機能不全家族 名古屋

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機能不全家族

                       
機能不全家族について特   徴診断テスト
弊    害パ タ ー ン原   因
認める大切さ対   策関 わ り 方
相談のケースQ & A

 

機能不全家族について


家族とは本来温かい場所であり安全地帯としての機能を持っている場所であるにも関わらず、何らかの理由で、温かい家族とは言えないような家庭環境になっている場合に、機能不全家族という言葉を使います。機能不全家族とはどういった家族を指すのでしょうか。


幼少期には子供を温かく育て、大人になったら一人前にできる家庭を


本来であれば、子供の時期には怒られることがありつつも、温かい家庭で育つことで、愛情というものがどういうものかをしっかりと学び、はぐくんでいくことが求められるのが家庭ですが、そこに亀裂が生じて、親が幼い子供を虐待したり、勉強や習いごとなどで子供を攻撃したりと、子供が安心していられる場所ではなくなっている場合には、「機能不全家族」という呼び名を使います。もちろん、自分の親はいい親だったと思うことも多いのですが、中には幼少期や思春期などに親から言われた言葉や態度に傷ついており、その傷をいやせないまま大人になって生きづらさを感じている人なども多いです。また、子供が大きくなってからも、過保護にしている家庭などもあります。ある程度の年齢になったら、社会人として自立していくことも必要なのですが、未成熟な子供を見捨てることができずにいつまでも甘やかしている親というのもいます。


子供に投げかけられる否定的な言葉や、家庭不和なども原因


夫婦仲や家族仲が良くなかったり、子供に否定的な言葉を投げかけたりする場合もあります。女の子などは幼い頃から母親にカウンセラー的な役割を押し付けられて、愚痴を聞かされ続けた為に気分が落ち込んだりすることもあったでしょう。そんな女の子は家庭でも学校でもいい子でいましたが、ある時それが崩壊する時が来ました。それまでは親の期待を受けて頑張ってきた部分もあったのですが、それに応えられなくなってしまったときに、両親の対応も冷めたものとなり、女の子は絶望してしまいます。そして、荒れに荒れて、精神病にかかってしまいました。女の子は自分を否定することで自分を保っていますが、本当は家族や周りの人に認めてほしいという気持ちを持っています。女の子を見ているうちに両親の考え方が変わり、女の子もだんだんと落ち着いてきました。今では自分の価値観というものをもって、幸せに暮らしていますが、その中でも、両親に言われたことへの葛藤と、自分はできないのだという思いが交錯し、辛いときもあります。一見、家族仲は良いように見えますが、親の対応により、子供が壊れてしまうケースもあります。


自分でも気が付かない価値観の押し付け


自分が感じている社会の不合理や世間の常識と言われるものを子供に押し付けていないでしょうか。子供とは言うことを聞かないもので、何度言っても聞かないこともありますが、その中でも暴力や暴言に訴えたりしないで、愛情をもって接しているでしょうか。相手が自分のことを思ってくれているかどうかというのは態度や言葉などでもわかるようになります。怒りに任せて感情を爆発させることはないでしょうか。子供は親を見ていますので、暴力や不和が通常になっている家庭では、子供達も情緒不安定に育つ可能性もあります。夫の悪口を子供に言う奥さんなどもいますが、それも機能不全家族を作る一つの原因になっています。子供たちが両親を馬鹿にしたような態度を取った場合にも、両親はそれに乗っかってはいけません。子供が健やかに育つためには、夫婦仲が良いことも重要です。大変であってもお互いに助け合っている様子を見ると子供達も自分もこうやって生きていこうという風にお手本としてみてくれる場合もあります。子供達からああなりたいと思ってもらえるような親になりたいものです。親も人間ですので、感情的になることもあるかもしれません。しかし、子供であれ言ってはいけないこともあります。そういったことが分からないと子供は荒れることもあります。

 

 

機能不全家族 「特徴」


機能不全家族に陥っている場合にはどのような特徴があるのでしょうか。お互いがお互いを認められずに価値観がぶつかってしまうこともあるのではないかと考えます。ここでは、実際にあった相談内容を基に、機能不全家族の特徴を見ていきましょう。


期待する親とそれに応えられなかった娘


学生時代は成績もよく周囲から将来を期待されていた彼女は、少なからず親からの期待を感じざるを得ませんでした。親もこんなことをしてみたら、あんなことをしてみたらと言ってきますが、若かった彼女は自分が本当に何をしたいのか分からずに、悩んでいた時期がありました。心身の疲労をきっかけに、就職先を退職しましたが、両親は娘が良くなかったのだと娘を責めるときもありました。娘もやっと一人前になれたと思ったのに申し訳ないと感じてしまい、食べ物ものどを通らない日などが続きました。やがて、両親の期待は自分には無理だったのだ。自分のしたいことではなかったのだ。と気づきます。両親の期待は世間一般的にみるとごく普通のことなのですが、それができないことに彼女は悩んでいました。その感情はずっと薄れずに根強く残っています。しかし、自分の力で失敗もし、いろいろな経験を積むうちに、自分に自信が芽生えていることも感じました。それまではなんとなく、そういわれたからとやっていたことが、段々自分の実感として、生きていくとはこういうことなのかもしれないということに気づき始めたのです。それは、両親が言っていたこととは少し違うことでしたが、生きている実感を持つ彼女がいます。その価値観は親にはわからないものでしたが、今では両親も彼女が幸せであればいいという態度で接しています。


家族の中で常に自分を攻撃する母


家庭において何かトラブルが起こると決まった人を攻撃する親がいます。兄弟であれば、一番話の分かりそうな子供に矛先が行く場合もあります。そのような場合には、子供も強くなってひねくれて反発することもあり、常に自分が怒られていると感じる場合などはないでしょうか。ある意味それは、親がその子に甘えているのかもしれません。また、その子が本当にやりすぎている可能性もあるので、一概には言えませんが、親子の中でも相性が合って、それに合わないとトラブルが発生する場合もあるようです。上の子にはつらく当たり、下の子はかわいがるなどのパターンもありますが、こういった場合には、親にその傾向があることを自覚してもらう必要があります。親にも余裕がないのかもしれません。子供が気にしてない場合はいいのですが、常に自分が怒られていることで不公平感を持つ場合などが出てくるかもしれません。親としては、話の分かりそうな子に比重が行きますので、誰か一人が怒られるとかいつも兄や姉が怒られるというパターンが出来上がっている可能性もあります。そのまま成長し大人になってからもその関係を引きずって辛い思いをすることもあります。


家族は本来愛情を学ぶ場所


家族という存在は、本来であれば、愛情とは何であるかということを学ぶ場です。しかし、家庭不和や機能不全家族に陥っている場合には、その愛情とはなんだ?と疑問を持ち、愛情というものがどういうものかわからないまま成長していくことになります。お互いにいたわり合い、信頼し合っている両親を見ることで、子供もこれが愛情という物かと知ることができますが、いろいろなしがらみによりそれが難しい場合もあります。人間関係は複雑なものになっていますので、本来愛情を受ける場である家庭において愛情が感じられないことは、成長の上でも大きな弊害になります。両親がよく喧嘩をしている家庭で育ったり、家族関係の悪い家で育ったりした場合には、子供への影響も無視しがたいものになっています。子供の前ではできるだけ和やかに仲良く子供をかわいがるようにすることで、子供も安心感を得ていきます。まずは、自分がどうしたいのかということも考えましょう。

 

 

機能不全家族 「弊害」


本来、愛情を肌で感じることで愛情とは何であるかを学ぶ場である家庭において、愛情を感じられないばかりか悪意すら感じる場合には、その家族は機能不全家族として、子供の成長に大きな悪影響を及ぼすこともあります。


自意識が正常に発達しない


機能不全家族の中で育つと、大きくなってからも生きづらさを抱えるアダルトチルドレンが育つことになります。本来は愛情を与えてくれるはずの両親から、虐待を受けたり、無視されたり、過剰の干渉されること、期待されることで、本来の自分とはかけ離れた自分を家庭で演じる必要が出てくることで、子供らしい子供時代を過ごせないことがあります。自分を攻撃してくる者から身を守るために必死になり、本来であれば愛情を与えてくれる存在であったにもかかわらず、愛情とは何かが分からずに、相手のことを信用できなくなることや、抗うつなどの症状が出ることもあります。機能不全家族で育つことで、自意識が正常に発達しないという弊害があります。


親の理不尽な価値観を押し付けられている


機能不全家族で育つことで、親の理不尽なルールや意見を押し付けられている可能性もあります。自分はこうしたいと思っていることも抑圧されて育つことになります。子供が成長する過程で最も影響力を及ぼすのは近くにいる親になりますが、その親の意見などは支配的でもあり、それに従わないと子供たちは生きていけない環境において、それを利用し、親が子供を支配することで自分の意のままに動かそうとすることに問題があります。もちろん、命の危険に関わることなどはきちんと話をする必要がありますが、それ以外にも、親が人に対して批判的な場合には、子供も人が信じられない子に育ちますし、過干渉になると、思春期などの自我が芽生える時期に、衝突することもあるでしょう。また、DVやモラハラを行う場合にも、そういった価値観の押し付けにより、育成されてきたものが大きく関わってきています。


子供は支配する存在ではない


子供にも子供の自我があるので、自分たちの意見を押し付けてよいものではありません。しかし、その部分が分かっていないと、子供に愚痴を聞かせたり、子供を巻き込んだりして、自分を収めようとする親がいるのも事実です。人間関係にはいろいろありますが、子供に仲の悪さを見せたりするのは、その子の成長にとってはあまり良くありません。子供は見たものを学習しますので、仲の悪い夫婦を見て育つと自分もああなってしまうのかという思いに駆られ、なかなか家族を持とうとしない場合も出てきます。子供の言うことや疑問に対してあいまいで矛盾の多い回答が多いと、子供も混乱し、親のことを尊敬できなくなる可能性もあります。また機能不全家族で育った場合にも自分の家庭は良い家庭だったと思っている場合もあります。中には、良い方に考えないと生きてこられなかった可能性もあります。しかし、無理をするのは止めましょう。どこかで自分に負担がかかっていないでしょうか。自分の本来の考えはどこにあるのかをはっきりさせて、家族とは決別して生きていくのもいいかもしれません。


毒親なのに離れられない


自分のことを攻撃してくる毒親であるにもかかわらず離れられない場合もあります。相手は自分がいないとどうなってしまうのだろうと考えたり、自分が相手に依存していたりする場合があります。機能不全家族ではお互いが信頼関係で結ばれているのではなく、相手をののしることや相手に依存することで成り立っているいびつな関係です。親が子に甘えている場合や、大きくなってから支配してきた親に復讐する子もいます。そういった関係に陥らないためにも、家族内での人間関係の改善などを行っていく必要があります。そのような家庭で育った場合には、異質な環境であったことを認めて、自分の考え方を変えていく必要があります。

 

 

機能不全家族 「パターン」


機能不全家族とは、本来子供が受けるべき愛情を提供できないような家族環境の家庭を指します。少し前までは親がアルコール中毒である家庭などを指して使われていた言葉ですが、最近では、この機能不全家族で育ったために生きていく上で苦しい思いを抱えている人も多くなっています。


厳しさの中にも愛情があるのが家庭というもの


普通の家庭においても両親は子供を叱ったりするものですが、きちんと笑顔で子供を迎えることも多く、コミュニケーションもきちんととれており、叱られることさえも愛情に感じるというパターンも多いです。一方で機能不全家族の場合には、子供にとって安心できるスペースはなく、そこは親の顔色を窺うことや、いつ自分に火の粉が飛んでくるかもわからないという緊張する場であるということです。また親の価値観の押し付けがある家庭もあります。親が子供の為にと思ってしている行為は実は自分のための行為であり、本当に子供のことを考えているのかと言われれば疑問に感じることなどもあります。また、年頃の子供たちの身だしなみやプライバシーを侵害するような行為も子供たちを傷つけます。その裏には自分たちの今までの経験などがあり、子供に対してデリカシーのない意見の押し付けを行っている場合もあります。また、借金や浮気などの重要な事柄があるにもかかわらず平静を装っている場合などにも、その問題点を見ないようにしていることで、家族に弊害が出ている場合があります。本来の家族のあるべき姿ではなく、その中で育つ子供は違和感を持って、育つことにもなります。


家族仲が悪い環境や悪口や批判が飛び交っている機能不全家族


家族の仲が悪く、常にだれかの悪口を言っている家庭や、夫婦でお互いの悪口を子供に言っている親などは気を付ける必要があります。子供は両親双方からの血を受け継いでいますので、アイデンティティを確立していく上でどちらかを否定することは自分自身を否定することにもつながります。そうすると、自己肯定感が持てずに辛くなってしまいます。家族とは本来子供が守られるべき場所であることをしっかり頭において、子供が健やかに成長できるような家庭環境にしていく必要があります。子供はお互いにいたわり合い仲良くしている親を見て、人にはこうやって接すると良いのかといったように学んでいきます。また、家族仲が良いことで精神的な余裕も生まれて、みんなにも優しく接することができるでしょう。自分たちの愚痴を子供に聞かせるのもあまり良くありません。子供たちは社会とはそんなものなのかと思ってしまい、前向きな気持ちになれない場合なども出てきます。辛いことが合っても社会で一人前になれるような人間を生育できる環境である必要があります。


子供に無条件の愛情を与えられず、子供が成長するまで守れない


どんな家庭であれ、子供が安心して過ごせない家庭は機能不全家族と呼ばれます。一見は幸せそうな家庭であっても、機能不全家族である場合もあります。子供の前では喧嘩をしないようにすることや、仲良くすることも必要です。また、子供のことを無条件に認めて、失敗も受け入れてむやみに叱ったりしないこと、失敗から学ぶこともあることを理解する必要があります。自分がそこまでやってきている場合には、子供にも同じようなことを要求する場合もあるのですが、親と子は違うものであるという認識を持ち、過大な期待や要求を求めることは避ける必要が出てきます。親にとっては当たり前のことが子供にとっては非常に重荷になっている場合もあります。思うことがあっても、子供の前で言ってはいけないこともあります。そういった発言を肝に銘じておく必要があるのですが、子供の純粋な気持ちを利用してしまう親がいることも事実です。大人になるとそういう親の弱い部分なども客観的にみられるようになる時期も来るのですが、子供の頃はとにかく親に笑顔になってもらいたいと励ましたりねぎらったりすることで、子供たちが疲れてしまうこともあります。

 

 

機能不全家族 「原因」


機能不全家族になる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。機能不全家族になる一因には、家族関係の悪化や夫婦関係の問題、金銭的な問題、仕事の問題、依存症の問題などいろいろな問題が絡んでいます。


本来落ち着く場所である家庭が戦場になる


機能不全家族においては、どこかでなにかしら問題がありそのことを感じつつも現実を変えられずにそのままの状態を保っている場合もあります。家庭というのは本来温かく愛情あふれるものであるはずが、本来は守ってくれるはずの親が自分を攻撃してきたり、自分に依存してきたりといったように本来の家庭とは違った形をしています。また、家族関係や仕事関係などで不平不満が多く、他人の文句ばかり言っているような場合なども見受けられます。多少無理がかかることや納得のいかない部分があっても、やり遂げている間はいいのですが、子供達から見ると、うちの家庭は仲が悪かったなぁとか、うちの両親は自分のことを認めてくれなかったなぁとか感じるようになります。自分がしたいことや考え方があっても、それを理解してもらえずに、一人苦しむことになります。


親の価値観の押し付けに違和感を持ちつつも、よくわからない子供


子供はまだ社会経験が少ないので、親の言っている価値観について正確な判断ができない場合もあり、そういうものなのかと鵜?みにしてしまうところもあります。自分はこうだというものを持てる年代になればいいのですが、小さな子供にとっては親の存在というのは絶対的なものである場合も多いです。そんな中で、人を批判することや、悪口を言い合っているような家庭で育つと、家庭に対しても社会に対しても希望が持てずに無気力になってしまう可能性も高いです。人はいろいろな経験を通して考えて行動していきますが、自分の価値観を押し付けてくる親を持つ場合、自分との間で葛藤が生まれます。親とは本来は信頼し尊敬すべきものであるはずなのですが、そこまでの資格を持たない親というのも存在します。子供に何かを聞かれたときに理論的に納得のいくように説明できるでしょうか。子供が何を考えてどんなことをしたいと思い、どんなことが嫌だと思っているのかを理解できるでしょうか。子供の素養を理解せずに、自分の理想を押し付けることはないでしょうか。そういった面では、親も子供を支配するのではなく、子供のことを理解し、認めてあげることも必要になってきます。


あなたのためという過干渉


「あなたのため」と言いながら、大きくなっても服装や髪型、考え方などにまで口をはさむ親がいますが、それは子供の意志を無視した行動かもしれません。子供がこうしたいと思ったことを、誘導し自分の考えに近づけるようなことはしていないでしょうか。子供に自分で決めてもらうことも大切な場合があります。過干渉な親の元で育った子供は自分で考えることができずに、困ることもあるでしょう。また、親の助言という名の束縛に従ったことで本当はああしたかったのに。と文句を言われることもあるかもしれません。相手が失敗してもそこから学ぶこともありますので、それを見守ることも必要になります。親自身にもいろいろな考えやトラウマがあって言っていることかもしれません。しかし、親自身も自分の特性に気づく必要があります。子供はだんだん親から離れて自分でいろいろ経験をしていきます。そんな中でもまだ子供をコントロールしようとしますか。子供を気にかけつつも、手は出さずに見守ることも必要になってきます。子供は支配する対象ではなく、見守り愛情をもって育てる対象です。自分にできないと思うのであれば、周りを頼ることもいいでしょう。子供は社会で育てていくものだという意見もありますが、自分で難しいことは人を頼るのも一つの手段です。一人で抱え込まないで、相談しましょう。

 

 

機能不全家族 「認める大切さ」


機能不全家族になる場合においては、様々な原因があったのかもしれません。また、その関係性を解消できない理由などもあるでしょう。機能不全家族であることを認識したらそれを変えていけるように努力していくことも必要になってきます。


家庭とは子供を無条件に愛し安全に育てる場所


健全な家庭とは失敗なども含めて子供を愛し、育てる場所です。健全な家庭にするためには、両親は子供を条件付きで褒めたりするのではなく、存在そのものを褒めるようにすることも大切です。子供が失敗した場合にも叱るのではなく励ましたり、認めたりすることも必要になります。親自身が考えるレベルが高かったりすると子供にも高いハードルを要求してしまうこともあるかも知れませんが、子供は失敗するものとして、温かく見守ることも必要になってきます。自分の価値観や考え方を押し付けるのではなく、相手の考え方や価値観なども認めることが必要になるでしょう。子供であっても一個人として尊重し、疑問点には論理的に説明することも必要になります。もちろん答えにくいこともあるかも知れませんが、子供の納得がいくように答えることが大切だと考えます。例えその場ではきちんと答えられなくても、子供と一緒に考えたり、子供の疑問に真摯に向き合うことで信頼関係は築かれると思います。


口先だけでなく態度で示すこと


子供を愛しているというのであれば、言葉だけでなく、態度で示すことも必要です。夫婦仲が悪いことは子供の発育にも影響を及ぼします。もし、夫婦の仲が悪く、いがみあっているのに自分の為に別れないということを聞いたら子供はどのように考えるでしょうか。子供のためと言いつつ、それは本当に子供のためなのでしょうか。子供のためと言いつつ逃げている部分などはないでしょうか。夫婦仲が冷え切っているという場合には、それを変えるための努力などはできないでしょうか。また、夫婦仲よくやっていくための努力などができないでしょうか。子供はどちらの血も受け継いでいますので、仲良くやってほしいと思うことも多いのではないでしょうか。しかし、自分の希望とは反して、両親の仲が悪いことで、悲しくやるせない思いになることもあるかもしれません。そのような環境にあること、またはあったことを認め、どのような影響が生じているのか見つめ、改善していかねばなりません。


子供に関心を持つこと


いつも忙しくしている親御さんの場合には、子供に関心を持つことも必要です。無関心な親に育てられている場合には、子供はなぜ自分が存在するのか、自分は生きていてもいい存在なのかと分からなくなってしまうことがあります。自分のことのみに目が行ってしまいがちになりますが、子供のことを本当に考えているのかをきちんと考えてみる必要があるでしょう。夫婦仲が良く、子供を認めてあげられる環境は健全な家族と言えます。子供が成長して巣立つまでに、相手を認めて、保護してあげることも必要になってきます。もちろん自分一人で生きていけるように自立させることも必要ですが、子供の時にはしっかりと保護して守ってあげることも親としては必要になってきます。


自分の考えは正しいのかという思い


子供に何かを語るときには、こうしたらいいよ。と言ってしまう場合もあるのですが、果たしてそれは正しいのでしょうか。親に敷かれたレールをそのまま走る子供さんも多いですが、中にはレールに乗れない人も出てきます。そういう人を否定するようなことは言っていないでしょうか。生きていく上では皆いろんな価値観の中で生きています。自分の価値観が正しくて相手が間違っているのだといった考えを持っていないでしょうか。いろいろな価値観がある中で、お互いに理解できずに衝突する場合なども出てきます。しかし、違う人間なのだから考え方が合わない部分はあって当然です。それは親子関係でもいえることです。子供がある程度の年齢になってきたら、自分の価値観を押し付けるのは止めることも必要です。子供が失敗する可能性があっても、親として見守ることが必要になってくる場合もあります。そんな親の様子に子供が愛情を感じ安心してチャレンジできる場合もあるでしょう。

 

 

機能不全家族 「対策」


機能不全家族を改善するにはどのような対策を立てるといいのでしょうか。機能不全家族に陥っていないか自分の家庭を見直してみるのも良いでしょう。夫婦関係や親子関係が良くないと気づいた場合には、別れを決意して別々に暮らすことも解決策になる場合もあります。


家族仲が悪い家庭に育つということ


自分が生まれてきたのは両親が愛し合ってのことであったと考えたい場合にも、両親の仲が悪いとその理念に疑問が生じます。このように信じたい理想があるのに、それを阻む現実がある場合には、子供達は葛藤します。大きくなってくると親も不完全であることが分かってきたり、親の考え方と自分の考え方は違うことを理解するようになり自分から距離を取ったりするようになるのですが、子供のときにはまだわからないことも多く、親の意見に自分自身が振り回されることがあります。また、親の不仲が耐えられず、自分を守るために閉じこもることもあるかもしれません。機能不全家族で育つと親も未熟であることを痛いほど感じることもあるかもしれませんが、子供はどちらかの味方をしてできるだけ仲良くしてもらえるようにと務める場合もあります。親自身も自分の問題点に気づき、その点から目をそらさずに、戦っていくことが機能不全家族の対策には必要となります。


いいところもあれば、悪いところもあることに気づき認める


両親のことを考えたときに、幼い頃は絶対だと思っていた親の意見も、実は違っていたかもしれないと感じるときもあります。そう感じるのが早い人もいれば、親が死んでから気づく場合もあるでしょう。両親と話をするときには、なんでも話ができるでしょうか。話をするときに頭ごなしに否定されることがあるでしょうか。健全な家族の場合には、相手のことを尊重しつつも、心配していることを告げると思います。考え方は人それぞれ違いますので、どちらが正しいというものではありません。ただ、社会的にはこうだから、これが常識だからといった感じで価値観を押し付けられたように感じることは良くありません。親も自分の生きてきた中の尺度で物を言っている部分もありますので、自分でいろいろと試してみて、親には何も言えないような状況を作り出すのもいいかもしれません。後になって、それってすごいことかもよ。と言われることもあるでしょう。


他のことでのストレスが子供に回っている


いじめと同じように、何かのストレスがかかっている場合に、その矛先が子供に行く場合があります。あってはならないことなのですが、親も人であり、感情的になることがある動物です。完璧な親もいるかもしれませんが、親は試行錯誤しながら親になっていくものです。どんな親でも一緒にいると情も湧いてくることもあり、いいところもあったなぁと考えることもあります。しかし、今の苦しみの原因が親にあることもまた避けられない事実です。自分の中にある価値観は幼少期から親にずっと言われ続けていたことかもしれませんし、表面的な社会地位などでそのように思う場合もあるでしょう。しかし、自分が違うと思えば、それは違うと言ってもいいかもしれません。親は何を生意気なことを言っているのだ。分かっていない。というかもしれません。でも、そこは自分で決めて生きていきましょう。機能不全家族で育つと何が正しいのかもよくわからない状況に陥っている場合もあります。しかし、親を責めるのではなく、自分の人生を生きていこうと決意することもまた必要です。自分と未来は変えていけるものです。一人で難しいのであれば、誰か違う人の手を借りるのもいいでしょう。親であっても合わない部分はあるでしょう。合う部分もあれば、そうでない部分もあることを理解して、自分の過ごしやすいように生活していくのがいいのではないでしょうか。機能不全家族であることを認知したうえで、それを改善していけるように自分の考え方を変えていきましょう。

 

 

機能不全家族 「関わり方」


自身の家族が機能不全家族であると気が付いたとき、それが子供である場合はなかなか抜け出すことが難しいのですが、子供には子供なりの抵抗もあり考えもあるのかも知れません。機能不全家族であると感じる場合にはどのように関わっていくといいのでしょうか。


機能不全家族であったことは、子供のうちは分からないことが多い


機能不全家族で育つと、その環境が当たり前であったために、その環境が健全ではなかったことに長い間気づかないという場合があります。結婚や、就職してみて初めてその関係性が健全ではなかったことに気づくこともあります。また、他者と関係性を作っていく上で、弊害が現れることでも、見える部分が出てきます。それは他者に迷惑をかけるといった形で現れることもありますし、自分の中で苦しさを覚えるという形で現れることもあります。自分を押さえつけてイライラさせる原因はどこにあるのでしょうか。一見、普通に見える家庭でも、歪みが生じており、子供にその影響が出ている場合もあります。両親の仲が悪いことや、借金問題や浮気問題に悩んでいるなど重要な事項で問題が起きていたことはないでしょうか。また、それを取り繕うために子供が子供でいられないような環境であったことはないでしょうか。子供への負担を考えながらも、子供に甘えていたところはないでしょうか。一度振り返ってみることが今後関わっていく中で必要になってくるかも知れません。


親のために子供が子供らしくいられない


子供は親の期待に応えるべく一生懸命頑張ります。しかし時には、できない場合もあります。そんなときに親はどのような対応をしたでしょうか。子供のことを本当に考えて対応してくれたでしょうか。それとも外見的な体裁を保つための行動だったでしょうか。そういった面なども子供の成長には大きくかかわってきます。また、子供を無視したことはないでしょうか。子供は親の気を引くために一生懸命何かでアピールしています。そういった場合にどんな対応を見せたでしょうか。健全な家庭では、そういった場面でも、きちんと子供のことを考えて適切な対応がとられる場合が多いのですが、機能不全家族では、子供のことよりも自分自身のことに目が向いてしまい、自分の保身に走る場合が多いです。虐待などでも、社会的な体裁が気になってしまい保身に走り、取り返しがつかないことになる場合もあります。


子供の為に両親が変わることも大切


子供が不快感などを表している場合には、親自身も自分が間違っていなかったか、自分の価値観を押し付けていなかったなどを考えてみる必要があるでしょう。年を取ってくると自分の考えが凝り固まっていることもあるのですが、その場合に、子供の考え方を自分の考え方に合わせようとはしていないでしょうか。そうすることが幸せだと言ったにも拘わらず、相手からそうではないと言われたときにはどのように答えますか?自分たちの保身のためにその価値観を押し付けるのでしょうか。子供のためを思うのであれば、考え方を押し付けるのではなく、辛いことが合っても、本人が幸せになることを望むのが親なのではないでしょうか。自分の意見を言うことはいいことですが、それが押し付けになっていないでしょうか。娘や息子さんの性格を利用して、自分のいいようにコントロールしようとはしていないでしょうか。親自身もよく考える必要があります。幸せかどうかを判断するのは子供本人であって、親ではありません。社会的に苦労することが分かっていても、本人が幸せに感じるのであれば、それは見守ることが必要かもしれません。子供が自分の人生を自分の意志で生きていくことを見守ることが親には必要になるかもしれません。自分の保身のために、子供を利用していないかよく考える必要があります。意見を押し付けるのではなく、自分の意見としてこう思うという風に子供に話せるといいのではないでしょうか。大きくなってくると子供も理解できるようになります。

 

 

機能不全家族 「相談のケース」


結婚が決まった30代の女性、母娘関係に悩んでいる


母娘関係に悩んでいる娘さんがいました。夫の方の親子関係を見るようになって、自分たちの親子関係が健全なものではないと感じ始めました。お母さんとはうまくやっているように思っていましたが、彼女の母親は彼女のいろんなことに干渉してきました。幼い頃には着るものや習い事、学業に関すること、友人関係や恋人についても彼女に意見することも多く、そんな母の意見に悩まされつつも、疑問に思いながらも従っていたのですが、夫の両親との関係を見ると、両親は夫にほとんど口を出すことなく、夫のことを信頼している様子がとれたので、自分の親子関係に疑問を持つようになりました。母に言われることで辛かったことも多く、どうして成人してからもここまでいろいろと言われるのだろうと思ってきたので、思い切ってそのもやもやを話すべく、カウンセラーを頼りました。話をしていく中で、自分はこう思うということをだんだんと母にも伝えられるようになり、またお母さんも一緒に話をしていく中で、自分の夫婦関係が上手くいっていなかったことから、娘に過干渉になってしまっていたことを詫びるようにもなり、関係性が少し改善しました。


家族の雰囲気がいたたまれず、学校に行けなくなった10代の男性


父親が鬱で休職したのをきっかけに、家族がうまくいかなくなりました。おろおろと混乱し、父親を攻撃するようになった母親を見て感じるところもあったのか、学校に行けなくなりました。学校で何かあったということではないですが、学校に行く気力が起きずに、トイレなどに閉じこもったり、部屋に閉じこもったりしていました。両親の離婚が成立し、母親が少し落ち着いてきた様子を見せ始めたことから、また学校へも通えるようになりました。父親がいないことに感じていることもある様子ですが、きちんと学校を卒業して、大学への進学も考えている様子です。ただ、勉強している様子はあまりなく、その割には大学に進学すると話しているなど、心配な点もあるようです。


祖母との仲があまり良くなかった母、愚痴を聞かされていた娘


祖母との関係があまり良くなく、母親はいつも、実娘である義妹の方が可愛いのだと愚痴を言っていました。娘は母親の味方をしていましたが、裏では陰口を言いつつ、表ではにこやかにふるまっている母親に疑問も抱いていました。祖母が年老いていくにしたがって愚痴は減っていきましたが、娘は、そんな話を聞かされていたので結婚することが怖いと思うようになっていました。そして、結婚相手を探す時にもできるだけ親の問題のない人がいいと思うようになります。相手がどんな人であるかよりもまず、嫁姑関係を心配してしまい、混乱することもありました。やがて結婚し、結婚生活を営んでいく上で、母親とは違う考え方をしていることに気づき、義理の母親にはいつも感謝していると思っています。ひどいことを思っていた時期もありましたが、こどもができたことでも考え方が変わり、義母を他人としてではなく、家族としてみられるようになったということです。


子供は親の言うことを聞けばいいのだという親に辟易する息子


親が子供に期待するのはよくあることですが、その期待に応えられなかった子供に対して、非難の言葉を浴びせるようになった親がいます。親には障害があり、その中でも一生懸命に子供を育てていましたが、非難したりけなしたりする物言いが多かったために、息子は反発し、自尊心の低い人間になってしまい、抗うつ状態に陥りました。社会になじめずに、人間関係などでも苦労することも多く、そのイライラも募っています。自分がこうなったのは親のせいなのだという意識が強く、常に親を攻撃しています。親もその子供に対し、子供は親の言うことを聞いていればいいのだと告げます。親と離れたいが、金銭的なこともあり、離れることができずにいます。

 

 

機能不全家族 「Q&A」



機能不全家族とはどんな家族ですか?

 

一見普通に見える家庭でも、子供への過干渉や過保護などにより、子供が生きづらさを感じている場合などがあります。家庭は本来安心していられる場所であることが前提なのですが、子供にとって緊張する環境であることや、嫌な怖い思いをする環境である場合に、機能不全家族という言葉が用いられます。人間関係の構築が難しいことや、抗うつな状態に陥るのは家庭における親子関係などが原因の場合が多いです。

 
 


機能不全家族で育つとどんな弊害がありますか?

 

機能不全家族で育ったことにより、両親などに否定されて育つと、自己肯定感が低くなり、何事にも自信が持てずに、人と信頼した人間関係を構築したり、仕事をしたりということが難しくなる場合があります。自分では当たり前と思っていたことが実は当たり前ではなかった場合もあります。自分の考え方を形成していく場で、自分に害になるような刺激を与えられている場合には、機能不全家族で育った弊害が出るかもしれません。

 
 


自分の家庭は虐待や依存症の人もおらず、普通の家庭だったように思います。家庭でも親は自分を認めてくれていました。応援してくれて守ってくれる親であるにも関わらず、生きにくさや抗うつ感を感じることがあります。

 

あなたのためと思ってやってくれている行為があなたの成長を妨げている場合もあります。それはあなたが本当に望んでいることでしょうか。不安定な現代社会では、親も子供を心配してあれこれとやってくれる場合もありますが、それはあなたのためになっているでしょうか。社会でやっていくために自分が変わることが大切になってくる場合もあります。親に甘えないで、自分の力で頑張ってみることも必要になるでしょう。

 
 


両親との関係性に悩んでいるときに、機能不全家族という言葉を知りました。うちの両親は家族仲が悪く、父と母は私がいるために離婚しなかったようです。恋人ができそうなのですが、自分も父と母のようになるのではないかという不安もあり、一歩踏み出すことができません。どうしたらよいでしょうか?

 

お母様とあなたは違う人間です。同じ考え方でなくても良いことを学びましょう。自分が辛い思いをしてきたからこそ自分は幸せになるぞ!という気持ちを持ちましょう。両親も自分の経験からあなたにいろんなことを言うかもしれませんが、自分で決める意志の強さを持ちましょう。悪い方に考えるのではなく、いい方に考えましょう。自分ならできる。幸せになるんだと考えて生活しましょう。

 
 


両親が離婚しました。機能不全家族という言葉を知り、私が学校に行けなくなった原因は親にあるのかなぁと漠然と思っています。母は一生懸命育ててくれるので言えませんが、私は両親がそろっている方が良かったです。気持ちが落ち込んでしまい、友達もいないので、学校に行きたくありません。

 

自分の思い通りにならずに苦しい思いをしているのは分かります。また事情があったことも分かるようになっているということで成長されていますね。お母様も悩んで決められたということで、明るく元気にしているお母様を支えてあげましょう。学校に行く元気がないのであれば、少し休むのもいいかもしれません。自分で何かしたいという活力がわいてきたら、学校に行くのもいいでしょう。

 
 


自分がこのようになった原因は親にあるのではなく、自分の病気や性格にあると思っています。しかし、機能不全家族というものを知ってから、仲が良くうまくいっているときには気づかなかったことが、あとで考えるとこうだったのかもしれないと思うようになりました。親のせいにしてもいいのでしょうか?

 

アダルトチルドレンの概念においては、親のせいにするということは肯定されています。親や親せきから受けた心の傷は、幼少期のあなたではどうにもならなかったことであり、そういった対応をするべきでないことは親の責任でもあるからです。