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依存症

                       
依存症とは特   徴弊    害
種類と分類原   因認める大切さ
対   策関 わ り 方相談のケース
Q & A

 

依存症とは


止まるに止まれず転がり落ちる急な坂道と同様である。


依存症とは、特定の何かに心を奪われてしまい、そのものを止めたくてもやめられない状態になることです。依存する対象は、物であったり、行為であったり、人であったり、様々なものがありますが、このような特定の物事に対して、やめようと思っても自分でコントロールできないときに依存症であると言えます。


依存症とは?


依存症とは、本人の心が弱いから依存症になったのだという意見が一般的にはありますが、依存症の発症はドーパミンという脳内の快楽物質の分泌が大きな役割を持っています。アルコールや薬物、ギャンブルなどはそのものや行為によって、ドーパミンが放出されて、快楽が得られます。そして、その行動が繰り返されると、脳がその刺激に慣れてしまって、より強い刺激を求めるようになります。その結果、物質が行動をコントロールできなくなってしまい、結果として依存症と診断されます。「職場や家庭や学校になじめない」といった孤独感にさいなまれることや、「自分に自信が持てずにいる」「プレッシャーと戦っている」などのストレスを感じているときなどにも、その物質や行動により依存症になるケースがあります。依存症にかかると、自らの問題を認めない傾向にあり、本人が依存症という病気であることを認識するのは困難です。一方で家族は本人に振り回されて、お金の問題や健康の問題に振り回されることが多くなります。家族や知人が依存症かもしれないと感じた場合は、一人で抱え込まずに、一人で解決しようとしないで、近くの保健所や精神保健福祉センターに相談されるといいでしょう。家族や友人などの周りの人が、依存症について、しっかりと理解し、当事者が依存症を改善できるようにサポートしていくことが必要になります。


止めようにもやめられない場合には依存症の可能性も


依存症になると他人に迷惑をかけない程度にほどほどにしておこうというコントロールが効かなくなってしまいます。やめたいという気持ちがあった場合でもなかなかやめられずに、のめり込んでいってしまいます。最初はたしなむ程度であったことが、段々とやめられなくなり、家族や知人にも迷惑がかかるようなことがあれば依存症の可能性が高まります。


物質への依存

アルコールや薬物などの精神に依存する物質を原因とする依存症状です。依存性のある物質の摂取を繰り返していくと、一定の量では満足できずに、段々と使う量などが増えていき、使い続けなければイライラしたりかんしゃくを起こしたりと自分で自分がコントロールできなくなるような状況に陥ります。アルコールなども最初は少しの量を飲んでいた場合でもだんだんと量が増えて、朝昼問わずお酒を飲むようになれば、それはアルコール依存症にかかっていることになります。


行為への依存

特定の行為や過程にのめり込む場合も依存症とみなされます。繰り返すことで、どんどんと強い刺激を求めるようになり、その行為を止めよう思ってもやめられない。寝ても覚めてもそのことばかり考えてしまうなどの特徴が出てきます。その行為をしていないとイライラするといった症状が出ることもあります。


依存症になると、生活のリズムが崩れることや、家族に迷惑がかかる


アルコールや薬物、ギャンブルなど、依存しているものは人それぞれありますが、依存症に陥ると、生活のリズムが崩れたり、体調を崩したり、お金を大きく使ってしまうなどの行為に走り、結果家族に迷惑をかけて家族との喧嘩が増えるなどの弊害が現れます。しかし、依存症に陥っていると、問題が起きている場合であっても、ほどほどにできない、やめることができないといった状況になっている場合も多いです。その状況になったときに、本人や家族が困っているような場合には、改善が必要になっている状態ですので、依存症についてしっかりと理解を深めて、依存症を改善する方向に努力していくことが必要になります。


 

 

依存症 「特徴」


依存症と言っても様々なものがありますが、どういった特徴があるのでしょうか。


アルコール依存症


アルコールを継続的に反復して用いることにより、飲酒をコントロールすることが困難になり、身体や社会的に有害な結果が見込まれているにもかかわらず、自分でアルコールをコントロールできない病気です。アルコール依存症には「酒乱」「酒を毎日大量に飲む」「酒にだらしない」などがありますが、眠るためやストレス発散のために飲酒が増えることや、飲酒後に記憶がないことが増える事、飲酒した翌日には意欲が低下してしまうこと、飲酒していないときに離脱症状(発汗や手の震え、不眠)などが出てくることなども挙げられます。
 

薬物依存症


違法薬物(覚せい剤・大麻・シンナー・コカイン)などを止めたいと思うのに止めることができない場合や合法だと言って、市販薬や病院からの処方薬を乱用することで、日常生活に支障が出ている場合は薬物依存症である可能性があります。覚せい剤や大麻などは非合法であるために、独特な入手手段を取りますが、入手するために、携帯電話やインターネットが手放せなくなったり、ある特定の場所に買いに行ったりします。そして、覚せい剤や大麻を使用すると多幸感が出現します。この心地よさが忘れられず、薬物を繰り返し使いやめられなくなっていきます。感覚刺激が強くなることで、幻覚や幻聴が出ることもあります。最近では脱法ハーブにより急性の中毒症状などもあります。脱法ハーブは成分が不明瞭であり急性の中毒症状が出ても解毒が困難な場合もありますので、注意が必要です。
 

ギャンブル依存症


医者での診断名は「病的賭博(びょうてきとばく)」と呼んでいます。経済的に困窮したり、家族が困ったり、精神的に追い詰められるなどの弊害があると分かっていても、ギャンブル(パチンコ・パチスロ・競馬・競艇・競輪)などがやめられない状態をいいます。ギャンブルをすることで興奮するそのプロセスにはまってしまい、自分ではコントロールできない状態に陥って、消費者金融やサラ金、闇金などで借金をして、失職したり、家庭に問題が生じたり、うつになったりするなどの弊害が出ます。ギャンブル依存症になると、サラ金などから借金を繰り返すので、ダイレクトメールや請求書などが多数届くようになります。馬券をインターネットで買うために携帯電話を手放さなくなることや、ギャンブル攻略本を読んで、朝からパチンコ店に出かけて開店前に並ぶといった行動に出ることもあります。
 

ネット依存症


高校生~大学生に多く見られる症状で、不登校やひきこもりの原因になると言われています。ネットの世界に入り込むことで、実生活とネットの世界の区別ができなくなり、ネットを取り上げようとすると、暴力をふるう場合もあります。また、思春期になると親への反発もあり、友人とのつながりを多く求める傾向が強くなって、メールには即座に反応しなくてはいけないといった状態になることもあります。既読になっているのに返事が来ないと何度も携帯を見るといった行動に出ることもあります。22時以降は携帯を触らない、食事中は返信はしないなどのルールをしっかり守れればいいですが、精神的に未成熟である未成年が問題を把握して自分で解決することはかなり難しくなっています。
 

買い物依存症


買い物をすると気分が高揚し、一時的に嫌なことが忘れられるので、繰り返して買い物を行っていくうちに、欲しいものを買うことが目的ではなく、買い物自体が目的となってしまいコントロールできない状態を指します。衝動的に買いたい欲求が抑えられず、借金を繰り返して、自己破産に陥ることもあります。買った後には罪悪感に苛まれて自己嫌悪に陥ることも多いです。抗うつ状態の人が気分を上げるために買い物をするというパターンもあります。また、買い物依存症は女性に多いと思われていますが、男性にもみられる症状です。


 

 

依存症 「弊害」


何かに依存してそれを止めようと思ってもやめられない状態というのは、家族や知人に迷惑がかかることが多いです。依存症の弊害について紹介しましょう。


アルコール依存症の弊害


アルコールを手放せなくなると、朝起きられなくなったり、アルコールがないと眠れなくなったりといった弊害が出ます。大事な会議があったのに、寝坊してしまうといったことやアルコールの飲みすぎで子供との用事にも参加できなかったといった弊害が出ることがあります。また、アルコールを飲みすぎると体調にも良くありません。肝臓の病気などになることもあり、体がむしばまれていきます。その他にも、アルコールを求めるあまり、お金を使うようになり、本来であれば貯蓄できたであろう金額もお酒につぎ込んでしまうことで、家族間に亀裂が生じることにもなります。そういったアルコール依存症の弊害を認知して、改善していくことが必要になってきます。


薬物依存の弊害


覚せい剤や大麻などの違法薬物に手を染めると、脳が快楽を求めて、薬を求め続けるようになります。違法薬物は普通には手に入りませんので、特殊な経路で入手するために、違法な取引に手を出す場合もあります。法を犯しているという意識はあっても、快楽を求める方が先に来てしまい、自己制御をかけることができません。薬物に依存するようになると、幻覚や幻聴などの現象が起き、周りに迷惑をかけることもあります。覚せい剤を摂取した人が道で暴れることや、誰かを刺すなどという事件も起きていますし、薬物依存は犯罪防止のためにも直すべき依存症です。きちんと薬物を断って、毎日をきちんと過ごすことが必要になってきます。薬物で汚染されてしまった脳はもう元に戻ることはありません。大切な人生を駄目にしないためにも、薬物は止めるべきものです。


インターネット依存症の弊害


中高生や若い人などに起こりやすい依存症であり、日中も深夜まで何時間もインターネットをしているという状況になります。インターネットが気になるあまり、勉強に手がつかなくなり、成績が急激に下がってしまうといった弊害も出ています。また、すぐに返事をしなくてはいけないという強迫観念に駆られていることや、返事が来ていないか気になって何度もスマホを見てしまうといった場合も出てきます。昼夜逆転の生活になってしまって、学校に行けなくなり、不登校や引きこもりになってしまうといったケースもあります。未成年が一人でネットを断とうとするのは難しいことでもあるので、親御さんが一緒にネットを断つような援助をしていくことが必要になるでしょう。


ギャンブル依存症の弊害


ギャンブルの刺激を求めて、ギャンブルにお金をつぎ込んでしまい、職を失うことや、サラ金に追われてしまうことがある場合には、ギャンブル依存症である可能性が高いです。金銭的にも社会的にも家庭内の状況も悪くなっていくことを認識しつつ、ギャンブルがやめられないのは依存症になります。ギャンブルを止められないことで、金銭的に困窮し、家族にも迷惑をかけて、一家離散になるといった弊害もあります。子供の教育資金や生活費さえもギャンブルにつぎ込んでしまうといった場合も多く、ギャンブルは離婚の原因の一つにもなります。生活を見だしてしまうほどのギャンブルは、周りの人にも迷惑をかけますので、専門機関で治療を行うことが必要になってきます。


性依存症の弊害


性的な行為はそのものが問題になることはないのですが、痴漢や盗撮などの社会的に問題となる行為を行ったり、性交渉や風俗の利用回数が極端に多くなったりすると性嗜好障害という病気の可能性があります。一般的には、身体的・社会的なリスクがあった場合でも、性的行動がやめられない場合、売買春など不特定多数の人間とセックスする、風俗通いがやめられずに金銭的に困窮している、強制わいせつ罪や迷惑防止条例違反などの方に触れる行為を行っている場合には、性的コントロールが効かなくなっている状態です。この病気の場合には、女性に対する認知の歪みが大きく、子供に興味を持って性犯罪をする場合などもあります。通常の依存症に比べて、被害者に対する影響が大きく、被害者は大きな精神的ダメージを長期間受けることになります。

 

 

依存症の「種類と分類について」


依存症は大きく三つに分けられています。三つの依存症に共通することは、コントロールの障害であり、自分の意思で、量や頻度、場所や状況などをコントロールできなくなる障害です。


物質依存


ある物質を飲んだり注射したりして摂取して、快楽や刺激を得て、その物質に執着し、依存する場合があります。アルコールやたばこ、薬物(違法薬物・脱法ハーブ・処方薬)など自分の体の中に取り込むものが多いです。そのものを追い求めるあまり、生活に支障が出ることや、犯罪もいとわないといった障壁が出ることがあります。
そのものを買い求めるために私財をなげうったり、そのものがないとイライラとして機嫌が悪くなったりすることもあります。


行為・プロセスの依存


ある行為をすることで得られる興奮や刺激を求めて、その行為自体に執着・依存する場合を指します。ギャンブルやパチンコ、買い物、盗癖、ネット、性、浮気などの行為にはしります。その行為を行っていないと落ち着かなくなり、その行為を遂行するために家族にうそをついたり、大きな借金を抱えてしまうといったことにもつながり、家庭が壊れたり、職を失ったりする可能性もあります。買い物などでは欲しいものを手に入れるというよりも買い物の行為自体に快楽を見出してしまい、必要ないものまで買ってしまうといった行動を起こします。金銭的に困窮することも多くなる依存症で、本人だけでなく家族も困ることになります。


人・関係の依存


ある特定の人との人間関係に依存します。歪んだ人間関係に執着することで、人とのつながりを求めようとします。女性依存や男性依存、DVやストーカーなど、犯罪行為に及ぶものもあります。DVなどだと、DVする方もされる方も、この人は自分がいないと駄目なのだというような思い込みを持ってしまい、SOSが出せなくなる場合もあります。本人も悪いことだと分かっていつつも、コントロールが効かないようなところもあり、人間関係にひずみが生じる場合が多いです。ストーカーなどの行為も認知のゆがみから来ており、一方的な感情を相手に持ってしまい依存していきます。


クロスアディクション


円が重なる部分があるように、二つ以上の依存を合併することがあり、クロスアディクションと呼ばれています。
一つの依存を抑制することで、新たな対象に依存し始める場合もある現象です。アルコールを断つために努力していたら、イライラしてパチンコに通うようになってしまったなどの事例があります。アルコールと鬱との関係や病的窃盗と摂食障害などの他の精神疾患や障害との合併が多く報告されていることが分かっています。依存症と他の精神疾患が合併している場合には、一般的には、依存症の治療をまず行ってから、その後に並行して、精神安定剤や睡眠剤などの薬物を用いた治療を行う場合もあり、専門の医療機関に助けを求めることが大切になってきます。


 

自分をコントロールできないのは依存症の危険性あり


いろいろな物や行為などを行う上で、そのものに対して過大な執着をして、そのものやそのことを行っていないとイライラするような場合には依存症が疑われます。依存症の治療を行う上では、治療を受ける本人の行動を起こそうとする段階を考えて、「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の五つの段階に応じて実施されます。本人がどのステージにいるのかによって、治療方法は異なります。本人のいる段階に応じた治療を行うことが、依存症の治療において重要になってきます。依存症の治療には、身体面・精神面・社会面などを意識した総合的なケアが必要になってきます。一人で悩まないで、専門家や同じような悩みを抱えている人たちと話合うなどの機会を持つといいでしょう。まずは、自分の状態に気づくところから始まります。家族や近しい人が依存症に陥っている場合も、専門家に相談して一緒に対策を立てていきましょう。


 

 

依存症の「原因」


依存症の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?心が弱いと依存症になるともいわれてきましたが、最初何気ないことがきっかけだった場合もあります。周りに迷惑をかけていないかどうかという点をしっかりと見ていくといいでしょう。


遺伝的なものによる依存症


アルコール依存症などについては、依存症者の約三人に一人がアルコールを乱用する親を持っており、アルコール依存症の父親を持つ子供の4人に一人はその人自身もアルコール依存症になる可能性が高くなっています。また、双子の場合では、一卵性の双子の場合には、どちらかがアルコール依存症になるともう一方もアルコール依存症なるという確率が高いことが分かっており、遺伝の影響が強いものと考えられています。アルコール依存症が遺伝する割合は、30~65%程度と言われており、アルコールに強い体質であるかどうかということも加味されます。アルコールへの体質はアルコール依存症にも大きくかかわります。


神経・生物学的な依存症


アルコールや薬物を長期に渡って乱用すると、脳内の神経細胞の機能が低下して、報酬効果(快感や喜び)を徐々に得にくくなります。アルコールや薬物の乱用で、報酬効果を得るために、より頻繁に、より多量に薬物を使用するようになります。最近の研究では、脳内の神経機能の変化が不安や抗うつの症状になると言われており、それらの症状を緩和させるために、ますます物質に依存して乱用するようになるとの報告があります。


社会的なストレスから逃れるための依存症


社会生活の中で様々なストレスからの回避を行うために、アルコールや薬物、その他の依存対象を使い続けてしまうということもあります。最初の内は、仕事や家庭環境を害することなく、アルコールや薬物と付き合えている時期がありますが、その後、社会生活の中で、様々な困難やストレスと向き合っていく必要が出てきたときに、アルコールや薬物に依存するようになり、量や回数が増えていくことなどがあります。そして、自分ではコントロールできないほどの依存症になっていきます。一時的に、ストレスが緩和されたり、辛さがやわらぐことで、どんどんとのめり込んでいき、アルコールや薬物、ギャンブルや買い物といった依存対象物がないと生きていけないという状態に陥ります。



最初は何気ない気持ちで始めたことかもしれない


最初はあまり何も考えずに、少し試してみたという程度の気持ちだったかもしれません。しかしより快楽を得るために、依存対象への思い入れは強くなり、家庭環境や仕事に影響が出てくる場合もあります。自分はすぐに立ち直れるから大丈夫と思っているかもしれませんが、自分でコントロールできない場合には依存症になっている場合も多いですので、きちんと治療を受けて、自分をコントロールできるように毎日過ごしていく必要が出てきます。依存対象がないと毎日がストレスに押しつぶされそうでツライということもあるかもしれません。
対象に依存しても一時は忘れられますが、根本的な解決にはつながりません。しっかりもうやめるのだという強い意志が必要になります。一人での辛い戦いになりますが、周りの人にも協力してもらって、人間らしい生活ができるように、直していくことが必要です。楽な方に逃げるのは簡単なことですが、それでは根本的な解決にはなりません。体や家族などが壊れていくのを無気力に見ているのはもったいないことです。まずは、自分が依存症であるという認識をしっかりと持って、それを直していこうと、辛いことでもやっていこうと思うことが大切になるでしょう。お医者さんでは、アドバイスはくれますが、依存対象を我慢し、離脱していくのは自分であるということをしっかり頭において、治療に取り組みましょう。大切な家族や貴重なお金を無駄にしないように、社会的な信頼を失わないように、少しずつ努力していく必要があります。

 

 

依存症を「認める大切さ」


依存症になっているときには、自分には目的の物や行為しか見えず、その他の物はどうなってもかまわないと思っているような状態になっていることがあります。依存症は自分で治すことは困難であるために、精神科で専門的な治療を行うといいでしょう。


依存症の治療を行っている専門の精神科を受診しよう


精神科や心のクリニックでも依存症の治療を行っている機関は存在します。まずは、自分が依存症であり、それが原因で周りに迷惑が掛かっているということを自分で認識する必要が出てきます。また、依存症の治療は依存しているものを断つ必要があるので、最初は離脱症状などがあり、本人にとってはとてもつらいものです。離脱症状が始まって辛いと感じたときには、カウンセリングを受けたり、自助グループに参加したりして、自分の胸の内を話して、少しずつ克服していくことがいいでしょう。家で一人で悩んでいるとまた依存症に逆戻りしてしまうこともありますので、離脱症状などで辛くなったら、専門医に相談したり、同じような悩みを抱えている人と励まし合ったりして、自分をしっかりとコントロールしていけるように努めるといいでしょう。また、依存症から脱却するにはかなりのエネルギーが必要になりますし、本人にとってはとてもつらいことの連続であるので、家族や周囲のサポートなども必要になってきます。本人が克服しようと努力している場合には、家族もできる限りサポートを行って、克服できるように支援してあげることが必要です。


辛いのは離脱症状。それを超えると楽になる時が来ると信じて


依存対象を取り去ることで辛いという感情と戦うことになるでしょう。その感情に負けないで、しっかり自分を持つことも依存症からの脱却には必要になってきます。嫌なことから逃げて、ひと時の快楽で現実逃避するのではなく、その悩みとしっかり向き合って、自分を害さない方向で、周りの人にも迷惑をかけないように生活していけるように努めていきましょう。依存症の場合には一日我慢するようなことも辛い場合があるので、一日我慢できれば自分を褒めてあげて、その毎日を積み重ねていくようにしましょう。周りの家族も頑張っている本人を認めてあげて励ましてあげる事で、本人も頑張ろうという気持ちになるかもしれません。その依存対象に接近できないような環境を作り上げることも大切になります。アルコールであれば、アルコールを飲めないように入院することなどもいいでしょう。自分でアルコールを渇望しているときには、離脱症状と戦っているのだと考えて、じっと我慢をすることも必要になるでしょう。家族の泣いている顔を見たくないと思うことも離脱症状に耐える理由になるかもしれません。自分にとって大切なものや大切な人のことを良く考えて、毎日過ごすようにしましょう。周りの家族も本人を責めたりせずに、励ましサポートしてあげることもいいでしょう。


自分の意志でコントロールしていこう


依存症は自分の意志でコントロールできない障害ですが、一日一日を目標にして、今日出来たら明日も頑張ろうと毎日を積み重ねていきましょう。今もし、依存症で辛い、治したいと考えているのであれば、そのつらい気持ちを専門のお医者さんなどに相談して、日々のストレスを緩和させて過ごせるようにケアしていくこともいいでしょう。一人で悩んでいても、なかなかコントロールはできないのではないでしょうか。誰かに支援してもらいながら、できた自分を褒めつつ、毎日を積み重ねていきましょう。同じような悩みを持つ仲間と話し合うことでもつらい気持ちが緩和されることがあります。辛い思いをしているのは自分一人ではないと考えることで、また頑張ろうという気持ちになれるでしょう。一人で悩んでいないで、専門のお医者さんを訪ねてみるのもいいでしょう。依存症から克服したい!と強く感じて行動に移すことが大切です。

 

 

依存症の「克服への対策」


依存症を克服するためには一人で挑むことはなかなか辛いものです。信頼できる人に相談することや頼れる家族がいるのであれば、支えてもらうなどして、依存症克服に向けて挑んで行く必要があります。病院に行くと以下のような対策がなされることがあります。


投薬治療


どこも悪くないのにどうして薬を飲まなくてはいけないのだと思うかもしれません。確かに、依存症は薬で治すものではないのですが、依存症からくる症状を緩和させるために薬剤を用いることがあります。アルコールがないと眠れない。ギャンブルやパチンコのことが頭から離れず、眠れない。アルコールやギャンブルがないと気持ちが沈むといった場合には、睡眠薬や安定剤、抗不安剤などが投与される場合があります。薬物依存などだと少し心配な部分もありますが、専門医の管理の元、しっかりとコントロールできるように治療を進めていきます。


カウンセリング


日々のストレスにより依存症になっている場合には、そのストレスについて相談することで気持ちが少し軽くなる場合があります。嫌なことから逃げるように依存症になっている場合でも、カウンセリングを通して自分としっかりと向き合うようになり、日々の何気ないことにでも感謝し楽しみを見出せるようになると、依存症から抜け出せる日も近いです。カウンセリングの注意点は、1回のカウンセリングではなかなか効果が見られないということがあります。継続的に通うことで、だんだんと効果が出てくるので、カウンセリングを受ける場合には、継続的に通うようにしましょう。


自助グループへの定期参加


依存症を克服するために自助グループに参加する方法もあります。薬物治療やカウンセリングと並行して行っていきます。自助グループは単独で治すことが難しい依存症に対して、治療を目的として同じ症状を持つ人たちが結成している全国的な組織です。同じ目的を持つ人のグループに参加することで、症状の改善に向けて意識を高めていくことが可能です。一人で依存症を克服するのがつらい時などにも同じような環境で頑張っている人がいることを知れるだけでも、気持ちが変わります。励まし合ったりもできますし、つらい気持ちを分散させるのにもいいですので、定期的に参加してみるといいでしょう。


 

家族に依存症を持つ人がいる場合には?


家族に依存症の人がいる場合には、その人の行動が家族を苦しめていることを認知してもらい、治療に当たるように気持ちを変えてもらう必要があります。時には厳しい態度に出て、相手のことを思って話していることを分かってもらい、治療に行くようにサポートしてあげてください。厳しい態度に出るのは相手を愛しているからだということをきちんと告げて、依存症を克服できるように支えてあげましょう。依存症の離脱症状は本人も苦しく、我慢をしなければならないときもあります。そういったときには家族からの誉め言葉や励ましの言葉なども大きく心に響くときもあります。本人が感情的になってしまう場合には、信頼できる親戚などを介して話し合いを行うことも必要です。家族が依存症で悩んでいる場合はまずは、家族が依存症についてしっかり勉強して、本人に確固たる態度を示して、気づかせることも必要でしょう。まずは、医療機関に足を運んでくれるようにしっかりとサポートすることも必要になります。本人が依存症を自覚し、治したいと思っているのであれば、ぜひサポートしてあげてください。話を聞いてあげることもいいですし、あまり感情的にならずに、辛抱強く対応していくことが必要でしょう。一人で抱え込まずに、専門の機関を受診して、当事者の身にどんなことが起こっているのかを冷静に分析し、対応していくといいでしょう。まずは、本人が病院に行くと決意できるようにサポートを行いましょう。家族が病院に行き、先生の話を聞くこともいいでしょう。冷静に対応できる知識を身に付けましょう。

 

 

依存症 「関わり方」


依存症を持つ場合、依存症とどのように関わっていくと良いのでしょうか。また、依存症の家族がいる場合にはどのようにかかわりを持っていくといいのでしょうか。


依存症は一朝一夕に治るものではないので、地道に治療を行っていくこと


依存症になるとコントロールが効かなくなりますので、周りに迷惑をかけていても気にならなかったり、気づかなかったりすることも多いです。そんな場合には自分の依存症をきちんと認めて治療しようと考えることが必要になってきます。今までコントロールが効かなかったものがすぐにコントロールできるようになると考えるのは難しいですので、できれば、家族に協力してもらって、アルコールなら買わないように注意することやギャンブルも行かなかったら、その分家族に励ましてもらうなど、依存対象となるもの以外にも楽しみを見つけ出せるといいでしょう。まずは、周りの人に迷惑をかけている場合には、そのことを自覚しましょう。アルコールや買い物、ギャンブルなどどれもお金のかかることですし、親や配偶者子供などに大きな迷惑が掛かっている場合もあります。そんな家族の様子をきちんと感じ取れて治そうと思うことがまずは第一歩です。依存症にまでなるとコントロールが効かずに、我慢できなかったといったこともあるかもしれません。そんなときには、どうして自分はそのものに依存してしまうのかということをじっくりと考える時間を作ることもいいでしょう。日々のストレスから逃げるように依存していくのではなく、日々の生活をコントロールしながら健康的に生きていく楽しみが見つかることで、依存症から抜け出すことができる可能性があります。もちろん、辛いこともしなくてはいけません。そんな中でも、依存対象がなくても楽しいことや幸せなことがあるのだということに気づくことで、依存症からの脱却が図れるでしょう。


家族の関わり合いについて


依存者の依存物質や依存行為を家族がコントロールするというのは難しいことです。自分でコントロールできないことを人がコントロールしようとすることでストレスにもなりますし、犯罪に走る可能性もあります。その依存症さえなければいい人であるという場合には、その対象に依存することで、自分を保っているということがあるのかもしれません。しかし、まずは、本人に専門医を受診してもらえるように努めることも大切になります。まずは、家族が専門医に出向いて相談し、これからの対応の仕方を教えてもらうのもいいかもしれません。感情的になっても、収まるものではないので、あまり感情的に接するのも余計に良くない可能性もあります。家族が心配していることを告げ、依存症によって困っているということを当事者が自覚することが大切になりますので、一緒に依存症を克服できるようにサポートしてあげて下さい。イライラした場合には、本人に気持ちをぶつけるのではなく、自助グループなどで、同じ気持ちを抱えた家族の人たちと経験を分かち合うことによって、そこで気持ちを少しずつ吐き出して、気持ちを浄化させるカタルシス効果を体験できるといいでしょう。そして、次に自分の気持ちをどのように伝えるとよいかを学んでいきましょう。


即座に治るものではないので、辛抱強く治療を続けていく必要がある


依存症によって悩んでいるのであれば、一度専門的な相談先に相談して、どのように対応していくとよいのかを勉強する機会を持ちましょう。病気であるという認識で、どのようなタイミングでどのような言い方で治療を進めるべきかなどの助言がもらえる場合もあります。本人は病気という認識がない場合が多いので、まずは家族が依存症という病気と向き合って、本人を治療に向かわせるということが必要になります。また、依存対象に再び接触するようなことがあり、落胆することもあるかもしれませんが、それも病気の一環だとして、長い目で依存物質を断っていけるように努めていくことがいいでしょう。依存症になってしまった原因探しをする場合もあるのですが、依存症になってしまった背景にはストレスの緩和のためや気持ちをあげるためなど様々な要因があり、最初は何気なく始めたことだったかもしれません。原因探しをするよりも、より治療に結び付くように環境を整えることが大切になってきます。

 

 

依存症 「相談のケース」


30代のフリーターの女性、パチンコ依存症になり受診したケース


若いころは厳格な家で育ち、パチンコもやったことがなかった女性ですが、社会人になり、パチンコで大当たりをしたのをきっかけに、自分で何かを成し遂げたという気持ちになり、それ以降は、生活費を稼ぐ為という名目でパチンコに行くようになり、また、パチンコをしている間は生活費を自分で稼いで見せるといったやる気に満ち溢れていました。しかし、吸い込まれるようにパチンコでお金を使い続けることが増え、借金もするようになり、それが原因で旦那さんとも別れることになりました。自己破産をした後は実家に戻り、することもなくイライラしていた時期がありましたが、知人の勧めで心療内科に通うようになり、自分についてよく考える機会を得ました。自分が何をしたいのか、どんなことに興味があるのかについてなどよく考えるようになり自分をいたわることを学び、パチンコがなくても楽しいこともあると考えられるようになったことで、パチンコ依存症から脱却することができました。


引きこもった息子との共依存からの脱出を試みたケース


中学一年生の時にクラスになじめないからと不登校になった息子と一緒に過ごすうちに、共依存のような関係になり、息子が何かしようとしても、息子には無理なのでは?などと言ってしまうなど、その関係性に悩んでおられた50代の女性がいました。引きこもりの息子との関係性を改善するべく、心療内科やサポートに通うようになり息子への声掛けも変わってきたことで、息子さんにも変化が現れました。少しずつ、外に出るようになり、普通に生活ができるようになり、週3回のアルバイトから週5回といったように、徐々に就業時間を延ばして、段々と働けるようになりました。息子が自信を失うような言葉をかけてしまっていたことを、専門機関を通して気づくことで、息子との共依存に陥っていたことを克服できた例です。息子さんもお母さんの声掛けが変わったことにより、様々なことにチャレンジしてみるという気持ちも起こってきたようで、外に出るようになりました。ずっと子供だと思い、過干渉に子供に接してしまっていたことを改めて、子供の能力を認めて、少し大変なことがあっても見守るようにしていくことで、息子さんも一歩踏み出せるようになりました。


ギャンブル依存症の夫に関して妻が専門医を受診して支援に成功したケース


旦那さんのギャンブル依存症に悩んでいた方のケースです。旦那さんにはギャンブル依存症に陥っているという感覚がなく、奥さんはただ普通に生活がしたかっただけなのですが、子供にも無関心で、ギャンブルに熱中する夫に困っていました。その際に、専門機関を受診し、まず奥さんにギャンブル依存症についての理解を深めるために、セミナーへの出席や書籍の購入を勧めました。さらにギャマノン(ギャンブル依存症の家族会)への参加を勧めました。本人への対処方法としては、借金の返済などのしりぬぐいは止めて、本人に現実を直視させることが重要であるとアドバイスを行いました。奥さんは得られた助言をもとに取り組み始め、ギャマノンに出ることで落ち着きを取り戻し、夫のギャンブルに一喜一憂することが減ってきました。夫は借金に追われて首が回らなくなった時に、妻の助言を受け入れて、GA(ギャンブル依存症の自助グループ)へ出席をはじめ、ギャンブルを止めようと取り組んでいます。


 

このように、一人で悩まないで、専門の機関を受診し、相談などを行いながら支援を受けるという方法があります。自分と同じような環境にあるという人がいるということが分かるだけでも、気持ちが分かってもらえて少し楽になることもありますし、どうしてよいかわからず悩んでいることも少しずつ軽くなっていきます。依存症に困っている場合には一人で抱え込まないで誰かに相談して、悩みを打ち明ける場を作るといいでしょう。

 

 

依存症 「Q&A」



依存症の症状はどんなものですか?

 

アルコールや薬物、インターネットやギャンブル、スマホなど原因はいくつかありますが、何か特定の物がないとイライラする、不安になるといった症状が現れます。常にその原因になる対象がないと精神的に不安定になるので、摂取量が増えることや行為がやめられないといった状況になります。急にヒステリックになったり、手が震えたり、金銭の使い方が荒くなることや、家族や仕事の上での約束が守られなくなる場合には、依存症の症状が出ている場合もあるので、一度相談してみましょう。

 
 


どれくらい使うと依存症になるのですか?

 

1回使ったからと言って依存症になるというわけではありませんが、使い続けるうちに、やめたくてもやめることができない、その対象のことばかりを考えてしまう、依存を続けるためには手段を選ばないなどの行為が出てきて、周囲に迷惑がかかるようになると依存症という病気である可能性が高まります。最初は軽い気持ちで始めたことでも、それがないと生きていけないような思考回路になってしまう場合には依存症が強く疑われますので、一度病院を受診しましょう。

 
 


依存症は治りますか?

 

依存症は完治のない病気ともいわれています。脳が依存症になる前に戻るということはありません。しかし、他の病気と同様に、生活習慣を見直すことで、回復して社会活動に参加することも可能になります。依存症であっても、薬物やアルコール、ギャンブルなどの依存を一日一日止め続けることで、社会復帰も可能になります。

 
 


家族だけでも相談できますか?

 

もちろん家族の方の相談もできます。ご家族の方が相談機関につながり、依存症への知識を深めることで、それをきっかけにして、本人の回復につながることもありますので、まずはご家族だけでも相談しましょう。実際の相談には家族が先に訪れるということが非常に多くあります。

 
 


依存症を止めさせるにはどのように関われば良いですか?

 

依存を止めろと言われても止めることができないのがこの病気の特徴です。家族がやめさせようと本人を監視することや、注意叱責や泣き落としをしても、本人の依存は止まらないでしょう。何度も裏切られたと失望することでご家族との関係も悪くなり、家族が疲弊することで本人の回復も遅れます。これも、ご家族が依存症という病気に巻き込まれて共依存の状態に陥っていることになります。まずは、ご家族の方が依存症について勉強し、悩みを話せる仲間を持つことが大切になります。共依存になっている場合には、助言を得ることで、患者の問題と自分の問題を区別できるようになり、より良い関係を築く足掛かりになります。

 
 


本人とどんな会話をすればいい?

 

普通の会話ができる関係であることが大切ですが、多くのご家庭では本人とご家族の関係が悪化している場合が多いです。そのような場合には、本人の依存症に対してどうするのかというよりも、本人と家族の関係を改善することが必要になります。何気ない日常会話や挨拶でもいいので、コミュニケーションを増やしていけるといいでしょう。

 
 


もしかしたら、依存症かもしれません・・・。

 

依存を疑っている本人の場合でもご家族の場合でも何かおかしいと感じられる場合には、まずは、専門機関を受診しましょう。専門のカウンセラーの方に話を聞いてもらって、解決の糸口を見つけていきましょう。一人で依存症に悩むのではなく、誰かに相談しながら、依存症を克服していきましょう

 
 


どうすれば回復できるのですか?

 

依存となる対象を一日一日止め続けることが回復へとつながっていきます。依存症はすっきり治るというような疾患ではないので、毎日その依存対象がない状態でも平穏でいられるように過ごすことが大切になります。一人で止め続けることがつらい場合には、自助グループなどに参加して、自分の考えていることなどを伝えられる場を持つといいでしょう。気持ちが楽になるでしょう。