生における重大な出来事などが発症の原因になることもあります。ストレスの多い環境にいることなども、あげられます。

 
 


境界性パーソナリティ障害の人とはどのようにつきあっていけばいいでしょうか?

 

境界性パーソナリティ障害の人と付き合っていくには、親身になりすぎず、節度を持ってお付き合いするといいでしょう。昼夜問わず相談に乗ることやお金を貸すなどの行為を行うと、助けてくれる相手だと思い込んで、理想化する場合もありますので、注意が必要です。きちんと自分の中でこの程度までは付き合うけれどこれ以上は付き合えないということをきちんと決めておきましょう。恋人であっても、家族であっても、きちんとできることとできないことの線引きを行っておくことが必要です。毅然とした態度で相手に接するようにしましょう。

 
 


境界性パーソナリティ障害は時間の経過によって変化しますか?

 

境界性パーソナリティ障害は加齢を経ることでだんだん落ち着いてくることもあります。30代~40代になると対人関係にも安定がみられて、パーソナリティ障害は軽快することも多いです。一方で、精神病領域の統合失調症に進む場合もありますので、注意が必要です。

 
 


境界性パーソナリティ障害はどのくらいの人がなりますか?

 

境界性パーソナリティを明確に定義することは困難であり、どの程度の人がこの障害に該当するかの正確な値というのは分かっていませんが、昔は5人に一人は境界性パーソナリティ障害であると言われていました。2006年に実施された研究によると20人に一人が境界性パーソナリティ障害を持っているという結果が出ています。自分の性格に疑われる部分があれば、相談してみるのもいいでしょう。

 
 


境界性パーソナリティ障害にはどのような治療方法がありますか?

 

境界性パーソナリティ障害の治療では、精神療法(心理療法)が重要になります。精神療法は、患者が治療者と協力して進めることで克服しようとする治療方法です。取り扱われる問題は多様なものになりますので、様々な治療アプローチが組み合わされて用いられることがあります。それらの治療アプローチを積み重ねることで治療はより効果的なものになっていきます。日常生活の中で対処法を積み重ねていくことや様々な精神療法の技法を組み合わせることで十分に改善することが期待できます。根気強く治療を行っていくことが大切です。